【落語】興味本位でアマプラの『寄席チャンネルに登録したら結構面白かった件

最近、何気なく落語の『現在落語論』という本を買った(以下URL)。



買った理由としては駿河屋で安かったというのが大きい。落語に関しては笑点をよく見ていたのでなんとなく有名な落語家さんならわかるというくらいの知識。

で、読んでみると結構面白い。落語自体はそんなに聞いたことがないのだが、落語の理論や著者の落語に対する考えを聞いていると興味深い。

そこで落語に興味を持ち、何か合法的に落語を鑑賞できるところはないかと探していたら、アマプラに「寄席チャンネル」というチャンネルが500円くらいで入れたので早速入ってみた(余談だがアマプラのチャンネルの場合、解約しても払った翌月日までは見れるのでありがたい)。

「寄席チャンネル」を見てみるとUIがとても使いづらい。落語家ごとにシリーズになっているので探しづらいという部分はある気がする。

なので最初はとりあえず面白いと評判の柳家喬太郎さんという落語家の落語を2つほど聞いてみた。演目は『縁切榎』と『へっつい幽霊』である。ちなみにネタバレを書くので見たくない方は寄席チャンネルで上記の落語を聞いてきてから見るかブラウザバック推奨。


『縁切榎』の感想

あらすじとしては2人の女性と仲良くなった男がどちらと結婚するか決めきれず、どちらを切ればいいかある夫婦に相談に行く話。

この作品の話はとてもよくできていると思う。場所の変移として「夫婦の家」→「芸者の家」→「武家の娘の家」→「芸者の家」→「武家の娘の家」→「夫婦の家」→「縁切榎のあるところ」という風になるのだが最初に芸者の家へ行った時点で結構先が予測できる。

そして予測できたとしても面白い。芸者と武家の娘の家には2回ずつ行くのだが、毎回帰り際に「切れねぇ…!」とそれぞれの女性の情にほだされて結局切れないという展開が繰り返される。この天丼がわかっていても笑ってしまう。

最後のオチで自分との縁を切りたいと言われた部分も見事に『縁切榎』全体の話から見事なオチとなっている。

あと落語家の柳家喬太郎さんの演技も素晴らしいと思う。この作品は女性が3人ほど出てくるのだが、どれも演じ分けられており特徴がある。袖をつかんだりしぐさを変えたりするだけで声を出さなくてもどういう人物を演じているかわかるというのは本当にすごいことだと思う。

全体を通してよくできた話だなぁと思う。この噺は改作とかでアニメキャラとかVTuberの誰かを当てはめてみても面白いかもしれない。こういう落語があるならもっと落語が見たいと思った。


『へっつい幽霊』

へっついの中に博打で稼いだ金を隠して使いきれずに死んでしまった幽霊が、金への未練からへっついに取りついている。それをなんやかんやで何とかするのが今回の噺。

正直、こちらの方はそんなに面白くなかった。

単純に好みの問題もあるのかもしれないけど、話の構成が『縁切榎』ほどピンと来なかった。商人の話からいきなり博打打ちと吉原好きの男に視点が変わりなんとなくついていけなかった。

これは話の問題というよりも客の存在がなかったからかもしれない。単純に客の音声入っていなかったのか、それとも無観客だったのかはわからないが客の笑い声が一切聞こえない。笑い声が入っていないからか間とかがちょっと違和感あったりする気がする。そこら辺のノイズがあったからいまいち話に入りきれなかったというのもあるかもしれない。


まとめ

あまり見たことなかったが落語は結構面白い。今後も人気のある落語家の噺を寄席チャンネルでいろいろ見てみようかと思う。

落語はコントとか漫才などと比べると前置きが長い。だから最初にマクラで客をつかまないといけないのかもしれない。そして長い前置きがあるからこそ世界観や話の筋が聞いた後、頭に残りやすいんじゃないかと思う。

実際、コントとか漫才のディテールって翌日くらいには忘れてること多い。自分が単純に記憶力悪いのかもしれないけど落語の方が細部が記憶に残るんじゃないかと思う。どっちがいいとか悪いとかいう話じゃなくて媒体の性質としてそうなんじゃないだろうかという話。

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