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最近読んでいる本(2024年4月29日版)

気付いたらブログの更新が1週間ほど空いてしまったので久々に書こうと思う。特に話題もないので最近読んだ本及び、現在読んでいる本などを書いていく。

菅原出『民間軍事会社の内幕』

最近読んだ『アークナイツ』というゲームのシナリオで民間軍事会社が出てきたので、現実の民間軍事会社はどういうものなのだろうと興味を持ちとりあえず手に取ったのがこの本である。本書は民間軍事会社とは何かというところから実際の業務内容や内情などについて書かれている。

興味深い話が多かった。米軍は主にベトナム戦争くらいの時期から軍の仕事をアウトソーシングすることが多くなっているらしい。そのくらいの頃から民間軍事会社の規模は拡大し現在もその流れが続いている模様。海外派兵と聞くと米軍だけが現地に行くのだという風に想起してしまうが、実際にはその補給や生活のために必要な施設を提供するのは民間の仕事である場合が多いらしい。現在ではグレーゾーン領域ではあるにしても様々な分野で民間軍事会社と米軍の連携が図られているとのこと。

本書を読んで軍事に対しての考え方が変わったような気もする。イラク戦争の記述などから警備業務の重要性についても考えさせられたという感じがする。中東の出来事を本で読んだりすると政治、もしくは宗教についての話が多いが本書でより実情に根付いた知識が得られた気がする。

毛内拡『脳を司る「脳」』

脳科学についての知識はいろいろな本を読んでいると出てきたりするので基本を押さえておきたいということでブルーバックスの『脳の教科書』とともに買ってみた。

『脳の教科書』の方は脳のミクロなレベルからマクロなレベルまで様々な観点から広く浅く書いてあるという印象だったが(浅いと言いつつ結構深いような気もするが)、本書は神経細胞のより局所的な部分を深掘りしているという感じだった。

間質液やグリア細胞の話など、まったく聞いたことがない新しい知見に触れられたので非常に面白い本だった。細かい点は覚えきれてないので定期的に読み返したいなと思う。

江村洋『ハプスブルク家』

これも読もうと思った動機はアークナイツで、リタ―ニアというアークナイツに出てくる国のモデルがオーストリアという説があるので、実際のオーストリアの歴史を知るためとりあえず手に取ってみたのがこの本である。表題はオーストリアと関係ないように見えるが、ハプスブルク家はオーストリアと縁が深いということでこの本を選んだ。

実際に読んでみると知らない知識が多い。学生時代も日本史選択だったのでこのあたりの知識がまったくない。カール5世とかマクシミリアン1世などはいろいろやっているのでおそらく有名なのだろうけどほとんど知らなかった。

世界史関連の本にありがちだけど読んでいるとさりげなく出てきた主題じゃないところの本も読みたくなってしまう。スレイマン大帝とか選帝侯など、それだけで1冊にできそうな題材がいくつも転がっている。ヨーロッパは広いので1冊読んだくらいでは捉えきれない事象がいくつもありその複雑さは面白いと思う。

ウィリアム・D・ハートゥング『ロッキード・マーティン 巨大軍需企業の内幕』

上記の民間軍事会社の本を読んで軍事関連の話題に興味を持ったのでとりあえず手に取ってのがこの本である。ロッキードの歴史から米軍や米政府とどうかかわってきたのかという話が主に書かれている。

ロッキードと言えば田中角栄のロッキード事件で有名だと思うが、その時のロッキードというのが本書で語られるロッキードマーティンという会社である。この会社は現在でも軍事の巨大企業らしい。本書ではそんな巨大企業と米政府及び米軍の癒着が書かれている。日本では天下りが主流だが、アメリカでは「回転ドア」と揶揄されている方式で政府と民間を行ったり来たりするのが横行しているらしい。それにより政府と民間が癒着し、ロッキードと米軍が共謀し儲けを膨らませているらしい。過去の様々な疑惑を通してそのような癒着を語るのが本書の内容である。

本書を読んだだけで賄賂がどうのという話を語るのも知識が偏っているとは思うので、現時点ではこの情報も1つの見方として捉えようと思うが、事実だとしたら相当歪んでいるなと思う。膨大な防衛予算が適切に使用されていない可能性があるわけで、それらが無駄な兵器に投入されるというのを考えると税金の無駄だなと思ってしまう。

ここで「防衛予算が無駄」と言っているのは「兵器など捨て話し合いで解決すべき」というような平和主義的発想ではない(もちろん必要以上に軍事力に頼らず最大限話をして解決するべきだとは思うが)。「防衛するために兵器は必要だ」という考えを採用した上で「その使い方が本当に適切なのか?」ということを問うているのである。もっと低いコストで効率的に軍事力を上げられる予算の使い方があるのに、高いコストでそこまで有効性のない兵器に予算が配分されていないかということを言っているのだ。

本書を読み、有効性が高いと宣伝されている兵器に対しても懐疑的な目線が生まれてしまった。もちろんすべての兵器に対してそう思わないし個々の兵器を見て判断する必要があると思うが、多少古い兵器でも金額の差ほど有効性に違いはない可能性も十分あるように感じてしまった。少なくともアメリカのC-5Aの例を見る限り、アメリカにおいては予算が適切に配分されていないと思ってしまう。杞憂であればいいがそれらを買わされる日本に住んでいる身としては少なからず考えるところがある(その分無駄な税金が使われるというわけなので)。

上村勝彦『バカヴァッド・ギーターの世界』

インドの神様と王様の対話を描いた『バカヴァッド・ギーター』の解説書が本書である。『バカヴァッドギータ―』は最近映画が公開されたオッペンハイマー本人が愛書としていた本らしく、自分もオッペンハイマーが経緯で『バカヴァッド・ギータ―』を読み、読んだ後にその解説本に手を出した。

解説書だからわかるという点もあるにはあったが、『バカヴァッド・ギータ―』本体を読んだ方が面白いと思う。解説本はやはり冗長で余計な説明が多いと感じてしまった。ただ理解を容易にするために役に立つ記述は多いので有用ではあると思う。まだ読み途中なのでじっくり読んでいくつもり。

馳星周『不夜城』

結構前に『龍が如く』の実況動画を見て、それによりそのシナリオを監修している人が小説家であることを知り、その小説家の代表作である本書を買ってみた。長らく積んでいたが最近読み始めて今もまだ読み途中である。

作者が一緒なので当たり前かもしれないが、題材も話の流れも良い意味で『龍が如く』っぽい感じがする。それでいて設定は結構違うので新鮮な気持ちで楽しめる。こういう裏社会を描く話は独特の空気感があって面白いと思う。ミステリーを読む際にも思うけど自分は細かいトリックよりもこういう怪しい雰囲気の良さがある小説が好きだ。結構色味は違うけど松本清張や島田荘司も独自の怪しい雰囲気があって好み。

レッシング『ラオコオン』

本書は何度も挑戦していて何度も投げ出している本である。最初は谷崎潤一郎の『金色の死』という中編に本書が登場したので読み始めたが、今回はアークナイツの新イベントでレッシングというキャラが実装されるので関連があるかもしれないと思いまた手を出してみた。

久々に読んでみて思ったのはやはり『イリアス』と『オデュッセイア』などを読んでないと理解しづらい場面があるということだ。読んでみて思い出したが前回もそれで投げ出したような気がする。古代ギリシアの叙事詩や絵画、彫像に対する批評本みたいな感じなので批評対象であるそれらを知らないと読むのが大変なところがある。知らない神さまが大量に登場したりするので頭に入ってこない。じっくり読めば理解できるのかもしれないが、ギリシャ神話に疎い身としては読むのが大変だ。

現時点だとアークナイツにかかわりがあるかもわからないので早く手を出し過ぎた気がする。かかわりがあると言ってもアークナイツの方のレッシングがどういった立ち位置なのかすらまだわかっていないので本当に関わりがあるのかどうかもわからない。ただ本書は面白い記述自体はいくつかあるので読んでいること自体は面白い面もある(ただ大変ではある)。

まとめ

久々にブログを書いたけど時間を空けてもそこまで文章を生成する力は変わっていないような気もする。毎日更新をしていたころと同じくらいのスピードで書けていると思う。やはり半年くらい継続するとその力もあまり衰えないのかもしれない。

最近はなぜか読書に対するモチベーションが高いので色々読んでしまう。しばらくは神聖ローマ帝国及び軍事関連の本を中心に読んでいこうかなと思っている(気分次第なので全然違う本を読む可能性もある)。

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