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トキワレポート(コラム)

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メンタルヘルスにまつわるあれこれや、家族・子育て、コミュニケーションについて、弊社の経験をもとにつづるコラムです。有料noteでは、より踏み込んだノウハウについてお伝えします。
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2020年8月の記事一覧

♯035 子供を追い込む親たち

「子供を追い込む親たち」というタイトルで一冊、本がつくれてしまうのではないかと思うほど、子供に関する相談において、「親が子供を追い込んでいるなあ」と感じられるエピソードは多いです。 しかし、お話をうかがっていくと、親自身もまた追い込まれている、という事実が見えてきます。本noteではそのことについて、弊社の経験も含めて考えてみたいと思います。 子供を追い込む親たち「子供を追い込む」といってもいろいろあり、典型的なのが「うちは代々○○(医師など)の家系だから、この子にもそう

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「ハマりやすい」タイプの子供は、ここに注意!

先日、薬物依存症から回復したK子さんから定期報告がありました。弊社は長く彼女の回復と自立をサポートしてきましたが、すでに違法薬物を断って10年以上が経ちます。現在は某外食産業で管理職に就いており、その目覚ましい活躍ぶりに、かつての面影は一切ありません。 彼女は夏冬の節目ごとに、近況を報告してくれます。今の仕事は、アルバイトも含め十数回もの転職の上にたどり着きましたが、半期ごとに示される本社からの評価は高く、コロナ禍でさすがに売り上げは落ちたものの、それでも高い利益率を出して

♯034 「子供のため」という言葉に甘えてはいけない!

弊社では子供の問題行動に悩む親御さんからの相談を受けていますが、よく耳にする言葉に「子供のため」があります。とくにこちらが「(子供への)その接し方はどうなのか」「その対応は誤りだったのではないか」と指摘した際に、必ず返ってくるワードでもあります。 子供への愛情を否定するわけではありませんが、深堀りしていくと、その考え方(思い込み)こそが、子供の問題行動を肥大化させる原因であったりします。 とくに、子供の問題に悩み第三者のサポートを得ようとした際、この「子供のため」思考があ

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家族(親)との距離感

コロナ禍により、「ソーシャルディスタンス」という言葉がすっかり生活の一部となりました。「3密を避ける」「人と接するときは距離を十分にとる」……、コンビニでの買い物一つとっても、人との距離感に注意を払うようになっています。 ところが自粛期間中、家庭内では、真逆の事態が起きることになりました。リモートワークやオンライン授業により、家族が揃って家にいる時間が増えたのです。今までにないほどの「家族密」です。 「家族との時間を思う存分にとれた」と喜ぶ方がいる一方で、想像以上にストレ

介護と障害のダブルケア

「実家に精神疾患(あるいはその疑い)のある当事者と高齢の親が同居しており、相談者であるきょうだいは自立している」という家族構成からの相談は年々、増加しており、今後も増えていくことが予測されます。 とくに、相談者(きょうだい)がさまざまな問題に直面するのが、親に介護が必要になったときです。 当事者が医療や福祉の支援につながっており、大きな問題なく日常生活が送れていたとしても、同居する親に介護が必要になれば、生活のバランスは崩れることになります。これまで当事者の生活を親が支え