映画「モービウス」ネタバレ感想

 THEBATMAN見てすぐにコウモリをベースに生まれる主人公を公開されたので気分は洞穴真っ暗闇です。悪くない。

 こんにちは音霧カナタです。ヴェノムと同じ世界を舞台にした、SONYが送る「ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース」の3作目。ヴェノムは公開当初とんでもない悪役面だったのに今では「かわいい」と絶賛されるようになっているから、ワンチャンモービウスも「かわいい」と言われたりするのかなーとか思って映画館に足を運んできました。因みに字幕版です。

 まん延防止の規制がない映画館はミッチミチ。両隣に人がいる感覚は久しぶりですがなんだか慣れねえ……個別席とかを500円追加で得たい気分。

それではここで注意アナウンスをば。

 此処から先はネタバレありの感想、忖度なしの評価になります。まだ見ていないけど絶対見るって方は回れ右してくださいませ。

おおまかなあらすじ

 血液の難病を患うマイケル・モービウスと、その親友マイロ(本名ルシアン)。2人は大人になっても仲良く病気に立ち向かうために、モービウスは医師で人工血液を作り出し、マイロは資金面・影響力で補佐し続けた。

 ある日モービウスは蝙蝠の血清を自分に投与することで、人間の粋を超えた超人になるが、代償に血液を飲まないと渇欲で人殺しをしかねない状態になった。そんな呪われた血清をマイロも投与したが、彼は裏社会にも顔が利くようで「人殺し」に対する抵抗はまるでなかった。

 克服して超絶頂期なマイロを止めるためにモービウスは奮闘し、遂に撃破するのでした。めでたしめでたし……

 と思ったらマルチバースの狭間から出てきた人物が次回作への期待を煽りに来たのでさあ大変! この先どうなっちゃうの!?

途中で予想はつく

 難病克服のため、吸血蝙蝠と半ば融合したかのようになったモービウス。

 その面は戦闘時、とても凶悪……というか醜い。ヴァンパイアってもっとイケメンとか想像していたが、そうだ、そもそも日本で言う妖怪の類だったわ。因みに陽光に当たっても死なないし、死んだらそれまでで「万単位で復活可能」とか「スナァ!!」とかもなし。

 そんなモービウスという作品だけど、見始めて40分(?)にあった「吸血鬼化したモービウスがマイロに血清投与を拒否する場面」で、後に起こるであろう展開の察しがついてしまう。これはいろんな映画やアニメやらで言う【お約束】だし、その予想は概ね当たっていた。

 まあ言うて本作はSONY肝入企画の第3弾だし、後にモービウスを登場させるお祭り作品も出るだろうから、お披露目的映画というのもあるので、わかりやすさは大事だと思う。実際ヴェノムもわかりやすい作品に仕上がっていたし。ただアチラにあった明るく爽快な雰囲気はこちらにはないのでその点ご注意を。雰囲気はかなりダーク寄りだが、直近のTHEBATMANよりはかなりカジュアルなダーク作品だし、直接のグロ描写もないので安心。

モービウスの戦い

 スローモーションが何度かある。暗い場所での戦いが多いので、気を抜くと何をしているのかわからないかも。その戦闘能力はMCUに出ても遜色ない

 身体能力はまさに怪物で筋骨隆々、銃撃も見てから避けることが可能。頭の回転も速くなるためか周囲の様子を超スローモーションで見ることができる。複数人の拳銃構えた警察官に囲まれても、躊躇いさえなければ秒殺可能。ぶっちゃけ私の推しであるキャプテン・アメリカなら余裕で倒せる。アベンジャーズメンバーの内なら

・アイアンマン(スーツ着用前)
・ピーター・クイル
・ブラックウィドウ
・ホークアイ

 などの人間であれば簡単に勝てるでしょう。一瞬で失血死に導ける吸血能力が凄まじいので、組み付かれたら終わりです。

バットレーダー

 この時点で既に常軌を逸した強さなのですが、更には吸血蝙蝠のエコーロケーション機能、バットレーダーまで使えるので索敵能力も万全。これの演出からして効果範囲も長大だから本当に人間をやめているとしか言えない。

 更に、ピンチになったらアントマンが蟻の軍勢を招集出来るように、吸血蝙蝠(普通の蝙蝠もいる)を大量に呼び出すことが出来る。その奔流だけでビビるし目眩ましや行動妨害も可能。これら蝙蝠の保持している病原菌とかだけでも人間は大ピンチになること請け合い。(因みにマイロはこれを使えるか不明)

 たった1人でそれだけの力を生み出せる辺りモービウスという医師の底知れなさを感じる。MCUの医師は来月大変な冒険するらしいけど。

マイロのダンス

 ヴィランサイドになったら謎のダンスをする、これ、スパイダーマン3の鉄則。惜しげもなく健康体になったムキムキボディを観客に披露するマイロのサービス精神よ。これ日本語訳版だと杉田さんボイスでやると聞いて「それはそれで見たい」気分にさせる。一言も喋らなくても笑う自信がある。

 今まで出来なかったことを存分にやりたい放題する爽快感は、マイロからすれば天にも上った心地だろう。しかもモービウスと違って選民思想もあるためか、命に優劣があることを当然のように主張しているし、吸血のためならば他者の命など顧みない強さもある。つまりは吸血鬼化における最大のデメリットを克服していると言えるので、ぶっちゃけモービウスが勝てたのはかなりギリギリだった。

 勝因はマイロが最終盤まで

マイロ「お前も(人間的側面なんか捨てて吸血)鬼にならないか」
モービウス「ならない」

 と勧誘し続けたからである。モービウスへの感謝・親友としての親切心などが暴走した結果、最終的には倒されることになる。

バットマン現る?

 こうして平和になった世界、しかしモービウスはあまりにも多くのものを失った。その上MCUで開いてしまった【マルチバース】の影響が出てしまい、この世界に『バルチャー』が現れてしまう。

 このバルチャーはMCU版、つまりはトムホスパイディと戦った存在。同一の俳優(マイケル・キートン)を起用しておいて全く関係ありませんは通らない。

 しかしマルチバースによって元々のスパイダーマンがいた世界から、別の世界に来てしまった。その理由としては「この世界にもスパイダーマンがいる可能性」を示唆しているのと「かつて演じた【蝙蝠】に引かれて」……いやいやこれはかなりメタ! なし!

 最後のやり取りが今後どうなるか気になるけど、楽しい予感しかない。

総評

 予告も熱心に見た方の場合、その爆アゲ期待値を大きく下回る内容になってしまいそう。例のウイルスで公開延期を重ねた結果だとしたらまあ仕方なし。

 流れるようなストーリー展開は最後まで飽きることなく見れたし、演出もかなり力を入れていたので面白さはあった。

 ただ私の場合『期待を裏切らず予想も裏切らない作品』だと考えてしまったので、正直物足りなさを感じました。どんでん返しはなく、ラストのサプライズでガッツリMCUとの繋がりを示した辺りは、作品自体の評価とは別物と考えています。

 以上、モービウスの感想でした。

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。