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#17 【トルコ】 パムッカレとカラハユット温泉

こんにちは。
日本のスーパー銭湯が恋しいほうの夫です💁🏼‍♂️

急に小説家の才能が開花したので、今回はなぜか小説っぽく。

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5月の中頃、僕の心は崩れかけていた。
旅の疲れやプライベートな時間が取れない上、具合も悪く観光地の人混みによる人酔い…。

このとき僕らが到着したのは、「カラハユット」という日本でも有名なパムッカレという観光地から車で約5~10分程度でいける村だ。

そこは源泉が湧いており昔から湯治目的で利用されることが多いらしい。日本で言うところの箱根のような場所だ。
また、幸いなことにそこまで観光地化していないため、海外からの観光客も少なく村人も観光客の恩恵を受けようと値上げやしつこい客引きをしているわけでもない。
「旅の疲れを癒やすには最適だ。」

前夜、僕らはイスタンブールから夜行バスを利用して早朝にはデニズリに到着した後、休む間もなくデニズリから翌日に向かう予定であるパムッカレを横目にミニバスに揺られながらカラハユット村へ向かった。

カラハユット村への到着はたしか9時前だったと思うが、宿のチェックイン時間前というのにオーナーさんが快く迎えてくれた。
少し眠そうにしながら部屋の説明をしてくれ、ついでに部屋のグレードを無料で上げてくれたという。ふっくらした体型にお髭を生やしたTHEパパみたいな風貌のウミットさん、ありがとう。

バスの長時間移動による疲れも溜まっていたが、お腹が空いていたため村に出向いてみることにした。
まず最初に、この村最大にして唯一の観光場所である「レッドウォータースプリング」と呼ばれる公園へ向かった。
ここには約60度の源泉が湧いており、名前の通りお湯が赤く変色している。理由は鉄分が多く含まれているかららしく、そのお湯が棚田のような所に流れ続けているため足湯や露天風呂のように楽しむことができる。

レッドウォータースプリング♨️

しかし、僕らが訪れた日はあいにくそこそこ暑かったため、長湯(といっても足だけだが)はできずにすぐに身体がぽかぽかになった。
そのおかげもあって冷たいものを欲していたため、公園内で暇そうにしていたお兄さんから念願のトルコアイスを買ってみることにした。

知っている人も多いが、トルコアイスといえばお客に渡すと見せかけてアイスをなかなか取らせてもらえないという妙技で有名なので、GoProで妻に撮ってもらいながらその修練に修練を積んだプロの技が来るか来るかとワクワクしながらバニラを頼んだ。

お兄さんはしっかりとその妙技を見せてくれた。上手に僕にアイスを取らせないようにコーンやヘラを駆使して存分に見せてくれたのは嬉しかった。

しかし、思った。「頑張れば取れそうだと…。」

結局、僕は最後まで取れない子供を演じたが、初めて頂いたトルコアイスは少し弾力があって歯応えを感じさせとても美味しくて満足した。
日本で売っているトルコ風アイスではない、本場トルコアイスをトルコに来たら一度は食べてみるべきだ。

バニラ頼んだのに途中からレモンも追加しやがりやがった(※同意の元)

その後、商店街をぷらぷらしていたがとても気持ちが良い。
自然豊富な田舎の新鮮な空気のおかげもあるが、何より商店の人たちの観光客に対する興味の無さだ。
イスタンブールでは、散々しつこく「コンニチハ!!」と話しかけられたりレストランの前を通るたびにメニューを勧められたりと、僕の嫌いな客引きの相手をしないといけなかったが、、、ここにはそれが無い!(商売である以上ゼロではない。)

夕食に寄ったお店でも、良心的な値段でかなりのボリュームのお料理を楽しむことができた。
たまたま行ったお店がアタリだっただけかもしれないが、宿のオーナーのウミットさんも言っていたが隣町の観光地パムッカレだと何を買うにもカラハユットの2〜3倍はするという。
だから、水や軽食はカラハユットで買って持っていきなさいとアドバイスもしてくれた。

そして夕食後、待ちに待ったお風呂の時間だ!
宿の説明の際にすでにその存在は認知していたが、改めてお湯を張った姿を見るとテンションが上がった。
今回の宿はバスタブ付きなのだ。(そして源泉!!ここ強調!!)

こう見えて立派な♨️です。

源泉のままだと熱いため少し冷ましてから浸かったが、やはり出てしまったこの言葉。「生き返る〜っ!!」
それから同じく生き返った妻と一緒にテラスで涼みながら飲む炭酸ジュースは最高だった。

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翌日、団体ツアー客を避けてなるべく空いている時間を狙うとしたら朝イチかお昼ご飯時だろうという推測のもと、早朝からパムッカレへ出陣した。

前日にデニズリから送ってくれたセルビス(無料のシャトルバス)のおじさんからパムッカレの入場料が”400TL”(3000円弱)もすると知らされていたので、恐る恐るチケット売り場に向かうと、チケット売場のお兄さんに通っていいよと言われた。
何の冗談かと思ったが実際にタダで通してくれた。
話を聞いてみると、実はその日は年に一度の”国際博物館の日”というものらしくトルコの多くの博物館などの施設の入場料が無料になるという!

実に運が良かったと夫婦で喜びながらパムッカレの観光を楽しんだ…はずだった。。

最初に目に入ったパムッカレの石灰棚は予想だにしないものだった。
そこにはただただ白い丘があるだけで、お湯が、、、無い。。
なんと、カラカラだったのだ。

ガラガラでもパラパラでもなく、カラカラ


しかし写真で見ていた所では無さそうだし観光客が居ないところを見ると、違うところかもしれないと考えて、さらに先のほうへ進んでみた。

先のほうへ進むとだんだんと観光客が多くなってきて、ついには写真で見たことのある風景の所へ辿り着いた。おお、これが有名なパムッカレの石灰棚か!と感動したかったが、んー何か違和感。やっぱりお湯少なくないか??と感じた。石灰棚はたくさんあるのだが、その中でお湯が流れて貯まっている部分がわずかなのだ。

水着で楽しむ人たちも

ただ、まあ綺麗な所は綺麗だしということで写真を撮ったりして日が暮れるのを待ったが、残念ながら分厚い雲によって夕日に反射して紅く染まる石灰棚を目に焼き付けることは叶いそうになく気温も下がってきたので、最後に石灰棚の中を通って帰ることにした。
ここから本当のパムッカレを体験することになるとは知る由もなく。。。

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パムッカレでは立ち入り禁止の石灰棚が多く、唯一石灰棚の中に入れる箇所が、南口から丘の上に向かって伸びている。僕らは北口から入場したため帰りは丘から南口に向かって石灰棚を下っていくことになる。
また、石灰棚でははき物が禁止で靴を脱いで素足で入らなければならない。

元々、パムッカレの源泉は温水プールほどで流れていくうちにさらに冷えていくことになる。
実際に足をつけてみるとぬるい。というより、曇天で外気も低いためかだんだんと身体が冷えてくる。
そして、地面はというとただでさえお湯が流れている坂道という滑りやすい構造の上、ヌルヌルして転びやすい箇所が複数ある。何人か実際に転んでいる人も見かけた。僕はカメラを持っていたため絶対に転ばないようにヌルヌルしない箇所に逃げ込んだ。
しかし、逃げ込んだ先にはさらなる苦痛が待っていた。ギザギザだ。
足ツボ板のように地面が細かくギザギザしている。
健康な人は痛くないのかもしれないが、少なくとも僕は痛かった。非常に痛かった。一歩踏み出す度に痛かった。

たしかに景色は綺麗だった。しかし気持ちは複雑だった。
「身体は寒く、滑らないように気を張り続け、足の裏は痛い。」

そんな僕の気持ちを温めてくれた2人がいた。

一人目はユソッフさん。
僕らが帰りのバス停を探してパムッカレで迷っているときに助けてくれた。バス停の場所まで連れて行ってくれ、待っている間に座るイスを用意してくれ、バスが来るまで一緒に待ってくれ、バスの運転手に僕らのホテル名まで伝えてくれた。
ユソッフさんは、パムッカレでタイタニックという名前の宿(外壁の色がタイタニックを意識してか水色)を経営しているらしく、なんと僕らの宿のオーナーのウミットさんとはソルジャーフレンドだったという。なんという縁だ。
このかたのおかげで無事にバスに乗ることができた。

心優しいユソッフさん

二人目はバスの運転手だ。
他の乗客が僕らの宿の近くで降車したため、ついでに降りようかとお金を渡そうとしたら手で待てと静止されてしまった。
その後、バスは僕らの宿から離れて別の乗客を次々と降ろしていく。
バスに乗った順で送っているのかなと考えていると、乗客は僕らのみとなった。しかし、バスはなぜか遠回りしている。(GPSアプリで現在地と宿の位置を確認していた)

ついには宿ではない所で停止した。
そして、運転手が振り返ってトルコ語で何かを伝えようとしている。僕らはトルコ語はわからないが身振り手振りであれを見ろと言っているように思えた。
そこには、素晴らしい夕日があった。
運転手さんは僕らにこの素晴らしい夕日を見せようとしてくれたため、僕らをバスに残して先に他の乗客を降ろしたのだ。

夕日を見せてくれた後はきっちり僕らの宿の前まで送ってくれた。
拙いトルコ語の「ありがとう」を何度も伝え、最後には3人で一緒に写真も撮った。

心優しいバス運転手さん


そして、カラハユット村まで無事に戻ってこられた僕らは、宿の温泉に浸かり、暖まり、癒やされ、出会った人とカラハユット村に感謝した。

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