「ちえ」⑨「お泊まり」②
焼きそばを食べている時に「ねえ、夕飯は何食べたい?」と聞かれました。
「まだ、昼の途中で、もう夕飯のこと聞くの?」
「だって、それによって買い物に行かなけりやでしょ」
「そっかあ···」
「ご飯ないから、麺類系だよな···」
「じゃあさあ、ラーメン食べに行かない?」
「え~、せっかく作ってあげようとしてるのに、食べに行くの~」
「ゴメン。「ちえ」ってラーメン好き?」
「好きだけど···」
「じゃあ、ラーメン作ってくれる?」
「ラーメンかあ···」
「うん、分かった。夕飯はラーメンにするね」
「それからさあ、これからのデート代なんだけど、毎月、同じ金額出し合ってひとつの財布に入れとくってどう?」
「デート代は、その財布から出す。足りなくなったら、同じ金額だけまた出し合う」
「うん、それ良いね」
「それでさあ、その財布は「ちえ」に持ってて欲しいんだけど」
「うん、良いよ」
「トクちゃん、元カノともそうしてたの?」
「またあ、そういう話しはしないって言ったじゃん」
「あのさあ、俺ん家って、お菓子屋さんやってるからさあ、カップルとかが買いに来ることあるんだよね」
「それでさあ、俺が子供の頃の話しなんだけど母親が「あの子っちは、ひとつの財布にしてるね」って言ったことがあったんだよ」
「だから、彼女とひとつの財布にするのが俺の夢だったわけ」
「ふ~ん、そうなんだあ」
「ちえ」と2人で近くのスーパーに夕飯の買い物に行きました。
「トクちゃんは、何味のラーメンが好きなの?」
「俺は、やっぱトンコツかな」
「じゃあ、トンコツラーメンとしょうゆラーメンにするね」
「「ちえ」はしょうゆラーメンが好きなの?」
「うん、あんまりこってりしてるのは苦手なんたあ」
「焼豚は、たくさんのせたいな」
「野菜もたくさん入れるからね」
「あ、俺、2杯食べても良い?」
「うん、良いよ。たくさん食べてね」
「じゃあ、トンコツと味噌にするかな」
「了解」
夕飯は「ちえ」の作ってくれたラーメンを食べました。
夕飯後に「ちえ」がトイレにたちました。
トイレから出てくると「ちえ」が暗い顔をしています。
「どうした?お腹痛いの?」
「トクちゃん、ゴメンね···」
「え、なに謝ってんの?」
「私、女の子の日になっちゃった···」
「生理痛とかあるの?」
「ううん。それは大丈夫なんだけど···」
「Hできなくなっちゃったけど···」
「そっかあ···」
「別に良いよ。Hだけが目的で泊まって欲しいわけじゃないから」
「トクちゃ~ん。ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよう」
「ホントは、ちょっと残念だけどな(笑)」
「女の子の日だと、お風呂入れないの?」
「うん、でもシャワーなら浴びれるから」
「じゃあ、俺もシャワーだけにするよ」
「一緒に入る?」
「それは、恥ずかしいな···」
「そうだよな。俺も、ちょっと恥ずかしいかもな」
「でも、いつか2人でお風呂入れたら嬉しいな」
「じゃあ、俺先にシャワー浴びるよ。覗くなよ(笑)」
「あ、そうだ。「ちえ」は何着て寝るの?その服だとシワになっちゃうよな」
「うん」
「良かったら俺のパジャマ着ても良いよ」
「私が、トクちゃんのパジャマ着ちゃったら、トクちゃんは何着るの?」
「俺は、裸で寝る。って言うのは冗談で、ジャージで寝るから良いよ」
「ちえ」も私の後でシャワーを浴びて、私のパジャマを着ました。
2人で布団に横になると「ちえ」が「ねえ、キスしてくれる?」
「それって、おやすみのキスか?」
「ううん。まだ、寝たくないから違う」
「ただキスして欲しいだけ。ダメ?」
「ダメじゃないよ。でも、キスすると、それだけじゃ止まらなくなりそうなんだよな···」
つづく
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