見出し画像

ネットで見つけたすごい音楽②急にいったいどうしたの?突然変異のアルバムたち

oOoOOというアーティストを知っているだろうか。個人的には、何かの偶然で発掘した誰も知らない奇跡の作曲者のような気がしていたのだが(覚えてないけど、きっとoを適当に打ちまくったら偶然出てきたとかだろう)、調べてみると意外と日本語の検索結果が出てきて、普通に界隈でよく知られている人だった。というか確か当時、日本で大人気とまで書いてた記事もあり、ごくごく普通の平均的な奇跡の出会いだったということらしい。いや、こんな素敵な曲を作ってる人の名が知られているのならもちろん嬉しい。

oOoOOのアルバム「Without Your Love」のジャケットを開くと月星章旗がうっすら載っているので、てっきりトルコで活動していると思っていたが、いざ調べてみると本拠地はサンフランシスコとある(トルコに自身のレーベルを作っているという情報もある)。ウィッチハウスというジャンルで制作していて、ウィッチハウスとは、Wikipediaによるとオカルトをテーマにしたジャンル。ヒップホップ/インダストリアル・ミュージック/ノイズからの影響が大きい。”魔女ハウス”という名前の通り、雰囲気的には暗めだったり、おどろおどろしかったり。幾重にもエコーがかかった沈むような重たい低音は、暗い洞窟の奥で反響している音のようでもある。調べるうち、暗めのlo-fiという形容を見つけたが、確かにそんな趣もある。

そんな彼がpcxという曲を2017年に出した。こんな曲だ。

突如発表された、曲というか短い録音。
ひたすらモーターのような音が鳴っている曲だ。pcxって名前のバイクがあるから、そのエンジンの音なのだろうか。圧のある音と言われればそうだし、ひょっとしてウィッチハウスの極地をめざしてこうなったのか、それともミニマルとか、他の何かの極地をめざしてこうなったのか? それかただの思いつきかもしれない。
記事やコメントが一切出ていないので、今のところ真相は分からない。調べれば何か分かるかと思ったが、本当に全く何の情報も出てこなかった。何か分かり次第追記していこうと思う。

2人目は、スイスで活動しているphrex。

めちゃくちゃかっこいい。なぜか海外でもあんまり知られてないようなのだが、個人的にジャケットも曲調も最高の作品だ。念願かなってこの曲を購入した時は本当に嬉しかった。

ところで、Bandcampではどんな人が作品を購入してくれたのかが分かるようになっている。作曲者からすればどんな層に受けているのかが分かるし、リスナーはファン同士の横の繋がりから、新しい好みの曲との出会いを探せる。曲を買ってから数ヶ月か1年くらい経ったころ、ふと彼の新作を覗いてみた。そしたら彼は次にこの作品を出していた。

私はアカウント名を、何のひねりもないペンネームそのままの名前にしていた。分かる人なら、日本人が買っていったと容易に推測できただろう。その経験から発想して作曲していったのだろうか? それか、その頃ほかに日本のレーベルからコンタクトがあったりしたのだろうか。そして変わらずかっこいいジャケット。
ちなみに2曲目のタイトル「ayoun jamileh」は、アラビア語で「美しい目」の意味。こっちではアラビア風の楽器とメロディが鳴らされている(知識があれば、もう少し具体的に描写したいのだが…)。

履歴を見るに、彼はこのまま伝統楽器テクノ路線で通していったわけでもなく、その後また路線を戻したようだ。Bandcampはこういうことがあるのが楽しい。他にも、スイスのアーティストからカセットと漫画を買ったら、その後黒髪で糸目のたぶんアジア人が月を眺めているカラフルなショートコミックをアップしていたことがある。これもひょっとして購入後に発想した作品なのだろうか?と思っているけど、直に聞いてないので、もちろん偶然とか勘違いの可能性はあります。

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?