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農業営業マン、なぜうさんくさくないか?

おはようございます。
今日のお昼はパンを買いに行くと決めているので、ウキウキしながらタイピングしているとまちゃんです。ちなお昼を食べるまでは朝。

今日は、無形商材の営業マンと、有形商材、その中でも農作物であるトマトの営業マンを、どちらも経験してきた私とまちゃんが、気づいたことについて話します。同じ営業マンなのに全然対応のされ方が違う…そう、農業だと営業マンでもうさんくさがられない!と思ったのです。
その理由は何なんだろうと考えてみました。

無形商材、有形商材…

そもそも無形商材とかって何なんw(feat.藤井風)って話ですが、
無形商材っていうのは「物理的なモノがない/または価値がモノ自体じゃない」という商品です。広告とか、ネットで受けるサービスとか、保険とかですね。教育も無形商材に当たると思います。

一方有形商材っていうのは、「物理的なモノ」があって商品になる場合です。商売を思い描くときにイメージする、古典的な商品ですよね。モノを作って売る。モノを仕入れて売る。川上でモノを製造し、そのモノのやりとりに金銭が発生するという感じです。

さて、とまちゃんはとまちゃんになる前に、無形商材を販売する会社で営業マンとして働いていました。「資格検定」を売るという仕事です。
資格検定を自社で作って、それを学生や社会人などに受験料を払って受験してもらって、回答を自社が作った検定委員会で決めている評価基準で採点して、合否結果を返す感じ。

↑この会社です。

受験してもらう際に紙に解答したり、認定証を紙で出すので物理的なモノもあるのですが、受験者はその基準にクリアしたという評価を自分が持つことを目的としているので、無形商材になります。

原価での違いがあると思うんですよ…

私がイメージする無形商材のイメージって、「原価率が売上数によって変動しやすいこと」なんです。
検定の原価の内訳としては、ざっくりと
・検定を作成する労務費(固定)
・営業マンの人件費(固定)
・採点者の労務費(ほぼ固定)
・印刷する印刷代・送料(変動) 
  ※もっと細かい費用は端折ってます
という感じで、大きい割合を占める費用が固定費になるため、例えばめっちゃ優秀な営業マンが通常の3倍の顧客を獲得してきた場合、印刷代(検定料に対して少ない)が変動するくらいで、売上に応じて費用がめっちゃ上がるってわけじゃないんです。お客様、いればいるほどいい!って感じですね。

同じ無形商材だと、保険営業とか、証券マンとか。こういった業種は、新卒社員で営業マンをかなり多く採用しますよね。営業マン採用にお金をかけて増やせば増やすほど、顧客数を増やせば増やすほど、売上を上げれば上げるほど会社への利益が多くなるから、という理屈なわけです。実際、こんな単純ではないとは思いますが…


対しての有形商材、まずはお菓子とかをイメージしてもらえればと思いますが、お菓子一個に対する原価の内訳として、ざっくりと
・企画費(固定)
・営業マンの人件費(固定)
・お菓子や箱の製造費、工場稼働費(変動)
・流通マージン(変動)
となるかと思いますが、大きい割合を占める費用は変動費ですし、売上によって増える部分です。売れば売るほど儲かる仕組みとしては、大量に作ることで規模の経済で変動費の「売上×10」となるところを「売上×5」とかに下げられるというところでしょうか…

営業マンを投入すればするほど注文が増えるかもしれないけど、工場を動かす費用も増えるので、売上に比例的に発生する費用の割合が無形商材に比べて多くなるということです。

有形商材の中でも農作物はどうかというと…
ざっくり原価内訳は通常の有形商材とあまり変わりません。


顧客の受け取り方の違い

お客さんの受け取り方の違いとしては、
商品がどんなものか分かってから買う有形商材
よく分からないから説明を聞いて買う無形商材
だと思うんです。

イメージとしては、
買ってみようができるお菓子と、
起こるか分からない事故を想像してリスクに備える保険、という感じ。

購入した結果が分かりやすかったり、一個当たりの単価やお試し用が手に取りやすい価格だったり、購入して目的を達成するまでの時間が短かったりするのが有形商材、
その対立にあるのが無形商材ってとこでしょうか。

うさんくささを細分化①

めっちゃお待たせしました。じゃあなんで営業マンってうさんくささがあるんだろう…という問いに対して言及していきましょう。

たどり着いた答えは、お客さんが「それってホントに私や自社がお金払ったら得する?」と不安を持つことだと思うんです。

有形商材は、手に取りやすさや、結果の想像しやすさ、製造過程の想像のしやすさ、もっというと原価が想像しやすいから、自分が納得して買う、買わないという選択ができるんですね。不安材料が少ないです。

対して無形商材は買って体験してみたり、結果が想像できないうちに購入・支払いというフェーズがあるので、もしかしたら自分に利益がないかもとか、自社の判断として失敗をするかも、という不安があるので、買うという行為に対して身構えたり、検討時間が長かったりすると思うんです。それを利用した詐欺もありますしね。
そして原価が想像しづらい。製造という過程がほとんどなく、人が動く人件費の費用が想像しづらいことではないでしょうか。私が買ったら私の得以上にあなたの会社の利益が大きいんでしょ、という私のイメージ…。


うさんくささを細分化②

ただね、これだけじゃ「なんで農業に関してはうさんくささがなくなるのか」について説明できないんです。

これは、営業文化と歴史の違いだと思うんですね…

原価の変動費がほとんどかからない無形商材は、売上を上げれば上げるほど利益が出るということで、営業マンが多くなり、企業間の競争が激しくなったんじゃないかと思うんです。また、無形商材自体の市場がサービス業やITが普及することによって、昔に比べて増えてくる。すると、提案する内容や価格は競合と似たり寄ったりになって、提案内容よりは、どの営業マンから買いたいか、となり、適当に提案する営業マンよりは、礼儀正しく、自分を持ち上げてくれて、自分のことを肯定して分かってくれる営業マンから買いたいと思うわけで。そういった経緯でできた「営業マンはこうするべき」という営業スタイルがある程度確立していると思うんですね。

そしてこれは有形商材にも同じことが言えて、他社と比較して買ってもらうための差別化する部分を営業にも持ってくる。

すると、「営業マンってこう」という像がみんなの中にイメージできて、ある一定の「話し方」と「提案内容」が一致したときに「あっうさんくさい商品を売られるかも!」と危機感が働いて、顧客は身構える態勢をとるんじゃないかと。
この話し方っていうのは、「極度に礼儀が正しい」「必要以上に相手を持ち上げる」とかかな…と思います。なんでこの人は知りもしない私に媚びへつらうのかなってなるんですよね。

その中でも農業って、営業のイメージがかなり少なくないですか?
それもそのはず、日本の農業はJAなどに出荷することが多く、直接自分の作物を農家自身がスーパーや飲食店に販売することってまだまだ少ないと思うんです。直接軒下販売、朝市で販売、とかは昔からイメージが強いですが、営業マンがいて、ある一定量を売ってくる、長期的な契約を取り交わす、とかってイメージがしづらいと思います。

イメージが少ないことでまず身構えないですし、さらに商品は試しやすい、想像しやすい有形商材だから、提案をまずは聞いてくれる、サンプルを食べてくれる、試験販売をしてくれるというハードルが低いと思うんです。

これが農作物営業と他商材との違いかな…と。

さらに、
農業=年配・男性 のイメージが強いので、
とまちゃん=26歳・女性 が営業をすることで
こっちでは農業のイメージを覆して、話を聞いてくれるのかなと思います。

こちらとしては、同じ商品、食品を営業しているつもりでも、「農作物」となると相手からしたら全く違う受け取り方をされていて、結果私が「営業マンなのにうさんくさがられない!みんな優しい!😢」と感じたわけでした。


これからの営業マン

営業マンのイメージってやっぱり、私が過去にやっていたり、営業を受けた時に感じる「極度に礼儀が正しい」「必要以上に相手を持ち上げる」が横行(言い方悪い)していると思うんです。

そこから逸脱して商品を買ってもらうスーパー営業マンになるには、「既存営業マンとの差別化」が必須だと思うんです。

表面上の礼儀正しさや清潔さ、一過性の褒め、過剰な媚びへつらいよりも、商品を購入することでお互いにとって利益があって、説明が論理的で透明性があって、そのための下調べをきっちりしているような、本質的に自分や自社の役に立つなと感じる提案を受ける方が、建設的な話し合いができると思うんです。

私が営業を受けるようになって話を聞きたいな、と思うのもこういった方が多かったかなと思います。変に褒められているとき、「何この時間ムダ…」と思うことがめちゃくちゃ多いので、むしろマイナスイメージだったり。

今後、農業も生産者自身が営業マンになることが多く増えると思います。そうなると、外部要因的に勝手に差別化できていた部分を、意識的に差別化を試行錯誤しなければいけない時代が必ずくる。そこに備えて、アンテナ張らなきゃなあとか、提案したい相手に対して本質的に役立つことを考えることは必須事項だなあと思います。


文章だらけのnoteを最後まで読んでいただきありがとうございます。
疲れたと思うので今日の青空を眺めて目を休めてくださいまし。
そしてこの記事はあくまでも私見でしかないので、ここ違くない!?というところがあったらぜひ議論しましょう。コメントください。


とまちゃん

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