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トキワレポート(コラム)

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メンタルヘルスにまつわるあれこれや、家族・子育て、コミュニケーションについて、弊社の経験をもとにつづるコラムです。有料noteでは、より踏み込んだノウハウについてお伝えします。
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2018年9月の記事一覧

精神疾患とパーソナリティを混同しない

本人に精神疾患の病識がない場合、医療につなげる手助けができるのは、「家族」だけであることがほとんどです。しかし、家族という近しい関係だからこその、対応の難しさが存在することも事実です。 とくに、本人に精神疾患の症状(幻覚や妄想、強迫観念や強迫行為など)が出ていることに加え、パーソナリティ上の問題がある場合には、そもそも家族の人間関係がうまくいっていないうえに、病気の症状が加わり、家族関係はさらにこじれることになります。 その際、家族が陥りがちなこととして、本人が精神疾患で

♯022 配偶者を精神科医療につなげたい、そんなときどうする?

配偶者を精神科医療につなげたい、そんなときどうする?配偶者(夫もしくは妻)に精神疾患の疑いがあり、医療につなげる必要性が生じたとき、どのような対応が求められるでしょうか。家族といえども、夫婦は血のつながらない存在だからこそ、考えておかなければならないことがあります。 弊社の場合、「夫」(男性)に関する妻からの相談は、アルコール依存症や薬物依存症、双極性障害に関するものが圧倒的に多いです。またはDVなど、精神疾患の疑いもあるが、どちらかというとパーソナリティの問題が色濃く

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親の責任とは

親の責任とは何か。考えさせられる機会が多くあります。 子供が心の病気になったり、人間関係でつまずいて就労(就学)が難しくなったりすると、「かわいそう」という感情を前面に出して、子供に対応してしまう親がいます。子供はすでに成人しているのに、「不憫だ」という気持ちが先走ってしまい、「〇〇のことは、お父さんとお母さんが一生、面倒をみてあげる」などと言い聞かせて過ごしているのです。 本人との関係が良好で、親も元気で安定した収入が得られている間はそれでよいかもしれませんが、弊社の見