中東に太陽光発電ベースの家畜飼料栽培工場を作る事の利点と解決すべき問題点

「将来はバッタとかの昆虫を食べないといけない」みたいな話が以前話題になった事があった。
世界的に家畜の飼料価格が高騰していき、肉以外でのたんぱく質摂取も考慮しないといけなくなっていくため、将来は昆虫を食べてたんぱく質の不足分を補おうという発想が元になっている。
でもこれから書くように「中東の太陽光発電に適した地域で電気と水を使った家畜飼料栽培工場をどんどん作っていけば世界的な飼料の供給量を増やしていけて、畜産も増えていって別に昆虫を食べる必要は無くなる」というのがある。

飼料栽培工場を増やしていく事はサウジアラビアなどの中東地域にとっては石油以外の安定した収入源になるし、飼料の多くを輸入している国々にとっても飼料価格の将来の高騰を抑える事でずいぶん助かる事になる。
このプロジェクトに世界中の国々が金を出し合って数十兆円をサウジアラビアなどの中東地域に投資する事は、結局は将来の輸入飼料価格の引き下げにつながって投資した分の金は余裕で取り戻せる事になるだろう。
日本も数兆円の支出をする事になっても、将来の飼料価格引き下げのおかげでその数兆円はわりと短期間に回収できる。

もし今日本に来ている中東の人で日本語ができる方は、今回私が提案する事を母国の人々にも翻訳して伝えてみてはどうか。
サウジアラビアやその他の中東地域の国の政府がこのプロジェクトを呼びかけて世界各国からの投資を募ってはどうかと思う。
 

<太陽光発電をベースとした飼料栽培工場>

屋外などの農地を使った飼料栽培とは異なり、工場型の飼料栽培の場合は密閉型の工場の中で作物を育成していく事になる。
この際栽培に必要なのは水と肥料と電気だ。
日本でもこのような作物栽培工場が近年は色々な地域で増えていってはいるが、作物栽培工場は電気代でかなりコストがかかってしまいなかなか採算があわなかったり、今は農地で作るよりも作物価格が高くなってしまう傾向がある。

一方サウジアラビアなどの太陽光発電でよく電気を作れやすい地域にこのような作物栽培工場を作ると、電気に関しては昼間は太陽光発電でまかない、夜間や曇りの日はその蓄電した電気でまかなう事ができるようになる。
太陽光発電システムはかなり安価になってきているので設置コストを考慮しても、電気代に関しては日本などで工場で作物を栽培するより大幅にコストを下げられる事になり、それは作物の販売価格を安くできる事につながる。

<水をどう安定供給するか?>

作物栽培工場では水を安定して供給しないといけない。
作り方や作物の種類にもよるが、屋外の土壌で作るよりは工場栽培型は水をわりと節約できたりする事もあるけど。

中東の太陽光発電に適した地域は沿岸部よりも内陸部の方がより安定して太陽光が降り注ぐ感じだが、もし内陸部に作る場合は「どこから工場に水を引き込むか?」という問題を解決しないといけない。
石油の移送管のように地上に水の供給管を河川や海から長く引きこんでいくか、あるいは地下に給水管を海や川から長々と作って工場までつなげていくという事になるだろう。

水の供給管については安定した供給のために設置や維持コストがかかっても多重化しておいた方が良いと思う。
何らかのトラブルで水が止まったり、紛争やテロなどでの破壊が起きた時を考えてインターネットのようにある程度網の目状に給水管をつなげていくのが良い。

またいきなり内陸部に工場を作るのではなく、海に比較的近い沿岸部から工場を作っていって少しずつ内陸部に工場を増やしていくみたいにしてはどうだろうか。
工場から工場へ給水管をつなげていき。

海から海水を引き込んだ場合は太陽光発電で作った電気を使って沸騰処理などで真水化する必要がある。
沿岸に近い工場で真水化してから内陸部の工場へ送るようにすれば給水管の塩分による劣化を抑えられるようになる。

<砂対策のための工場の二重構造>

日本などで行っている作物栽培工場は工場内の環境をクリーンにするために吸気や排気にフィルターなどを設置している。
中東地域で作物栽培工場を作る場合は空気中をよく飛来する砂や砂嵐対策をきちんとする必要があり、そのために工場を作った場合はさらにその外側を覆うように密閉する二重構造にすべきだと思う。
二重構造にして外側のフィルター類の清掃や交換をこまめにやれば内側の建物のフィルターはそれほど砂が入りこまなくなるだろう。
 

このような感じでまずは沿岸部に近い地域に海から給水パイプを接続した作物栽培工場を作り、工場を内陸部の方へどんどん増やしていって多重化した給水パイプをつなげていくという風にしていくと、将来的にはサウジアラビアなどの中東地域は家畜の飼料栽培工場を多く抱える事になり、飼料の一大産地に生まれ変わるだろう。
それは世界的に流通する飼料価格の引き下げにつながる事になる。
今世界各国が金を出し合って中東地域に数十兆円の投資をする事は、将来自分らが輸入する飼料価格の下落という形で投資分が返ってくる事になるわけだ。

工場周辺の地域に住む人達にとっても工場の保守や点検、警備や輸送関係で雇用が発生する事になる。

給水管で海から引きこんだ水を使って太陽光発電による電気分解や沸騰で塩分などを取り除き、その水で工場周辺を少し緑地化してみるというのも良いでのはないか。

 
 
以下のアイデアもかなり面白いので良かったらどうぞ。
 
サブスクで実装されたらかなりユーザー数を増やしそうな革命的な機能とは
https://note.com/tokumeinanasi/n/nbcfba0a967d6