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美容百物語 第一夜 「うるきゅんふにゃん」

「どうしてそんなに明るいんですか?」

知らんがな。

大人レディな私は「何故でしょうね」と笑いながら(その場に沿った)正しい答えを考えました。脊髄反射で会話できるタイプではないので頭の中はフル回転。眉間にシワを寄せ必死に考え出した答えは

「そんな明るくないですよ、自宅では電気を消して膝を抱えているタイプです」

笑いを取りに行くべきか!と相手との距離感を測りながら。だって初対面だし。感じよく思われたいし。

本当は、明るく擬態しているだけ。ポジティブの皮を被ったチー牛(言ってみたかった)なんですよこれでも。

仕事でたびたびzoomを使う私は、目もとを含め相手に与える印象について常に考えています。表情やノンバーバルコミュニケーションなど視覚情報は届きやすく、初対面ならなおさら大事。眼力があったり凄みを感じると緊張してしまうし、にこやかさを感じるとホッと心ほぐれたり。見た目から、心情や性格を探ろうとしますよね。

「どうしてそんなに明るいんですか?」

と問うたその人は、爽やかな一重まぶたと熱量のある声。お月さまのような目もと、笑いジワから感じる友好的な笑顔。私は身も心もほぐされ、3ヶ月フリーパスを契約。3ヶ月、整骨院通い放題。4万ちょっと。ちょろいな私。

お月さまのような目を向けられると、自然とこちらもお月さまに。笑顔には笑顔、悲しみには悲しみ。理不尽な怒りをぶつけられると眉をひそめますよね。表情は写し鏡。とすると、私も明るかった、整骨院の青年も明るかった。みんな明るく優しい世界・・・。

施術を受けているときにそのように言われたので、今回のことは視覚以外の情報もなにか含まれていそうです。目もとだけではないなにか。とすると、ドレミファ「ソ」のマジックか。

感じのよい声は作り出せます。少し高め「ファ」か「ソ」の音程で挨拶したりお声掛けすると好印象を与えられる、というのは接客業からの賜物。ビジュアル含めその存在が一番の広告塔、と育てられた美容部員時代の学びです。あっぱれ!

目もとの印象もそうだし声色もだし、私たちはその場に応じ、相手に与える印象を変えることができますよね。血色が悪くとも韓国コスメのトーンアップ下地は優秀だし、赤リップを塗っておけば華やかに見えるし。アイロンが効いた服はちゃんとして見え、足首の出た白いパンツにセカンドバッグは港区不動産界隈かなと思わせるし(偏見だったらごめんなさい)。私たちは、なりたい自分、見せたい自分になれちゃうんですよね。これが印象マネジメント。

ボトックスならシワを改善できますが、そうじゃない。私が欲しいのはお月さま!いいシワ、目尻の笑いジワ!それは1日ではできませんから!

だから私は常にご機嫌で朗らかで、お月さまのような目もとでありたい。いいシワ育成計画です(下まぶたのたるみや眼瞼下垂はメイクしにくいので、アイクリーム塗りぬり)。

クールな知人がいます。同じ人類か?と悩ますほどに無表情。表情筋の筋トレをして欲しい。髪色も金髪だったり銀髪だったり、メイクはしないけれど眉は全剃り。近寄りがたい風貌と相反する饒舌さ。私と違って声が低いので振動しか届きませんが、ときおり見せる「うるきゅんふにゃん」なお月さまに私もつられ「うるきゅんふにゃん」。やっぱり明るい笑顔って素敵かも。

マスク生活が長引く中、明らかに口角が下がりほうれい線が目立ち始めた私は、せめてもとトーンアップを塗りぬり。口角を上げながらお月さまになる練習をするのでした。

明るく健やかに、ご機嫌に過ごしたい私たちの合言葉。それは

「うるきゅんふにゃん🌙」

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