おかげさまで、30周年!
徳間書店児童書編集部は、1994年5月に児童書の刊行を始めました。みなさまのご愛顧のおかげで、今年で30周年を迎えることができました。感謝の気持ちをこめて、いままでの児童書編集部の足跡をご紹介いたします。
【1994年 児童書創刊】
徳間書店は1993年に児童書の編集部を作り、児童書創刊の準備を始めました。それまでもすでに、『となりのトトロ』など、アニメ絵本を出版していましたが、さらに本格的な児童書を出版するため、態勢を整えたのです。
この決断をしたのは、「子どもの本は未来のための仕事だ」と語った、徳間書店の創業者であり、当時の社長だった徳間康快でした。
一年余の準備期間を経て、1994年5~6月に、最初の絵本と児童文学を出版しました。
1994年は徳間書店創業40周年であり、児童書の創刊は「創業40周年記念事業」と位置づけられました。
創刊にあたり、児童書編集部は、以下のような理念を掲げました。この理念は、いまでも本を造る際の指針として、また、読者のみなさまに徳間書店の児童書の考え方を伝えるものとして、児童書のカタログのはじめのページに掲載しています。
【児童書編集部の理念】
子どもたちにとって、本との出会いはその後の人生に大きな意味を持つものです。徳間書店は、本との出会いが子どもにとって最良のものになるよう、世界各国から選び抜かれた優れた本や、国内の作家の意欲作を、一冊一冊心をこめて送りだしています。
また、創刊に合わせ、徳間書店の児童書の目印として、扉から顔をのぞかせ、読者を誘っているクマのマークを作り、「扉のむこうに別世界」という言葉を添えました。本の「扉(最初のページ)」をめくると、その向こうに、さまざまな物語の世界が広がっている、という目印です。
【ていねいな本造り】
本造りに際しては、「こうすればもっといい本になる」と思われることは、なんでも採用し、「かけられる手間はすべてかける」を合言葉にしてきました。
膨大な候補を絞り込んで、翻訳する作品を選び抜くことも、作家ととことん打合せを重ねることも、その一環です。
翻訳ものを出版する際には、原作者の意図や思いが日本の読者によりよく伝わるよう、作者に直接質問したり、ときには実際に会って交流を持ち、話をうかがったりもしています。
【著者インタビュー】
海外の著者もふくめ、著者の方々へのインタビューは「子どもの本だより」に毎号掲載しています。以下、一部をご紹介します。(最近のものは、Noteの記事でご覧いただけます)
内田莉莎子さん(1994年)
松岡享子さん(1997年)
坂崎麻子さん(1998年)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズさん(2002年)
エイダン・チェンバースさん(2004年)
チェン・ジャンホンさん(2007年)
ジェズ・オールバラさん(2004年)
【創刊時のラインナップ】
1994年の5月・6月の創刊時に刊行したのは、以下の6点です。
絵本『あるげつようびのあさ』
絵本『いじわるブッチー』
絵本『たくさんのお月さま』(2019年幼年童話の形に生まれ変わりました)
児童文学『おじいちゃんは荷車にのって』(1995年青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
児童文学『オスカルとポプラ通りのひみつ』
児童文学『海辺の王国』
以後30年にわたり、総計935冊の絵本と児童文学を刊行してきました。
産経児童出版文化賞、小学館児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、日本絵本賞などの賞を受賞した作品や、青少年読書感想文全国コンクール、読書感想画中央コンクールなどの指定図書や児童福祉文化財推薦図書に選ばれた作品、実写やアニメーション映画化された作品など、ご存じの作品も多いのではないでしょうか。
ほんの一部ですが、年代別の出版した本をご紹介します。
【1994年~1999年に刊行した本】
絵本『ぎゅっ』
絵本『かわいいあひるのあかちゃん』
絵本『ペニーさん』
絵本『もっちゃうもっちゃう もうもっちゃう』
絵本『かようびのよる』(絵本日本賞特別賞、よいえほん選定)
絵本『ピンク、ぺっこん』
絵本『のはらひめ』
絵本『おやすみゴリラくん』
絵本『星の使者-ガリレオ・ガリレイ』
児童文学『ねこと友だち』(産経児童出版文化賞推薦)
児童文学『薄紅天女』(赤い鳥文学賞)
児童文学『ハウルの動く城 魔法使いハウルと火の悪魔』
児童文学『イングリッシュローズの庭で』(産経児童出版文化賞産経新聞社賞)
【2000年~2009年に刊行した本】
絵本『おたすけこびと』
絵本『こんたのおつかい』
絵本『ゆうびんやさんおねがいね』(ようちえん絵本大賞)
絵本『おいしそうなバレエ』(よいえほん選定)
絵本『この世でいちばんすばらしい馬』(産経児童出版文化賞翻訳作品賞)
児童文学『川の上で』(産経児童出版文化賞JR賞)
児童文学『丘の家、夢の家族』(産経児童出版文化賞推薦図書)
児童文学『夏の庭 The Friends』
児童文学『家出の日』(産経児童出版文化賞推薦)
児童文学『時間をまきもどせ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
児童文学『大魔法使いクレストマンシー 魔法使いはだれだ』
児童文学『禁じられた約束』
児童文学『風神秘抄』(産経児童出版文化賞JR賞/小学館児童出版文化賞/日本児童文学者協会賞/IBBYオナーリスト)
児童文学『マルカの長い旅』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
児童文学『二つの旅の終わりに』(厚労省児童福祉文化財特別推薦)
【2010年~2019年に刊行した本】
絵本『ゆきがふるよ、ムーミントロール』
絵本『くるみわりにんぎょう』
絵本『おおかみのおなかのなかで』(ようちえん絵本大賞特別賞)
絵本『あめのひ』
絵本『マップス 新・世界図絵』
絵本『エベレスト 命・祈り・挑戦』
絵本『サバンナを生きる シリーズ』(児童福祉文化財推薦図書)
絵本『舟をつくる』(読書感想画中央コンクール指定図書)
児童文学『はじめての古事記 日本の神話』
児童文学『アーヤと魔女』
児童文学『ねこと王さま』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
児童文学『クララ先生、さようなら』(産経児童出版文化賞翻訳作品賞)
児童文学『ぼくとヨシュと水色の空』(産経児童出版文化賞翻訳作品賞)
児童文学『戦火の三匹 ロンドン大脱出』(読書感想画中央コンクール指定図書)
児童文学『エリザベス女王のお針子 裏切りの麗しきマント』(産経児童出版文化賞翻訳作品賞)
【2020年~2024年3月に刊行した本】
絵本『はるのひ』(日本絵本賞)
絵本『としょかんのきょうりゅう』
絵本『2ひきのカエル そのぼうきれ、どうすんだ』
絵本『サンタさんはどうやってえんとつをおりるの?』
絵本『カメラにうつらなかった真実 3人の写真家が見た日系人収容所』(産経児童出版文学賞翻訳作品賞/子どもの本作品賞/児童福祉文化財推薦)
絵本『アマゾン川 熱帯雨林・生命の源』(児童福祉文化財推薦作品)
児童文学『やまの動物病院』(ひろすけ童話賞)
児童文学『黄色い竜』
児童文学『お話のたきぎをあつめる人 魔法の図書館の物語』(読書感想画中央コンクール指定図書)
児童文学『ぼくのあいぼうはカモノハシ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書』
児童文学『ブックキャット ネコのないしょの仕事!』(読書感想画中央コンクール指定図書)
児童文学『ぼくの弱虫をなおすには』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
児童文学『図書館がくれた宝物』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)
【子どもの本だより】
本づくりと同時に、読者のみなさまとの架け橋として、隔月で発行しているのが「子どもの本だより」です。
内容は、書店さんや著者のインタビュー記事、絵本についての記事(創刊時は松本猛さん、現在は竹迫祐子さんご執筆)、児童文学についての記事(創刊時はひこ・田中さん、現在は野上暁さんご執筆)、編集部員がお薦めする児童書、徳間書店児童書編集部が刊行した本を紹介するコラム、新刊の情報、読者のみなさまからの愛読者はがきのご紹介が掲載されています。
書籍にはさみこんでいますが、ご希望の方には、お申込みいただき、直接お送りもしています。また、2020年よりNoteでも、一部の記事をご紹介しています。
【耳より情報:30周年記念のしおり】
30年間に出版してきた本の中から、主だった絵本・児童文学を12作選び、その絵柄を使って「30周年記念しおり」を作成しました。
書店店頭で、4月から毎月1作のしおりを、無料で配布していただいています。「子どもの本だより」を購読されている方には、「子どもの本だより」に同封する形で、全種類お送りいたします。
書店で見つけられなかったという方は、件名に「しおり希望」とご記入のうえ、こちらにメールをお送りください。お届け先のご住所、お名前をお忘れなく!
(4か月分を一度にお送りします。お待たせして申し訳ありませんが、初回発送は7月を予定しております)
これからも、徳間書店児童書編集部の本をお楽しみいただけることを、児童書編集部員一同、心より願っております。ますますのご愛顧をよろしくお願いいたします。
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