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どんなセミナーを受けられるの?【お試しキリスト教葬儀の学校】

こんにちは。キリスト教葬儀の学校事務局の小林です。

2022年6月にスタートし、好評のなか2年目に突入する株式会社ライフワークス主催 終活キリスト教葬儀が学べるオンラインセミナー「キリスト教葬儀の学校」。
月に2回、Zoomで全国のクリスチャンが集い、講義を聞いて意見交換をしています。

メイン講師は、葬儀牧師と呼ばれる清野 勝男子(せいの かつひこ)先生。
今回は、普段「キリスト教葬儀の学校」でどんな講義を行っているのかを詳しくレポートします!(※筆者小林の個人の感想を含みます。)

昨年無料で公開されたキックオフ内の講義内容をご紹介!





1 概要

 タイトル:「現代の日本教会におけるキリスト教葬儀の課題」
 講師:清野勝男子先生(日本同盟基督教団 土浦めぐみ教会 顧問牧師) 
 開催形態:zoom配信
 日時:2022年6月6日 19:00~20:00
 参加人数(延べ人数):37名

2 内容

①人類の葬儀と死生観

まずはじめに、人類の葬儀の歴史の紹介がありました。
 
約7万年前。旧人段階の人類も、遺体を儀礼的に処理していました。
例えば、ウズベキスタンでは子供の遺体の周りに山羊の角が並べられたり、イラクの遺跡では遺体の周りに花が添えられていたことが分かっています。

人間は地球上で唯一、葬儀をする生き物。
どのような人の葬儀も、心からの畏敬の念をもって執り行われるべきです。

死体の処理の仕方や喪服、追善供養、死者崇拝、禁忌など、死と死者を巡る人間の葬制の背後には、必ずその民族ならではの世界観が在り、宗教や信仰(死生観)が在るもの。民族ごとの宗教や信仰、死生観が表明されるということは、葬制にはその文化の諸前提が具体的に表れていると言えるでしょう。


②現代日本人の死生観調査

 ここで、2014年にミネルヴァ書房から出版された『現代の死と葬りを考える』(近藤 剛 編著)の、第五章『死生観の構造』(三宅 義和 著)から、ある日本の大学の平均年齢20.2歳の若者(2013年時点)へ実施したアンケートの結果紹介がありました。

 まずはじめに「神(仏)の存在について信じているか」のアンケート結果です。

神(仏)の存在についてのアンケート結果

 
ここで注目すべき点は、「存在に疑問を感じることもあるが、存在すると信じている」「実際に存在することを知っており、存在に疑問をもっていない。」という、神(仏)の存在に肯定的な意見が全体の15.4%を占めているという結果です。
20歳前後(2013年時点)の日本の若者の15%以上が神(仏)の存在に肯定的ということであるということを表しているのです。

 次に紹介されたのは「あなたの信仰する宗教は?」というアンケートの結果でした。

あなたの信仰する宗教は?

 これもまた驚きでしたが、自身をキリスト教徒であると自認している人が4.8%もいるということ。
 一般的に日本のキリスト教人口(カトリックを含む)は、人口全体の1.5%程と言われております。クリスチャンのアイデンティティを持っている若者が意外にも多いことが分かります。

 また次に「生まれ変わり(転生)」について、「ある」と答えた人が全体の53.9%もいたことが紹介されました。

生まれ変わり(転生)について

 前項の「あなたの信仰する宗教は?」で、「何も信仰していない」が66.8%であったことに対し、転生、つまり仏教的な考え方を信じている人が53-9%もいるというギャップがあります。

 「転生」というフレーズは、昨今の若者文化や漫画などのサブカルチャーに頻繁に登場しますので、宗教という概念と関係なく、馴染みのあるワード・考え方になっているのではないかと考えます。そもそも、転生という考え方が仏教的であるということを知らない人は多いと思われます。

 更に、「地獄について」「天国について」その存在を信じているのか、その認識を調査したアンケートも発表されました。

地獄について
天国について

 地獄を信じている人の割合より、天国を信じている人の割合が高いことが見受けられます。自分が行きたいという「期待」という側面もあるでしょうし、これまでに亡くなっている自身の親族や友人などに対しての「願い」という側面も表れているのではないでしょうか。

先祖の霊的な力について

 さらに先祖の霊的な力について、「ある」と答えた人が51.4%でした。
確かに不慮の事故や災害を免れたとき、例えば「死んだおじいちゃんが守ってくれた」というような表現をすることは、一般的です。

 先祖の力を信じているのか、疑うことによる罰を危惧しているのか、はたまた自身が先祖になった時親族を見守りたいという思いからくるものなのか。いずれにせよ信じている人は多いと言えます。


 ここで、「公益財団法人 全国青少年教化協議会 臨床仏教学研究所」が2009年3月に行った、全国の40歳から69歳までの男女600人に対する『寺院と葬儀に関する一般人の意識調査』についても、清野先生から紹介がありました。

20歳の若者ではなく40歳~69歳の方へのアンケート結果

「自分のお葬式を宗教色のある方法でしてもらいたいですか?」という質問に対しては、「宗教色のある方法で」と回答した人が11.7%、「宗教色の無い方法で」と回答した人が18.7%、「家族の意向に任せる」が52.7%、「葬式をしてほしくない」が15.9%でした。
 自身の葬儀に宗教色の無い方法を望む人が多いという、これまた驚く結果となってます。

自分のお葬式を宗教色のある方法でしてもらいたいですか?

 また「家族の意向に任せる」ということは、どんな形式の葬儀をしても気にしないという意味です。無宗教層の多い日本らしさが表れた結果となったと言えるでしょう。


 次に、「あなたが治癒の見込みがなく死に直面したら、お坊さんが心の支えになってくれると思いますか?」といった一歩踏み込んだ内容のアンケートの結果も紹介されました。
 結果として「あまりそう思わない」「そう思わない」と回答された方が70%を超えていました。

死に直面したらお坊さんが心の支えになってくれると思いますか?


日本人は仏教、あるいは僧に何を期待しているのでしょうか。

 明確な調査こそ行われておらず具体的な数字は出ていませんが、キリスト教では「自分や家族が治癒の見込みがなく死に直面した時、牧師が心の支えになる」ことを期待する人は多いです。(少なくとも筆者の周りでは)

 実際、「入院している病院に牧師がお見舞いに来てお祈りをする」という場面はクリスチャンにとって珍しくありません。
実際、筆者も長期入院中に、所属する教会の牧師先生に来ていただきました。

 このように、「キリスト教葬儀の学校」では、公開されている具体的なデータをもとに、現代社会の葬儀・終活の意義を考えております



③多死社会の現実

 ここで、日本の死者数の変化の紹介がありました。2004年度の死亡者数は102万人とされていて、そこを境に人口減少が始まったそうです。

 2025年は152万人、2039年には死亡者数が最高となり166万人が亡くなると推測されています。

現在は一年間で150万人が亡くなっているのが現状、これは驚異的な数字です。

年々出生率も減少しており、2053年には、日本の人口が1億人を切るとされています。あとたった30年後の出来事です。



④現代日本の仏式葬儀

 昔は「葬儀」を自宅またはお寺で執り行うことが一般的でしたが、最近は葬祭会館(セレモニーホール)で葬儀を行うことも増えてきております。

 今でこそコロナの影響で、「直葬」「家族葬」など葬儀の規模は縮小傾向にありますが、もともとは親族や友人、会社仲間や近所の人まで一同に集まるのが日本の葬儀文化の特徴です。例えば、韓国やアメリカでは大人数での葬儀はメジャーではありません。

 本セミナーの中では、下記のように、現代仏式葬儀の大きな変化について紹介されました。

 【葬式会場】寺院 → セレモニーホール
 【運営の実権】隣組 → ホール
 【僧侶】司式者 → 読経者
 【司式者】僧侶 → 葬祭ディレクター

 
葬祭ディレクター」という資格は、1996年から厚生労働省認定の資格であり、2023年現在約3万人の有資格者がいるとされています。

 近年では葬儀業界の企業努力により、新しい葬制文化が創造されています。華やかな祭壇や棺、白一色ではない骨壺、お手元供養、そして埋葬に関しても宇宙葬や樹木葬など多種多様な葬儀文化がどんどんと生み出されています。

新しい葬制文化例


 このように、遺族の心情に触れるような様々な企業努力がなされている仏式葬儀と比較すると、キリスト教葬儀は長年変わりがないように感じてしまうかもしれません。

セレモニーホールの葬祭

 セレモニーホールでは、葬祭ディレクターが一切を取り仕切り、あたかも司式者のように案内するところもあります。ご家族様は葬儀経験がない方が多いので従うしかありません。
 
 ここで、清野先生はある危機感を感じています
 キリスト教葬制文化を確立させ、葬祭ディレクターに向けて「キリスト教葬儀っていうのはこういうも物だ!」と意見を言えるようにならないと、牧師先生は葬儀においてただの読経者となってしまう恐れがあると。

 まさに結婚式という文化が教会から出て商業化され、企業的な物になってしまった恐れと同等の物を感じているのです。


⑤キリスト教葬制文化開拓の必要

 ここで清野先生から発題がありました。 

清野先生からの発題
キリスト教葬制文化開拓の必要性

 近年、教会の牧師を中心に、地域社会からキリスト教葬儀文化を開拓していく必要性が指摘されてきました。
 
 また現代日本が対面する葬制文化の課題としては、以下の物があげられました。

 ターミナルケアや尊厳死等の終活に関する課題、自宅葬や社葬などの葬式文化に対する課題、散骨や樹木葬といった埋葬文化の課題。
あらゆる観点からのキリスト教葬儀の課題があがっています。

3 まとめ

このように、まだまだ課題がたくさんある日本でのキリスト教葬儀。
「キリスト教葬儀の学校」では、主に葬制文化について、自由に神学的かつ実践的に学び、伝道の機会を捜していくのが目的です。

 以上のようなスタートを切って、キリスト教葬儀の学校の一年目が始まりました。
 毎講義、15人程のクリスチャンの方達がオンラインで集まり、それぞれの意見を自由に分かち合い、キリスト教葬儀について学んでいます。(※行政書士や遺品整理士の方が講師の回は、一般的な終活について90分間しっかり学んでいます!)

 「キリスト教葬儀の学校」2年目もより多くの皆様とキリスト教葬儀や終活について学んでいきたいと考えております!
全国のクリスチャン達と分かち合いながら、一緒にひとつひとつ、現代の葬儀課題と向き合ってみませんか

 まずは無料で参加できる7/8(土)13:30から始まるキックオフイベントにご参加いただき、雰囲気を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

 ご参加お待ちしております!

↓特別無料講演会の詳細・タイムスケジュールはこちら↓
今年のキックオフイベントのここがすごい!!|株式会社ライフワークス葬儀終活実践企画部 (note.com)

※ご参加いただきありがとうございました!



「キリスト教葬儀の学校」お申込み


オンラインセミナー「キリスト教葬儀の学校」はウェブサイトから詳細&お申込みが可能です!

https://mosh.jp/christian-funeral-culture/home

お申込みに際し、なにかご不明点やお気がかりな点がございましたら、いつでも下記にご連絡ください。(担当:小林)

電話:0120-364-392
メール:info@life-works.co.jp

それでは、皆様のお申込み、ご参加を心よりお待ちしております!!



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