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Googleトレンドから読み解く米国アニメ市場【2020年11月最新】

こんにちは!
Tokyo Otaku Mode(TOM)でマーケティングやメディアの運営を担当している清水です。

皆さんはGoogleトレンドというツールを使ったことはありますでしょうか。
検索キーワードやトピックの検索回数をスコア化して、検索トレンドを確認することができるツールです。国別にも絞り込めるので、リサーチしたい国を指定すると、キーワード軸で各国のトレンドが丸わかりになります。

今回の記事では、このGoogleトレンドを活用してコロナ禍の「米国アニメ市場」がどのような状態にあるのか、読み解いていきたいと思います。

(ちなみに、米国アニメ市場の売上などの詳細なレポートは、日本動画協会が作成している『アニメ産業レポート』や日本貿易進行機構が作成している調査レポートなどを確認するのがおすすめです。)

アニメ配信プラットフォーム市場

まずは米国のアニメ配信プラットフォームについて注目してみます。
米国にはいくつかのプラットフォームがありまして「Crunchyroll」「Funimation」「HIDIVE」などが有名です。
(NetflixやAmazon Prime Videoでもアニメを見ることができますが、今回はアニメ専門のプラットフォームに注目してみます。)

まずは、この3つのキーワードの検索状況を確認してみます。

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検索のトレンドでいうと、3つのプラットフォームともに人気度が年を経るごとに上昇していることがわかります。
また、コロナの影響が出始めた2020年3月頃に大きく検索ボリュームが伸びているようです。(画像赤で囲った部分です。)その後一度落ち込んだものの、再度盛り返し、検索量が更に上がり続けていることがわかります。

アニメ配信プラットフォームはコロナの影響を受けて、#ステイホーム のデジタル特需の恩恵を受けているようです。

余談ですが、Funimationは本社はアメリカにありますが、2017年ソニーピクチャーズに買収されています。
参考:ソニー・ピクチャーズ 米国の日本アニメ配給ファニメーションを買収、約1億4300万ドル/アニメーションビジネス・ジャーナル

また、Crunchyrollについてもソニーが買収に向けて調整をしていると2020年10月にニュースになりました。
参考:Sony nears acquisition of US anime streaming service Crunchyroll/NIKKEI Asia

アニメ系Webメディア

今度はアニメ系のWebメディアについて確認してみます。
こちらは多数のメディアがありますが、便宜上次のメディアについて注目してみます。
Anime News Network」「MyAnimeList

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コロナ発生前の2019年までは微減傾向にあることがわかります。
その後、赤枠で囲った2020年3月頃に若干のスパイクを見せ、その後も改善傾向が見受けられます。

アニメ配信プラットフォームだけでなく、文字と画像ベースのWebメディアにおいても若干の恩恵を受けることができていることがわかります。

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一方で、ここに「Crunchyroll」キーワードを入れるとWebメディアは大きく引き離されてしまう格好となってしまいます。アメリカ人のコンテンツそのものに対する興味関心の高さが伺い知れます。

アニメ系ECサイト

最後に、アニメ系のECサイトのトレンドを見てみましょう。
確認するキーワードは便宜上「amiami」「HLJ」「Hobby Search」とします。

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どのプラットフォームに関しても、コロナ以前まではほぼ横ばいの推移に見えますが、赤枠で囲った2020年5月~6月以降、検索ボリュームの増大が見られます。
今まで見てきたアニメ配信プラットフォームや、アニメ系Webメディアの検索ボリューム増大のタイミングと比較すると1~2ヶ月ほど遅れたタイミングです。

考えてみれば当然かも知れませんが、コロナの自粛時期に家の中で楽しめるコンテンツとしてアニメが注目を浴び、その後気に入ったアニメに関するグッズを探す行動を取っているのだと推察できます。
つまり、アニメ配信プラットフォームの検索ボリュームや売上が、アニメ系ECサイトの運営者にとってすれば先行指標として考えることができるかもしれません。

アニメ配信プラットフォームの人気度が上がり続けている状況ですので、ECサイトに関しても今後数ヶ月は右肩上がりでの推移をする可能性があります。

最後に

コロナ禍で、米国に限らずアニメ視聴は非常に伸びていると推測されます。Googleトレンドの数値をそのまま受け取ると、コロナが流行った2020年3月以降、世界中でアニメ市場は拡大を続けていることがわかります。

このようにGoogleトレンドを活用することで、自社が展開している業界のネット上でのトレンドをざっくり掴むことができるので、定期的にチェックしていくと、マーケティングの打ち手を適切に判断できるようになるはずです。

使い方自体はとてもかんたんなので、みなさん是非実際に触ってみてください!

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