Toko Uchida

熊本市在住のライター(ペンネーム)です。 出直し、修行中です。 よろしくお願い致します…

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熊本市在住のライター(ペンネーム)です。 出直し、修行中です。 よろしくお願い致します。☺︎

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坂口恭平日記[歌会]前野健太×坂口恭平 ーマエケンはお世辞を言わないー

開演時間5分すぎに駆け込んだら、お客さんたちが体育座りでアトリエ側のステージを観ている。この画にまず驚かされながら、光沢ある木製フロアに座り込んだ。 今回の「坂口恭平日記」をきっかけに、とくに音楽活動に興味・関心をもつようになったので、この歌会は心待ちにしていた。 そして、育児明け子育て真っただなかの自分にとって、前野健太さんといえばEテレ某番組のあのコーナーである。 坂口さん、マエケンさん、それぞれギターをチューニングしながら、トークがゆるゆると始まっていた。 テンポよ

    • かさね色ー表裏一体ー《詩》

      秒針腕時計のあるコブシ 目の前 四次元に 動き つき動かされる  久方ぶりの 愛しい時間 建前と本音 それぞれ嘘はなく かさね色で 生産的にカウント そんな時間軸 足元先にあった 好きな外気に 関わる悦び 裏と表 どちらも本気の一つ まじりっけのない魂が混ざる 今の自分になじむ 上書きと 下書き これからうまれてゆく 接着液は無色透明で その存在意義 かさね色はひとつの発色を より自然に発揮させる かさねがさねの闇に さよなら 憧れと尊厳軸が 現実をつくる 表向きの裏

      • 蘿蔔糕(ローボゥガァオ)《詩》

        大根の月を千切りにして 混ぜる回るステンレスボウル 昔どこかの創作居酒屋で知った 香りと食感 摩訶不思議な記憶 どこか懐かしいわけでもなく ほっとするわけでもない すりおろしでは 気づかなかった 大根の変貌 酒の肴という味がした うちでウィンナー入れてみたら 無国籍と多国籍の混沌で 支配者なき 理想郷の住民による 家庭料理という味がした 昔 エマルジョン先生と 親しまれる先生がいた 「乳化」は 相反する世界を ひとつにまとめあげる と 小さなフライパンの出来事が その

        • ナミアゲハの記憶《日詩》

          ナミアゲハの記憶 玄関先 みかんの植木鉢 なかの土は限りある栄養素 なのに戻ってきた ナミアゲハ ミリ単位の新芽 2個産みつける 喧騒と腹を満たす匂いのなかで それでもここがよかったのか いや それがただの記憶で ただ従う ただ本能なのだろうか 住めば都 産まれたら都と 近づくシャクトリムシ 追い払う 子どもの無邪気さ 脳裏に 帰省したのだろうか

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        坂口恭平日記[歌会]前野健太×坂口恭平 ーマエケンはお世辞を言わないー

          寝耳《詩》

          寝耳 貴方の音楽 選曲 言葉は ゆっくり確実に満たしてゆく センスの雫は いつものように 片手で注がれているだけで 無意識の行間なのかもしれない たえず繊細に更新される 遠目からの経験則 真新しい時間 やわらかに編んでゆく ただ素焼きのうつわに 音色の水が満ちてゆく もう美酒に満たされている  フェルメール 受胎告知 わたしは今に 浸り眠るたび 繰り返して つぎの器になる 2024.4.8

          寝耳《詩》

          mm6.

          リトマス紙 魔法使いになりたかった 湧いてくる気持ちをうまく 言葉で表現できなかったので しゃべらなくても 感触まで行ったり来たりする テレパシー ほしかった 今でも あればほしい 音楽 ことば 色 自由自在に扱う人間は 魔法使いだと勝手に思っている かおなしが「ほしがれっ」と言う いや 分相応な欲基準が分からない かおなしはニヤリと笑う ふと感じる心地よさのようなもの 含むなにかに ただ反応している 貪欲なリトマス紙 生身の人間 地に足をつけるなかで 手にでき うみだ

          mm5(未完成ミルクレープ)

          朝から標本図 目覚めたら ピンで留められている 生温かくへばりつく やわらかな身柄拘束 ガリバー旅行記 挿絵になっている こどもの国の法に 親は半ばだんまる なんで?なんで?を かわす術 もしあれば 誰か教えてほしい  きっと誰にも見せることもない うちの家族という標本図は どこまで増えてゆくのだろう 愉しむ星人 物心ついた頃から 早く大人になりたかった 窓の外の成人は 愉しそう 仕切りの先に 桃源郷がある サンクチュアリは 手で創るらしい そんな星人に憧れている

          mm5(未完成ミルクレープ)

          未完成ミルクレープ《EP的詩4》

          こねたピザ 生地からピザをつくってみよう 朝から雨 うちでイベントをつくる 上げる ひっぱる こねる高揚感 今日は「ピザ作りを楽しむ日」 近くのスーパーに材料を買いに行く カートに乗った子ども 船長のように材料を指示する 最後に缶ビール カゴに追加する 粉からピザ作り ちゃんと混ざるかな 前のめりのまなこ達 分量どおり入れたら  ねんど遊びで鍛えた 6つの手 回る 回る ステンレスボウル 温めと解凍以外でレンジが稼働 昨日観た 魔女っ子の映画 誰かが電気は嫌いと言って

          未完成ミルクレープ《EP的詩4》

          未完成ミルクレープ《EP的詩3》

          オアシス・カサブランカ 百合に蘭 カーネンション ピンポンマム と白い花言葉 夜明けに くちばし広げた カサブランカ 白い香り 部屋にひとつ増す 緋色の葯を ピンセットではさむ 的確に拾いたい あなたの銀幕でどう生きたのか 本当のことは 誰も知らない 真白い香りが そのままでいいと教える 榊さん 榊さんというひとがいた チャイムが鳴る少し前に 教室に入ってくる 部屋の空調と明るさを いつも気にかけていた 窓側ではブラインド係 お昼休みの置き土産 焼きそばパンに カ

          未完成ミルクレープ《EP的詩3》

          未完成ミルクレープ《EP的詩2》

          うむえき うむえきをうむ うませまいとする うみいかそうとうながす あいだにいることが うもうになってうもうとする うみをあたためうもうとする 数と色と食と 科学的根拠が強い 目の上のたんこぶは 自分でこさえていた のか? いかに学術的かの世界がある そうじゃないを その世界にむぎゅっ と 感性の無駄や曖昧 豊かさを 躰に落とし込んで 生命を使いこなす人間へ 金にならないからとか 目に見えないからとか 結局 権威・権力だからとか もう うんざり飽きたんだ 自分

          未完成ミルクレープ《EP的詩2》

          未完成ミルクレープ《EP的詩》

          かこうなきカレー 淡々とタンブリンならすと カレーができる 包丁 トントンならすと  はらが ぽこぽこふくらむ まんま まーだと リクエスト 波長キメると さらさら流れる 西陽アワーに くしゃみでそう かふんとようき 回る換気扇 雛人形のかんむり  あごひも 少しずれていた 蝶々むすんで またねと ゆるくしめなおす ゲーテさん 科学と戦うゲーテさん センス・オブ・ワンダーのまんま 夢中になっただけなのに それは別枠ね と  あれから随分進歩したはずなのだ 目に見え

          未完成ミルクレープ《EP的詩》

          臍湯婆

          『千と千尋の神隠し』の湯婆婆のモジリではなく、日常の一コマを描写しようとしていたら、こんなタイトルが先にできた。「たんぽ」を漢字にするだけで、手触りがガラッと変わる。漢字ではこう書くとは、さっきまで知らなかったのである。変換機能の偶然で、気分がパッと変わった。さっきまでの気分への巻き戻しはできない。めったにないことなので、これはこれで…なのかもしれない。 【臍湯婆】(へそたんぽ) 臍湯婆とは、へそ周りの体温が比較的高く、幼児の指先や足先が、暖をとりたくなるほどの熱と柔らかさ

          さんのひと《詩》

          光合成をしているんだろうな ひかれる人は さんをもっている いっこだったり ふたつ並びだったり みっつ よっつだったりするのか ふるまいから はきだすことばとつむぐ言葉 手掛ける作品 その断片だったり すべてが魅力的にうつる それだけでみたされる エマルジョン 盲目では死んでる世界で 《それ》を集めようとしていたけれど 探せば探すほど どうもわからない どれもむずかしくて 客観的にはそうなのだそうだ ななのそうの世界で いしのいとで綴ってみると 私のそうになる しかく

          さんのひと《詩》

          白磁にさくら《詩》

          おおがたの電気窯から できたて白磁の完成品 赤いボタンを押すゆびは  ふるえる人差し指だった 余熱で灰が 鼻元にけぶる 「ピンクだね」 手をあわせ 薄目で鑑賞しながら 胸に咲く いちまいの花びらのような ほんのり浮かぶ桜色を そうつぶやく ひとりの子ども

          白磁にさくら《詩》

          かんせいとう《詩》

          ひじょうかいだんをのぼった みえないさき まるいかんせいとうがある ざわめきもおともたちこめ みえないものがみえてくる あすにつづくかいどくは ようきでさかだつ かみいっぽん

          かんせいとう《詩》

          インタビューセッションを体験してー聞き手・尹 雄大さんー

          タイミングだと思った。奉納と懺悔ごちゃまぜの気持ちで臨んだインタビューセッション。カウンセリングやセラピー目的ではないインタビューセッションというものも初めて受ける。 支離滅裂で、あちこち話が飛びつつ、しゃべりたいことをまるっと聴いてもらう「体験を買う」ことに、最近は希望を感じている。そのことの荒削りな気づきは、去年『東京の生活史』(岸政彦著)を読んだことからはじまる。理路整然と話さなくても、記憶違いも含めて、その個人の記憶や想いが資料・資産になりうるという新しく豊かな価値

          インタビューセッションを体験してー聞き手・尹 雄大さんー