涙に溺れる
「涙に溺れる」という表現はどこからきて、誰が最初に言ったんだろう。
「御涙におぼれ、小さく美しき御手を合はせ…」平家物語にはこう記されている。涙にくれる、激しく泣くというのを、古来から「涙に溺る」と表現されてきたらしい。
「涙に溺れる」というのは、文字通り、泳げず溺れてしまうほどの涙を流したということなのだろうか。
人それぞれ感じ方は違うけど、自分なりの「涙に溺れる」という表現が、昨日分かった気がする。
涙をたくさん流すと、鼻が詰まり、周りの音が遠くなってくかのように聞こえなくなり、頭の中にはなにか水が溜まっているかのようにぼーっとする。
泣き疲れて仰向けになってみると、それを更に実感する。まるで、体中の水分がコントロールできず溢れ出た涙の水溜りに深く落ちていくかのようにからだがそう感じるのである。どこまで落ちるかはわからない。
そのまま朝を迎えると、いつのまにか水溜りは乾いてなくなっている。「涙に溺れる」という表現は誰かの実体験に基づいて生まれたのだろうか。
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