偽名のはなし

坂本瞳子というのはまったくもって偽名です。
「ペンネーム」というよりも、「偽名」です。
わるいことはしていませんが、本名を名乗らなくていいところでは、この名前を使っています。
本名の苗字は珍しくって、子供の頃から多少なりとも苦労をしてきました。
あるとき、いい年齢になってふと気づきました。本名を使わなくてもいい場所があるということに。
それはたとえばくだらないですが、レストランの予約とか。珍しい苗字を漢字でどう書くか、どう発音するか、なんてことを説明するのは面倒くさいんです。いくら慣れても。「サカモトです。」っていえば、漢字も発音も、そんなに説明は求められません。いくら、親からもらった大事な名前ではあっても。
「坂本瞳子」にしたのは、思えば、もうなくなってしまったWebサイトでの短編コンテストに初めて応募したときに考えた名前のような気がします。応募した結果、2015年に出版された電子書籍にも掲載いただいています。
自分の作品は自分の名前で出したいという想いがなかった訳ではありませんが、む〜ん…と、いろいろ悩んだ挙げ句に偽名を使うことにしました。珍しい苗字、世に出るといろいろ面倒くさいんです。
で、どうせならば、スキなスターの名前にあやかろうと思いました。コクトーにあやかろうなんて、恐れ多くて考えはしませんでした。でも、さすがに「及川(光博さん)」は憚られるし、バランスよくキレイに書くの難しそう、「岡村(靖幸さん)」も憚られ、結構画数多そう、書くときに崩れそう、「高橋(幸宏さん)」…画数多いな、「細野(晴臣さん)」…画数多いな、「坂本(龍一さん)」、あ、いいかも、画数少ないしキレイに書けそう!と思って、苗字は割とすんなり坂本に決まりました。
ファーストネームはどうしよう。自分の苗字にちなんで「目」を入れたいか、「眼」でもいいか、「目」が入ればいいから「眉」とか「環」でもいいかとか、英語にして「愛」や「藍」でもいいかなんて考えました。が、「瞳」が無難かもと思いました。「坂本 瞳」、一文字名前もいいかもと思いましたが、世代的に、女の子の名前には「子」が付くよね的なものがありまして、「瞳子」で「ひとみこ」ではなく「ひとみ」と読ませるか、「とうこ」か「とおこ」にするか、「しょうこ」もありか…と悩み、とりあえずはっきり音を出しやすい「とうこ」か「とおこ」に決めました。ローマ字で書くとき、「Touko」にするか「Toko」にするかも悩みました。アクサンつけて「Tôko」にしようとは思いませんでした。まぁ、「トコ」でもいっかと思って、「Toko」で表記しています。

教授が著された「音楽は自由にする」がPassage bisの本棚に入ったことを記念して書いておきます。


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