東京囃子塾第ニ回講習 『元禄花見踊り 蔭囃子 大太鼓編』
歌舞伎音楽の鳴物として、特に重要なポジションになるのが【大太鼓】です。
[黒御簾]以外の場所で演奏する事が殆ど無く、どんな人がどうやって打っているか判らない楽器です。
長唄『花見踊り』で囃される大太鼓は独奏で、[地理][天象][怪異]等の描写的観念の音響効果を担う打法は使用されず、太鼓や笛等の四拍子、大拍子や双盤等の助奏楽器を主体とする手組の補助として一定の法則性がある手組みを拍子に合わせて演奏します。
曲中、以下の五種類が打ち囃される。
【双盤】
{大太鼓〈太撥〉双盤}
天台宗の寺楽からヒントを得た寺院やその付近の描写に演奏し幕明きや出入りにも単独で囃される。
【早渡リ】
{大太鼓〈長撥〉締太鼓}
廓や祭礼の群集の出入りや立ち廻り、奴物の幕切れに使われる。
【狂言鞨鼓】
{大太鼓〈長撥〉締太鼓 当リ鉦}
祭礼・花見の行列模様の場に用いたり、花槍を持って踊る時に囃す。
【大拍子】
{大太鼓〈長撥〉大拍子}
神楽の囃子を模した神社仏閣の場面に使用する賑やかな手組み。
【片砂切リ】
{大太鼓〈長撥〉締太鼓}
長唄では終曲近くに打ち囃す、花見・祭礼等の賑やかな局面に使用される。
実技講習では、此方の【早渡リ】【狂言鞨鼓】を実践していきます。
お手本動画③[花見踊り]【早渡リ】【狂言鞨鼓】大太鼓
お手本動画④[花見踊り]【双盤】(社天)
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