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39歳、妊娠する17 NO陣痛で入院!?

ラスト・オブ・健診。

今日で健診最後の日。そして予定日は明後日だ。先週の健診では子宮口は全く開いておらず、お腹の中の羊水の量も普通、と言うことで来週予定日は過ぎるでしょうね、と言われて、初産は大抵予定日すぎることが多いですよ〜、と。ただ、こちらとしては出来れば予定日通りに産みたい。だって予定日を過ぎるときっと夫が毎日毎日まだか、まだかと心配する様子が目に浮かぶから。いつ治るか分からない、そんな病を患っている今、予定が見えないという状況がストレスでしかない。なので、今日のこの健診の日までとにかく動きまくった(笑)。夫には妊婦出産ジンクスの話もして焼肉も食べに行った。が、特に何か体調に変化があったことはなく、こりゃ来週かもね、と言いながら一人健診へと向かった。

すっかり恥骨痛も良くなって、お腹の大きさでペンギンのような歩き方になるけれど臨月&今週予定日とは思えないくらい元気。来週には生まれるかなぁ、何て思いながら診察を待った。名前を呼ばれ、診察室に入ると、体調いかがですか?と若めの女医さんと助産師さん。「いやぁ、それが全然何も変わらずで……」と言いながら、診察台に促されて、まずはエコー。「初産だと予定日はすぎること多いですから、あ、あれ?ちょっと待ってくださいね……」先生も私もそこにいる誰もが予定日過ぎますね、これは、と思いながらエコーを見ていたのに、お腹の様子を見た先生の声に急に緊張が走る。「ちょっとですね、羊水量がかなり減っているかも」と、言いながらお腹のあちこちにエコーを当ててくまなくチェックする。「うーん、とにかく内診もしてみて考えましょうか」と、さっきまでののんびりした雰囲気がガラリと変わる。羊水の量が減る、ということは赤ちゃんのいられるスペースが少なくなる、ということだ。羊水の中でプカプカと浮かぶ赤ちゃんが苦しくなってしまう。「内診はじめますねー」と、先生は言ってすぐ「あ、子宮口も3センチくらい開いてますんで、羊水の量も少なくて赤ちゃん心配ですから、今日もう入院して産んじゃいましょうか」と、まさかの提案。「え?あ?え、今日このまま?」ついさっきまで、来週には……何て思っていたのに、陣痛も何もなく、歩いて呑気にやって来たのに!?と、軽くパニック。「ええ、問題なければこのまま入院で。荷物とかご家族に持ってきてもらいます?」と、言われて、「あ、えーっと、まさか今日入院とか考えてなかったので。家が近いので一度帰って準備してからでもいいですかね?」予想外すぎて、夫に伝えたら確実に動揺するため、とにかく帰って説明しないと。「どのくらいかかります?」話を聞いてた助産師さんが明らかに早くしてね、という感じの圧をかけてくる。「1時間、1時間後に戻ってきます、それでどうでしょうか」それなら、ということで、その間に入院の手続きをしておいてくれる、というので受付で書類にサインをすると、とにかく急いで家へ向かった。そう、もちろん歩いて(笑)。

出産は突然に。

▲焼肉も夫が一緒だと、焦げるまでよく焼きでしか食べられなかった…(苦笑)

用意していた破水用のシーツも服も着替えも、予約していた陣痛タクシーもすっ飛ばして、今から入院!? で、明日産む!? 帰宅途中、軽くパニックになりながらも夫にメールをとりあえず送る。「これから入院だってさ、で、明日出産するって」「は?」の一言のメールの後、速攻で電話がかかってくる。そりゃそうよね。「え?どういうこと?何か問題?荷物持っていく?」畳み掛けるように質問が止まらない。「いや、内診とエコーしたら、子宮口も開いてきてるし、羊水の量が少なくなってきてるから、もう産みましょう、ってことらしい」と、説明しつつ、とりあえず、一回帰って荷物持って一緒に病院行ってくれ、と電話を切った。夫の病気のことばかり考えたいたけど、本当にあっという間にここまで来た。言い方を変えれば、妊娠中も特に特別なことは何もせずに、来てしまった。「子供が生まれたら本当にゆっくりできないし、夫婦の時間ができなくなるから、今のうちに色々しておきなよ」、と妊娠中に色々な人に言われたこと。うつ病の夫と……?と思っていたけど、実は、じゃあ何をしておけばよかったか、って思うと意外と思いつかないのだ。それは良くも悪くも二人の生活が長かったから。だから、正直、大変は大変だけど、うつ病になったから”何もできなかった”ということはなくて、二人の生活は十分楽しんでいたから、後悔していることはほとんどない気がする。そういうこともあって、やっぱり妊娠したのが今で良かったと思った。

「これは?持っていかなくて平気?」
流石に急な入院に夫もシャキッとしている。陣痛バッグと出産入院バッグを両方持って、足りないものはないか再度確認。「何か足りなかったら後で持ってくから、大丈夫だよ」と、緊張している私を気にかけてくれる。内心、急な入院でパニックになって出掛けに言い合いになったら嫌だなと思っていたけど、そうならなかった。それだけでホッとして、明日出産という急な出来事も何とかなりそうな気もする。「よし、じゃあ、行きますか」、猫をひと通り撫で回すと荷物を持って、病院へ向かった。もう次、家に帰ってくる時には3人になっているんだな、と2人だけの生活が変わることが寂しくも感じつつ、いよいよ出産を迎える。

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