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生きづらいぞ現代社会! 乗り越えるカギは「文化・教養」にあり! 東大法学部👨‍🎓→引きこ…

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生きづらいぞ現代社会! 乗り越えるカギは「文化・教養」にあり! 東大法学部👨‍🎓→引きこもり🏠→ITベンチャー🧑‍💻 文学/映画/音楽/社会学/歴史 etc.

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教養ってなんだろう?

 最近、タイトルに教養とつく本をよく見かけませんか?  教養としての投資、教養としてのアート、教養としての哲学、教養としてのサウナ、教養としてのアントニオ猪木、、、  一体、教養って何なんだろう。 1.教養って何だろう?  先人が書かれた本を参照してみると、色々な定義が書かれています。  いずれも納得できるものばかりです。  せっかくなので自分の言葉に変換すると、「情報を料理する能力」であると考えています。  仕入れた情報をそのままにせず、自分の好みに加工して活用するこ

    • GIVEするよりも本質的なこと【GIVE & TAKE / アダム・グラント】

       皆さんは、アダム・グラント著の『GIVE & TAKE: 「与える人」こそ成功する時代』という著作をご存知でしょうか?  タイトルに答えが書かれていますが、他人に利益を与える人(ギバー)が成功するよ、ということが書かれている本です。  ただ、ここがミソで、最も失敗するのもギバーだというのです。なぜでしょう?  筆者はギバーを2類型に分類します。  自己犠牲的ギバー:自分の身を削ってでも人に与えるため、テイカーに搾取されてしまう  他者志向型ギバー:他者の利益と同様に自分

      • 【敷かれたレールに乗るか?降りるか?】あのこは貴族②

         前回の記事に引き続き、映画『あのこは貴族』について書きます。  敷かれたレールに乗っても乗らなくても辛いじゃないか、ということについて書きました。  このジレンマを解消することはできるのでしょうか?  「自分で自分を認められるか」がポイントになるかと思います。  自分が納得できていれば、本来は敷かれたレールに乗っているか乗っていないかは問題ではないのです。  しかし、人は自分で自分を認められない時、他者に認めてもらおうとします。直接的な承認や賞賛だけでなく、スペックやス

        • 【敷かれたレールに乗るか?降りるか?】あのこは貴族①

           正月近くになると見たくなる映画があります。原作山内マリコさん、監督岨手由貴子さんの『あのこは貴族』です。  映画の内容は正月に関係ないのですが笑、地方出身者が帰省してガラガラな東京のシーンから始まる映画です。  ※既にあらすじをご存知の方は次の記事からお読みください。  高度経済成長期には日本は一億総中流と言われました。しかし、東大生の親の平均年収が1,000万と言われるように、生まれによる階級の分断が進んできています。  異なる階級を象徴するように、二人の主人公が対比的

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        • アザラシの本棚
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        記事

          2024年はこうしたい

           noteで記事を書き始めてから、早くも2年近くが経とうとしています。一年の計は元旦にあり!ということで、これまでのまとめと、今年の目標を整理しておこうと思います。 1.記事の量を増やす  今までは1〜2ヶ月に1記事くらいのペースで書いてきました。本当はもっと早いペースで書き進めたいのですが、なかなか記事作成のスピードが追いつきませんでした。  最近になってやっと、自分が各記事に共通するパターンというか、関心のあるテーマがわかってきました。  「時代の過渡期をどのように生

          2024年はこうしたい

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック③

           前回の記事に引き続き、『闘争領域の拡大』について書きます。  情報が氾濫している現代においては、自分の本当の望みに気づくことは簡単ではありません。どうすれば良いでしょうか。  合理的な思考を武器に如才なく出世を重ねた本作の主人公。しかしいつの間にかメンタルを病んでしまった。  しかし、一つだけ、人生の喜びが残っていました。  一般論を言えば、喫煙にはデメリットしかありません。健康への悪影響、税金による財布へのダメージ、喫煙の度にオフィスの片隅に押し込められる肩身の狭さ。

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック③

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック②

           前回の記事に引き続き、『闘争領域の拡大』について書きます。  否応なく放り込まれる競争社会をどのように乗り越えるべきか?という点についてです。  そもそも、私たちはどのようにして競争に駆り立てられてしまうのでしょうか?  満員電車における座席バトルってありますよね。途中で降りそうな人の前に陣取っておいて、席が空いたら即座に座るという笑  確かにみっともないです。でも、そうしないと誰かに座られてしまうし、ギュウギュウのまま長時間乗り続けるのは嫌ですよね。  別に好きだからや

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック②

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック①

           ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』を再読しました。 あらすじ  主人公は30歳のシステムエンジニア。頭脳明晰でエリートコースを歩み、経済的に恵まれた生活を送っています。一方で、恋愛面ではあまり恵まれていません。  仕事の一環で、同僚のティスランと一緒に出張をすることになります。このティスランという人物が、とてつもなく異性にモテない人物なのです。  出張先でナンパを続けるも女性に無下にされ続けるティスラン。それを横目で観察し続ける主人公。経済面だけでなく、恋愛面にも

          【競争社会の乗り切り方】闘争領域の拡大/ウエルベック①

          【居場所がないときは〇〇】父と子/ツルゲーネフ②

           前回に引き続きツルゲーネフ『父と子』について書いていきます。  物語のキーパーソン、バザーロフについて分析してみます。  彼は地方の医師の家に生まれるが、ペテルブルグの医学部に進学したという秀才です。今でいうと、地方公務員の息子が東大理三に通っているようなイメージでしょうか。  宗教や芸術といった既存の権威や価値観を全面的に否定し、科学的な見地から合理的に考えることを信条とします。  毒舌で、非合理と思われるものには噛み付いていくという孤高の天才ですが、一方でピュアな部分

          【居場所がないときは〇〇】父と子/ツルゲーネフ②

          【居場所がないときは〇〇】父と子/ツルゲーネフ①

           皆さんは世代間ギャップを感じることはありますか?  例えば、以下のようなものです。 上司は石の上にも三年って言うけど、、、今は転職が当たり前の時代だよな! 30歳までには結婚しろって言われるけど、今は一人でも生きてける時代 大企業に骨を埋めるよりも、フリーランスとして個の力を活かすべき  とはいえ、本当に新しい価値観を受け入れて良いだろうか、幸せになれるのだろうかという迷いもありませんか?  古い価値観から新しい価値観への過渡期における迷いです。  ツルゲーネフ『

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          【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー②

           前回の記事に引き続き、ドストエフスキー『地下室の手記』について書きます。  なぜ彼は「周りの人間がバカに見えるという病」をここまでこじらせてしまったのでしょうか?  結論としては、受け身な態度が原因かと思われます。  第二部で語られるエピソードを見て見ましょう。  しかし、相手任せのスタンスを貫いていると、世の中が嫌になってしまうと思うのです。というのも、以下のような悪循環に陥ってしまうからです。  自分の期待をわかってほしいのにわかってもらえない、と感じたときに、自

          【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー②

          【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー①

           皆さんは、「自分の職場はバカばかりだな」と思ったことはありますか?私はよくありました笑  そんなレベルの低い職場、さっさと転職しよう!、、、といっても、そんな大きな決断はなかなかできないもの。うまく折り合いをつけてやっていくしかありません。  そんな時、どんな心構えでいればいいのか?ヒントになる本がありますので、ご紹介いたします。  主人公は学業優秀なのですが、自意識過剰で他者を見下すきらいがあり、理屈っぽく、社会と折り合いがつけられず隠遁生活に甘んじているという人物です

          【うちの職場はバカばかり?】地下室の住人/ドストエフスキー①

          【お宝は盗むもの】ファンタスティック Mr.FOX/ウェス・アンダーソン

           面白い映画を見つけたので紹介します。  ファンタスティック Mr. Fox / ウェス・アンダーソン監督 / 2009年公開  ※微ネタバレありです。  主人公はキツネ、他の登場人物も動物たちが可愛らしく擬人化されています。人形をコマ撮りして制作されたアニメーションです。ポップな画面構成、コミカルかつシニカルなストーリーと、ウェス・アンダーソン節に溢れた作品です。大人のための童話という印象を受ける作品でした。  本作では「理性か野生か?」が一つのテーマになっています。

          【お宝は盗むもの】ファンタスティック Mr.FOX/ウェス・アンダーソン

          【孤独で不安なあなたへ】自由からの逃走/フロム

           自由は素晴らしい。こうしてnoteで考えたことを表現できるのも、好きなところに旅行できるのも、すべて先人たちが自由を獲得してくれたおかげである。  一方で、自由であるということは将来への不安が付き物である。周囲を見回すと、その不安につけ込まれて、転職や自己啓発や投資などに駆り立てられている人が多いように感じる。   フロムの著作『自由からの逃走』は、「自由」の功罪を見つめ直し、社会を逞しく生き抜こうと勇気付けられる名著であった。本作を読んでかんがえたことをシェアしたい。

          【孤独で不安なあなたへ】自由からの逃走/フロム

          【雑記】楽しみを見つけること

              個人的な出来事に関することだが、同じようなことを感じたことのある方がいらっしゃるかもしれないと思ったので、シェアする。  私は楽器を弾くのが趣味で、年に一回くらいの頻度でアマチュアのオーケストラ(通称アマオケ)の演奏会に出演している。(聴きに来られたことのない方、アマチュアといえども意外と本格的で面白いですよ。)  ところが、ここ数年活動に参加していてあまり楽しいと感じられなくなってきたのだ。もちろん、旧友と一緒の時間を過ごしたり、打ち上げをすることはかけがえのない

          【雑記】楽しみを見つけること

          【グレーゾーンを取り戻せ】街の上で/今泉力哉

           今泉力哉監督の映画『街の上で』を観た。東京の下北沢を舞台にした恋愛群像劇である。古着屋で働く主人公・青は、物語の冒頭で恋人の雪に振られてしまう。雪を諦めきれず悶々としていたところ、自主制作映画への出演を依頼され、何気ない日常にちょっとした変化が起こる、というあらすじである。  まず、リアリティの高さが印象に残った。登場人物たちが本当に下北沢に暮らしているのではないかと錯覚した。景色は実際に下北沢でロケをして撮られており、この場所はあの辺りだな、とつい現実の世界とリンクして

          【グレーゾーンを取り戻せ】街の上で/今泉力哉