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『千年女優』リバイバル上映観てきました。

今敏監督の中でも好きなアニメ映画「千年女優」が田舎でもリバイバル上映してくれるとあって、ひとりで観てきました。
元々、映画館では見ることができなかった作品なのですが、映画館だと挿入歌である平沢進さんの曲を大音響で体感できるのと、細かな動きが画面いっぱいに広がっているため、詳細を目に焼き付けることができます。

ストーリーは「時代を超えてずっと好きな人を追いかけている女の子」の話。これだけで観よう、って思えませんか。結局、会えるの会えないのって悶々としますが、最後、答えが出ますし、それは賛否両論なのですが、私は好きな映画です。最初、観た時はオチに納得できなかったのですが、鍵の君(大事なものを開ける鍵として首から下げていた→それを預かる)に会えるかはこの映画の肝ではなかったということです。

しかし、鍵の君が山寺さんの声で「満月は次の日から欠けてしまうけど、今日の月にはまだ、明日がある」とかいい声で言われたら好きになりそうだし、自分の美しいときの似顔絵を描いてくれたらずっと大事にしますよね。戦時中に出会ったというのも大きいです。初恋の偉大さよ。
銀幕の引退した女優さんが取材を受ける形で話が展開していくわけですが、どうしてか取材陣の二人が過去に入っているわけです。
そして、主人公の危機にかけつけたり。というのも、女優である彼女は自分の過去と撮影した映画の話をつなげて話していくので、ごちゃまぜになっていくのです。次々に七変化していく女優。
でも、現実のシーンにも戻って雨の音を聞きながら、静かにお茶を飲んだり、馬に乗るかのように女優さんが戦国の姫になっていたりする現実ターンがもあるので、幻想アニメではありません。今敏監督は「パプリカ」でも夢と現実が混ざっていく話を描いておりますが、リアルとアニメが揺れ動くものを追求しておられたのだな、と思います。
妄想代理人もそうですね。実写化なんてとんでもないアニメ。アニメだからこそできる表現。

ロータスは「蓮」という意味でしたか。今更ながら、取材の男が出した名刺が「ロータス社」で、平沢進さんの「ロタティオン」が入ったアルバム名はロータス2であったと、関連性にニヤニヤしていました。今敏監督と平沢氏のタッグは最強でした。もう見られないと思うと悲しいです。

映画を見てからずっと脳内で「黄金の日は一度にある、忘れた君が目覚めれば…」なんて流れております。
素晴らしい曲なので、聞いたことがない人は平沢進で「Rotation」ロタティオンと検索ください。没入感がすごい。ベルセルクの曲も歌っておられます。



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