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ウナーゴン
2017年5月10日 22:08
何も見えない暗闇のなか、私は地面に寝そべっている。両手両足を広げた姿勢で、虚空を見つめている。手の平や背中から伝わる地面の感触。極めて平坦な砂地のようだ。 やがて無限にも思われた闇の世界に光が訪れる。薄明かりの世界へと変貌してゆく。徐々に明るさが増してゆく。夜明けだ。 上半身を起こして見回すと、灰色の大地はどこまでも平らであることがわかる。360°の地平線。何も無い。空
2017年5月6日 05:07
ゴウンゴウンゴウンゴウン……… 重厚な雲に閉ざされた暗黒の空の下、地表を覆い尽くす巨大な工場が、ライトアップにその威容を浮かび上がらせる。 煙突、配管、隔壁、通路、鉄塔……工場を構成するパーツは無秩序に果てしなく繰り返され、いまや一つの巨大な装置となって地表を覆い尽くしていた。 目的と意味を失った今もなお、それらは正体不明の稼動音を上げ続けているのだ。 嘗て人間の手で建造さ