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体力ない人のための旅行記:隠岐諸島西ノ島編

これは「40代で体力がない」「でもきれいな景色は見たい」「快適さのためなら多少のコストは払いたい」「旅先でレンタカーの選択肢あり」という人のための旅行記です。


西ノ島への移動手段

今回は島根県の七類港から隠岐諸島の西ノ島へフェリーで行くルートです。隠岐諸島には4つの島があり、いったん隠岐の島へ渡りそこから3つの島に渡るという移動方法が主のようです。伊丹空港から隠岐空港(隠岐の島)への飛行機もあります。
フェリーは本数も少なく移動時間がかかるので、観光時間を確保するためには事前のスケジュール作成が重要になります。

わたしの作成したスケジュール(2日にまたがります)

ここで強く推薦したいのが、フェリーの客室は「特別室を利用する」ことです。一番安い客室は2等で3,510円で、一番高い特別室は8,890円です(隠岐汽船の2024年4月現在の運賃)。特別室は個室でベッドとソファーがあり、船前方にあるので眺めも良いです。でも正直眺めとかはどうでもよく、重要なのは移動中にベッドで昼寝することで体力がかなり回復できます!!
40代で運動不足で体力がない人間が旅先で困ること、それは残りHPが足りず「もう観光とかいいからホテルで休みたい…」という気持ちになることです。そこで船で3時間たっぷり昼寝すると、元気いっぱいで西ノ島の観光ができるようになります。これは本当によいこと。約5,000円で体力回復を買いましょう!!

フェリーの特別室

本州からのフェリーに車を乗せて移動すると、往復で3~5万ほどかかりそうだったので、島でレンタカーを予約することをおすすめします。観光案内には電動自転車もお勧めされていますが、島内はアップダウンが激しいので40代で体力がない人間には無理そうです。レンタカー屋さんは台数限られているので予約必須で、ナビ無しでもGoogle mapがあれば事足りました。

摩天崖から国賀海岸への移動手段

摩天崖から国賀海岸への遊歩道は高低差がなんと235mあります。詳しくはこちらの「①摩天崖全容を眺望する!ショートコース」の標高チャートを確認してください。
摩天崖と国賀海岸にはどちらも展望台駐車場があるので、いずれかに車をおいて移動することになりますが、この遊歩道を歩いて往復するのは体力的に厳しいです。おそらく足がしにます。そこで、Google mapのクチコミで知った方法を使いました(どなたか存じ上げませんがありがとうございます)。

  1. 国賀海岸の駐車場までレンタカーで移動し、車を停めてタクシーを呼ぶ

  2. タクシーで摩天崖の駐車場まで移動する

  3. 摩天崖から遊歩道を通って国賀海岸まで歩く

  4. レンタカーで帰る

摩天崖からの遊歩道は基本的に下り道なので、景色を楽しみながら歩くことができます。先にタクシーを呼んでおくので、満足するまで遊歩道を観光することができます。わたしは楽しすぎて5時間も居座りました。

摩天崖遊歩道

そもそも摩天崖を知ったのは、Twitterでたまたま「ゼルダのような景色」として画像を見かけたからでした。この遊歩道のすごいところは、起伏のある道を歩くので周囲の景色がガラリと変わっていくことです。さきほどまで居たとてつもない崖をいつのまにか下から見上げていたり、遠くに見えていた牧草地に実際に立って馬を眺めたり、遠くに見えていた岩を間近で見て圧倒されたり、飽きることがありません。

地元おじいがご厚意で撮ってくれました
遠くに見えていた風景が近づいてくる
馬もいる(触ってはいけません)
馬を通り過ぎて背景に
海岸に近づくにつれてダイナミックに景色が変わる
こんな上からの画角で観られるとは
国賀海岸に降り立って観る通天橋
海岸の岩も近くで観れる
夕日まですばらしい

少し歩いてはぐるりと景色を見て、持参した折りたたみイスでぼんやりとして、途方もない自然の中で自分の存在が薄くなるのを感じて「ちっせぇ~」となることができます。観光案内では所要時間90分程度となっているようですが、わたしは5時間でもまだ足りないくらいでした。西ノ島でここだけしか観なくても満足できるくらいすばらしい景色です。
あと人がいない。これもすばらしい。もし遊歩道に観光客の行列ができていたらかなり印象が違うと思います。人がいないのにトイレやベンチなどの人間の痕跡があり、プレステのゲーム「RIVEN THE SEQUEL TO MYST」に迷い込んだ不思議な気持ちになりました。

この大自然にベンチがあるの違和感があって最高

摩天崖展望台で地元おじいに話しかけられ、西ノ島がいかに良いところかを教えてもらいました。隠岐諸島の中で西ノ島の摩天崖がいちばんきれいと断言していました。他の島を軽くディスっていて笑いました。まあここが一番と言いたくなる気持ちは分かる。
あと公共トイレがどれも安心して利用できるレベルでした。旅行中に「これはちょっと入りたくないかも…」という公共トイレがありますが、西ノ島ではどこもきれいに掃除されており、紙も常備されていて安心して利用できました。ありがとうございます。

国賀神社にあった看板です。眼をまはすかもしれない。

三百メートルある摩天崖をはじめとする粗面玄武岩の断崖絶壁には亀島、烏帽子岩、佛岩、乙姫御殿、通天橋、鬼ヶ城などの名がついているがこの絶勝を筆舌で表現することは出来ない。頼山陽は耶馬狭を見て筆を投げたといふがその十倍もすばらしいこの国賀を見たら眼をまはすかもしれない。

隠岐島奇譚 火野葦平

Youtube

パノラマ風景のすばらしさは、動画を見てもらうほうが伝わりやすいと思います。すべて15秒ほどで終わる再生リストも作りましたので、よろしければ。

国賀荘

お宿は夕食と朝食が美味しそうで昭和の雰囲気が楽しめそうだったので、こちらを予約しました。

結果、めちゃくちゃ良かったです!建物自体はレトロで雰囲気あるなか、掃除が行き届いていて清潔で畳もきれいでした。若い方にもどんどん利用していただけそうなお宿です。3階の眺めのよい和室に案内していただきました。

お部屋からの眺め
豪華な夕食

由良比女神社

ラッキーなことに西ノ島は桜が満開でしたので、神社の桜もとてもきれいでした。しかし京都で観られるものより西ノ島でしか観られない景色がすばらしすぎて、桜の写真はほぼ撮りませんでした。

由良の浜のイカ飾り

鬼舞展望所

鬼舞展望所の駐車場に車を停めて、山道を登ります。10分ほどなので体力なくても頑張ればいけます。

遥かかなたの展望所
遠くにみえる牛たち

こちらは展望所でぐるりとパノラマ景色を楽しむかんじなので、わたしは30分眺めたら十分満足しました。

sailing coffee

西ノ島にあるおしゃれカフェでプリンとカフェオレをいただきました。インテリアグッズやお洋服も販売されているようです。地元の方も利用されていてよい雰囲気でした。

プリンの甘さが疲れた体にしみる

以降はレンタカーを返却して船で隠岐の島へ移動しました。
とにかく西ノ島は景色がダイナミックで圧倒されます。ほんとうに良いところ。ある場所を褒めるのに別の場所を下げるのは本来ご法度ですが、ここ数年京都はほんとうに人が多くて住んでてウワーッてなってて、それにひきかえ西ノ島のすばらしいことよ。
この島に住んでインフラを確保してくださったり観光業に関わってくださる方には感謝しかありません。ふらっと観光に行っておいしいとこだけいただいて帰るみたいで申し訳ない。来年からふるさと納税は西ノ島町にします。ありがとう西ノ島のみなさん。また遊びに行かせてください。

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