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みんなとズレててもいいんじゃない?

先週末、バーベキューに参加した。
職場の先輩に誘われて。
職場の人と仕事以外で会うなんて、普段全然ない。
なんか緊張しそうだし気を使うだろうし疲れそうな気がして、いつもならしどろもどろなんか理由を探して断りそうなところだが、この先輩は上手だった。
「リップスティック持ってくればいいやん。一緒に乗ろうや。」
え?!リップスティック?

これである。
先月、この先輩がリップスティックに乗った話をしていて、感化されたわたしは勢いでこれを買ってしまった。
近所のお寺で練習しているのだが、息子がなかなかつきあってくれなくて、まだ2回しか乗れていない。

バーベキューするところにコンクリートの小さい広場があり、乗る練習ができるという。
「行こうかなぁ。」
うっかり言ってしまった。
わたしは今、リップスティック乗りたい病なのだ。

かくして、わたしはバーベキューにマイリップスティックを持って5歳の息子と一緒に参加することになったのである。


当日、バーベキュー会場には先輩の家族や孫たち、私のように声をかけられた職場の人が来ていた。
先輩は見た目も中身も還暦とは思えないほど若々しいので、孫がたくさんいるおばあちゃんだということにびっくりした。

わたしはお肉を食べるのもそこそこにして、リップスティックの練習を始めた。
小学生の男の子が先生になってくれた。
先生はいい感じに体の力を抜いてすーっとすべっていく。
かっこいい。
左方向へ進むのに右足を前後に動かすとクネクネと進んで行くという。
このまえ夫が乗っているのもそんな感じだったが、先生はもっとスマートにクネクネすーっクネクネすーっと乗っていく。
すーっのところはカーブしている。

わたしはカーブするときもクネクネしようとして、ひっくりかえってしりもちをついた。
先輩も乗ってみると、ころんでしりもちをついた。
大人がこんなころびながら遊んでいるというのがなんだかおもしろくなってしまう。
新鮮だ。
でも、病院に運ばれないように気をつけよう。

そのあと、先輩と職場の人たちがお酒を飲みながらおしゃべりがもりあがっているときも、わたしは息子と先輩の孫たちと遊んでいた。
おしゃべりに入りたい気持ちもあるが、息子がわたしにつきあってついてきてくれたので、シャイすぎて一人ではみんなの中に入って行けない息子の遊びたい気持ちにつきあった。
息子くらいの女の子がわたしのリップスティックで初挑戦していたので応援したり、みんなでコンクリートにチョークで絵を描いたり、けんけんぱしたりした。
なんだか楽しかった。

本当はバーベキューに誘われたのなら、バーベキューと先輩達とのおしゃべりを楽しむというのがまっとうな楽しみ方かもしれない。
いつもなら周りに合わせようと頑張るのだが、今回わたしは自由にしていた。
それぞれ好きに楽しんでよって感じの先輩の人柄のおかげかもしれない。
もちろん失礼があってはいけないけど、なんかマイペースに参加できた。
先輩たちは、リップスティック乗ればいいやんって誘ったら来た、おもしろいよね、と笑ってくれていた。
ちょっとみんなとズレているかもしれないけど、これがわたしかなと思った。
それでいいや、と思えた。

バーベキュー会場の桜は葉っぱが出始めていて、花吹雪がきれいだった。




前回のリップスティックの話はこちら


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