頚椎に関する基礎知識:携帯使用に伴う頚胸椎のアライメントと筋活動の変化

The sffects of smart phone gaming duration on muscle activation and spinal posture

Joo-Hee Park et,al. PHYSIOTHERAPY THEORY AND PRACTICE 2016

『概要』
普段の臨床において不良姿勢が続くことで、頚部症状を訴える症例をよく経験します。今回の報告では、表面筋電図(EGM)とデジタルカメラを用いて、携帯電話使用時(開始時・5分・10分・15分)における頚胸椎屈曲角度の変化と頚/胸椎伸筋群の筋活動の変化を検討しています。対象の筋群は、頚/胸部脊柱起立筋・僧帽筋上部線維・下部線維です。結果は、携帯電話の使用開始5分後より、頚胸椎屈曲角度と頚部脊柱起立筋(両側)の筋活動が有意に増加し、胸部脊柱起立筋(両側)と僧帽筋下部線維(両側)の筋活動が有意に低下したとのことです。

『感想』
 携帯電話の使用は、健常成人においても比較的短い時間で頚胸椎のアライメントや脊柱起立筋の筋活動を変化させます。そのため、頚椎の動的および静的支持機構に変性を有する症例では、より一層その影響を受けることが予測されます。また携帯電話の使用により、胸部脊柱起立筋や僧帽筋下部線維の筋活動が低下したという結果から、胸多裂筋や胸半棘筋といった胸椎伸筋群および僧帽筋中部・下部線維の機能にも目を向ける必要性があると感じました。

投稿者:石黒翔太郎

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