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ソーシャルVRのこと(4)アバター

これから始めたい人のための、ソーシャルVRに1年どっぷり浸かってみた私から言えることを書いています。
きょうは、なにをはなしてみましょうか…アバターの話とかしてみようかなと思います。


1.アバターとは

現実の世界に、あなたという魂があって、物理的な身体が存在するから、あなたはこの現実世界に存在して、他者から存在を認知され。そしてなんらかの人生の目標や使命、生きていくための生業を行う事ができます。

仮想世界にあなたが存在するためには、現実世界同様に、なんらかの身体に変わるものが必要です、それがアバターです。アバターはあなたが活動するための身体であり、存在するための器となります。ヘッドマウントディスプレイをかぶった時、あなたの目線はアバターの目の位置にあります。そして、コントローラーを持った時、コントローラーの位置には手が存在します。あなたの声はマイクを通して他の人に伝わりますし、スピーカーやイヤホン越しに、他の人の声を聴くことが出来ます。つまり、思考の部分は現実のあなたの脳ですが、それ以外はすべてアバターを介してコミュニケーションをとるわけです。

すべてに魂が宿っています、本当に自由に選べると考えてください(あるイベントの集合写真)
ゴリラとかもいます
古代魚のサカバンバスピス…ネットミームが日本国内でやたらとバズりアバターになったw

ちなみにアバターとは古い言葉で”化身”という意味のサンスクリット語です。仏教では、アバター=”権化”と捉えるようです。魂を仮想世界に連れて行くための化身…言い得て妙ですね^^ ソーシャルVRのユーザーは、みな自分の魂でコミュニケーションを取り、その可視化をアバターによって行っていると捉えることが出来ます。

ここで、ひとつの哲学が生まれます…
自分とはなんなのだ?自分はどのような姿で存在したいのか

私も、仮想世界に入った時、どうしようかな…と考えました。

2.アバターの種類

見ているといろいろなアバターが動き回っています…アバターミュージアムなどを見ていくと、大まかにこんな風に分類できます

人っぽいもの

人っぽいものは、アニメキャラのようなタイプが多いようでしたが、そのディテールにはだいぶいろいろなものがありそうでした。どういうわけか耳や尻尾が付いている事が多いです。

人っぽいものには男性と女性がありました
JPチュートリアルワールドで気づいたのですが、女性だけど男性の声が出てくる場合が圧倒的に多く、どうやら性差に関してはもはやどちらでもよいのだなと認識しました。

動物っぽいものがありました
これは、ケモ(けもの)と呼ばれるタイプで、海外の人が好んで使っている事が多い傾向を感じました。トムとジェリーみたいな感じでしょうか…モチーフは哺乳類が多そう…これにも性差はあるようでしたが、ユーザーとアバターの性差は人っぽいもの同様にどちらでもよさそうでした。

動物でないものがありました
これは人外アバターと呼ばれたりしますが、バターとか、バナナとか、ロボットとか、魚とか、モチーフはさまざまですが、こちらもよく見かけます。多くの場合は性差はありません。

3.アバターをチョイスする際の認識

そして、これはすべてに共通するのですが、アバターをコロコロ変える事はあまり問題がないらしい、というか変わっても全然良いようです。
…なるほどなるほど、もはやどうでもいいんだ…

つまり、その時の気分で好きなアバターを使ってよいということですね、それは男性も女性も含めて、ということになります。つまり…VRは美少女のアバターを使うおじさん達の巣窟…というのはある意味合っています、女性アバターを使うユーザーは多いのは事実です。でもたいがいのひとはそれ以外のアバターも使っています。ただ、メインで使っているものは存在しています。ただ、入るとわかるのですが本当に性差に関してはどうでもよくなっていますし、それを意識しているユーザーを見たことがありません。イケメンアバターになる女性もいるし、美少女アバターの男性もいる、それが普通な世界で、大事なのはコミュニケーション、という感じです。

また、ある論文ではこのような記述がありました。
多くのユーザーが美少女アバターを使うのは、初対面のコミュニティーの中に入っていくのに、比較的警戒されずに認識される存在であること。それから感情表現との親和性が仮想空間内でのコミュニケーションをしやすくすること…実はこれは実際にVRの中で人と接するとき、とても重要な事でした。

4.実際にアバターを選んで使いこなすまでの思考はどうなっていたか

で、参考になるかわかりませんが私が今のアバターを使う事になった思考のながれを書いてみます^^ 私はこの記事のタイトル画像にあるアバターをVRChatではメインで使っています。また、NeosVRという別なソーシャルVRでは、別なアバターをメインとして使っています。両方とも女性アバターです。

VRChatでのメインアバター
NeosVRでのメインアバター

私は、男性で、世間一般でいうおじさんなわけなのですが、最初に思ったのは、性差がどうでもいいのであれば、現実と同じじゃもったいないなぁ…男性に飽きた…ここは女性に転生してみるの面白いなと思いました。どうせやるならめちゃくちゃかわいい存在になってみようかな、という感じでした。それから、ソーシャルVRには調査の一環で入ったのもあったので、心理的な影響があるものなのか知りたいというのもありました。
VRChatでは、割とユニセックスな雰囲気の女性アバターですが、その後にアカウントを作ったNeosVRでは、空を飛べる特徴を鑑みて翼の着脱ができるさらに女性っぽいアバターにしてみました。最初NeosVRのほうはこのアバターで浮かないか?などといろいろ考える事もありましたが、今となってはこれが通常状態なので誰からも違和感は無いようです…そして私自身が慣れてしまいましたw その程度の事なんですよね…実際w

5.アバターとのさらなる一体化を追求してみると何が起きるのか…

とはいえ、私はソーシャルVRに入った時から、ある違和感を感じていました。それは、見た目と異なる声の存在です。これはいつかなんとかしてみよう、と思い半年くらい過ごしながら、実際に声を変えている人からお話を聞いたりしながら声を変える方法を探ってきて、ボイスチェンジャーをつかった声を変える方法にたどり着きました。実はこれはこれで一本書けるくらいのネタがあるんですが、それは別な機会に… そして、7月から、身体のセンサーの数を増やして、身体の動きを仮想世界で再現するフルトラッキング(=フルトラ)も実現してみました。

何が起きるのか…多分仮想世界には、もう一つの転生した私が存在しています。アバターの見た目と一致した仮想世界の自分がそこには存在していて、その存在がコミュニティーのなかで認知されている状態… これはなかなか不思議な感覚です。しかし、当然のことながら現実世界で得た知識、経験はそのまま活かされます。よくある転生アニメのような状況がそこにはあります。

そして、声まで変わると、その存在として別の世界の存在になりきれる…もう現実世界とは別な存在としてそこにいる感覚がでてきます。これはとても新鮮な感覚でした、そして言葉遣い、ふるまいも、そのようにしていくと、完全に別な世界に別な存在でいる感じになっていきます。この感覚は現実のオンライン会議の延長で現実の姿をアバター化するものとは全く異なるもので、現実世界の性別や年齢の枠外の別存在としてメタバースに存在する面白さや可能性を感じることが出来ます。そしてこれはとても心が開放的です!
なんというか、純粋な魂でいられる感じ…そしてあらたな発見や挑戦がしたくなってきます…

実際多くのユーザーは、ソーシャルVRに入って使ったこともないUnityを使いこなしてアバターを導入して改変していますし、ワールドを作っています。慣れてくればデータを販売する人も現れますし、アイドル活動を始めたり、VtuberやVRを活用したアーティストになるひともいます、このような事が多くのユーザーと共同でできること、これもソーシャルVRの面白いところです。

とはいえ、イベントの実施のための打ち合わせや、仕事の打ち合わせ、早朝のラジオ体操などではボイチェンは使っていません…打合せの場合は、まじめなお話を音声の遅延などがないようにしたいため。あるいは、打合せをしている相手が現実の私を知っているため。そしてラジオ体操は単純に早朝で準備が面倒、という理由ですが、どちらでいても特に違和感を感じるわけではないようです。

6.まとめ

ソーシャルVRにおけるアバターは、あたかも転生してしまえるような心理的な身軽さをもたらしてくれます。だれでも自分の好きな姿になって、その場に存在することが出来ます。そして心理的な身軽さは、あなたの人生にあらたなチャレンジのきっかけをもたらしてくれるかもしれません。
 ユーザーの人が良く言う言葉に、「ソーシャルVRは終わらない放課後」というのがあります、社会人になれば放課後は存在しませんが、友達とどうでもいいことをやって楽しんでいたあの雰囲気がソーシャルVRにはあります。これからやってみようかな?と思う方は、楽しんでみてもよいかもしれませんよ。ではではー

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