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Tour of Japan 第2ステージ 相模原

大会名:Tour of Japan 第2ステージ 相模原  

開催日:2021年5月29日

距離:パレード4.6km + 11.9km + 13.8km×7周 = 108.5km

天 候:晴れ

リザルト:7位

*写真はcyclesportsのInstagramより

ツアー・オブ・ジャパン第2ステージの相模原。TOJに組み込まれるのは今回が初めてらしいが、そもそも自分にとってロードレースは全てが初めて尽くしだ。このコースも2週間前にチームメンバーで試走していたが、起伏に富んだコースが自分向きであると感じていたので最も楽しみにしていたステージだった。

チームの作戦はとてもシンプル。第1ステージで10位に入っている徳田選手の総合順位を逆転させるためには、逃げに乗って3分半以上の差をつけてゴールするしかない。必ず同様の考えを持った選手が序盤から動いてくる激しい展開になるので、徳田選手と自分の2人が逃げに乗ること。一緒に逃げに乗れたときには自分はアシスト。もし捕まって集団ゴールになったときは山本選手と河野選手に託してステージ優勝を狙うというプランだった。

ウォームアップの時から脚が良く動き、調子が良いことを感じていた。前回の群馬のレースでも逃げに乗れたので、必要な動き方はイメージできている。そして登りでのレース序盤からのアタック合戦はMTBが主戦場の自分にとっては通常のレース展開であり、誰にも負けない自信がある。

パレード走行が終わると同時に、まずはファーストアタックをする選手を見て誰が逃げに乗りたいかを把握する。全日本チャンピオンの入部選手がかなり積極的に動いていたのでマークするようにした。マトリックスやキナンなど総合上位の有力選手を含むチームが動くときも必ず反応するようにする。10分ほどアタック合戦が続いたが、周回コースの登り頂上で20人ほどの選手で抜け出すことに成功。この中には総合トップ10の選手も数人含まれている。総合順位を逆転したい選手と逃げ切ってステージ優勝を狙いたい選手との思惑が一致し、かなりのハイスピードでローテーションを回していく。

残念ながらこの逃げにチームメイトの徳田選手は乗れていなかった。その場合は待つようなことはせずに自分の順位を狙っていいとのことだったので、逃げ切ってゴールまでいくことを意識してレースを進めていく。

タイム差はどんどんと開いていき、3周目の時点で3分近くまで開いた。試走した段階からトンネルとコーナーが多いコースなので、大集団ではペースを上げ辛いのではないかと話していたが、実際にその通りになった。入部選手に「この逃げゴールまで行けますかね?」と聞くと、「絶対いける」と力強い返事をもらう。大きなチャンスがやってきた。

入部選手や学生選手、ナショナルチームの選手は抜け出しを狙って積極的にアタックしてくるので、ペースが緩む箇所がなくずっと速いペースで進んでいく。ある程度集団とのタイム差が開いてからは、右京と那須ブラーゼンがアシスト選手を使って逃げ集団を牽引。総合上位のエースを逃げに乗せているために集団とのタイム差をできるだけ広げたいと思われる。これによって安定したハイペースとなり、集団との差は5分半まで広がった。

キナンは山本選手と畑中選手という強力な2人を乗せていたが、逃げと集団とのタイム差が広がり過ぎていて集団にいるエースが逆転される可能性があるためかローテーションには加わらなかった。しかしレース中盤になると山本選手が登りでアタックをかけてくる。自分にはこの動きにどういう意図があるのか分からなかったのだが、レース後に山本選手のレースレポートを読ませてもらうと、どうやら登りで逃げ集団を疲弊させてペースを落とさせたかったのが狙いだったようだ。確かにこの動きによって逃げ集団のメンバーは10名ほどにまで減り、集団との差は少し縮まってきた。しかしこの逃げ集団から遅れさえしなければ逃げ切れることは間違いない。

自分の脚はというと4周目あたりから昨日同様に脚が攣りそうになっており、誤魔化しながら耐えていた。MTBやシクロクロスでは殆ど攣ったことがないのだが、ロードでのペダリングやペースの上げ下げ、競技時間に対応できていないためだろう。悔しいがロードレースのためのトレーニングをしていないので仕方がない。

ラスト2周の登りで先頭集団から遅れてしまうが、一緒に遅れた入部選手に声をかけて全力でローテーションを回して先頭集団を追いかける。とてもキツかったが、ここで千切れると後ろの集団に飲み込まれてしまうので必死で脚を回した。3kmほどの追走の末にラストラップに入る直前になんとか二人で追い付くことができた。千切れてもレースが終わらないところがロードレースの面白さだと感じた。

ラストラップ、もう自分に勝つ力がないことは分かっていたので、いかに良い順位でゴールするかのみを考えた。15秒ほど先行している小石選手を追走するために下り区間で4人が飛び出す。自分もこのアタックには反応できそうだったが、ここで動くと次の登りで完全に脚が終わると判断して見送る。これで優勝は無くなったが、6位パックとなる4人で最後の登りに入る。

後ろで脚を溜めていた畑中選手のペースアップには反応できなかったが、マイペースを貫いたからか脚を攣らずに登ることができていた。入部選手と谷選手の様子を見ても自分に一番余裕があると感じた。全力を出せば登りで単独で抜け出せそうだったが、ゴールまで距離があるのでここで一人になるのは得策ではない。幸いにもスプリントでは絶対に勝てない入部選手が登りで遅れたので、登り切ってから谷選手に声をかけて全力でローテーションを回して8位を確実なものにする。ゴールが近づくにつれて畑中選手の背中も見えてきたが、ギリギリ届きそうにない。ゴール前でスプリントして7位でのフィニッシュとなった。

最終的に集団は自分の15秒後ろまで迫っていたので、もし自分が最後の登りで谷選手とローテーションせずに単独で逃げる選択をしていたら、集団に飲み込まれていたと思う。優勝争いに加われなかったのは悔しいが、最後まで冷静に勝負することができた。

昨日の富士山はほぼヒルクライムレースだったので、実質的にロードレース2戦目でトップ10でのフィニッシュができたことは大きな自信になった。もちろん選手によって様々な思惑があるステージレースなので、集団の中には自分よりずっと強い選手がいたことも理解している。ただ今の自分にできる力を全て出し切れたことは素直に嬉しく、勝つために必要な力とその使い方を肌で感じることができ、非常に学びの多いレースとなった。

TEAM BRIDGESTONE Cycling

沢田 時

使用機材

バイク ANCHOR RS9s

コンポーネンツ SHIMANO DURA-ACE R9100シリーズ

シューズ SHIMANO S-PHYRE RC9

ヘルメット Kabuto IZANAGI スペシャル・チームカラー

グローブ Kabuto PRG-8(ブラック)

ウエア Wave One         

サングラス OAKLEY 

サプリメント SAVAS(株式会社明治)

ヘッドバンド HALO 


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