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本を早く深く理解するための2つのノートテイク術 │ 大学生のためのトリセツ

きちんと本を読もうと思うと本の内容を書き出してまとめる(ノートする)ことは必須になる。その限りで読むこととノートすることは一蓮托生、ひとつの行為と見て取れる。
このnoteはこのような「本をきちんと読みノートすること」を便宜的にノートテイクと呼ぶ。
ここではレポート前の勉強や読書会のレジュメ作成などで役に立つノートテイク術についてまとめる。
このnoteは親記事からの抜粋と多少の修正でできている。

▼親記事はこちら


目次ノートテイクの仕方

その名の通り、目次読みとは目次を目安に読んでいくことです。目次とは本のテーマの見取り図です。ある本がどんなテーマを扱っているのかが、目次を見ればわかります。それだけではありません。目次が示す章立て、その章の「見出し」は、各章が何を書いているのか、各章で問題になっていることは何かを明らかにします。これは各章の内容は「見出し」に要約されていると言っても過言ではありません。いや、ホントは少し過言です。なので目次ノートテイクは目次の見出しを補足する様に、目次と見出しに対してノートを追加していきます。要するに目次に対して1つか2つのポイントを抜き出して書くのが目次ノートテイクです。

これは以下で紹介する具体例(特にScrapboxの参考画像)を見たほうが理解できると思います。まずは紙で取るノートから。

【紙ノート】
ノートテイク一般に言えることですが参考文献表などが結構大事なので、紙でノートをとるよりはパソコンで打ち込んで当該図書のURLを添えたほうが実用的です。ただ、紙ノートはデバイスの電源を入れずとも目次を見返すことができるメリットがあります。また、目次ノートテイクはその読解の失敗しにくさに比して読了までの時間が(後述する)読解ノートテイクと比べて大幅に短く済むというメリットもあります。
このとき目次ノートはノートに書くなら1行から2行に収めるのが大事です。目次ノートの読了までの時間の短さはノートする容量をセーブすることに由来します。できるだけ短い文章で各章、各節の解説を終えなければならないので余分な記述に気を取られること無く集中して先へ先へと進んでいくことができます。

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上の写真はチェイス・レン『真理』の目次ノートです。見開きのノートで本の半分以上の情報を完結にまとめています。この手書きノートはPCで打ち込み直してnoteにしたので、そちらも参考にして下さい。

【電子ノート】
テキストアプリなどで目次ノートを取る場合は、Microsoft wordなどで段落番号を追加して目次を書き込むと楽です。上で紹介した目次ノートや、下で紹介する読解のノートもそうですが、一度手書きしたものをパソコンで打ち込み直すのも意外と勉強になります。手書きのノートではなんとなく読み過ごしていた箇所が、「実はわかっていなかった」なんてことはよくあります。こうした抜けを再確認したり、テキストに起こす段階でノートの抜けを修正したりすることでノートの正確性を高められます。

【Scrapbox】
基本的にはwordなどのテキストアプリで十分ですが、せっかくなのでScrapboxを紹介します。Scrapboxは自分が書いたノートのタイトルを、別のノート内で [] で囲んで書き込むと、ノート間で参照関係を作ることができるアプリです。[] に動画やウェブサイトのURLを入れると普通にリンクになるので、ネット上のものを簡単に参照できるノートを書きたい場合にも便利です。例えば予め目次の章立てを [書名 何章] などにしておくとざっくり書いた全体の章立てのページから、各章のノートに飛べるようにできます。

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便利で格好いいですよね。ちなみにScrapboxはプライベートな使用や特定個人との共有の他、URLを介して全世界的に公開することもできるので、コツコツ勉強してある日突然読書ノートをバーンと公開する、なんてこともできます。

Scrapboxの紹介記事

-おわりに
目次ノートは読書の基本です。以下で紹介する読解ノートもこの延長線上にあると考えて下さい。そのため、本を正確に効率よく使うために最初は目次ノートに慣れて下さい。

なお、目次読み、目次ノートは読書猿氏の「読書の杖」の翻案に当たります。原典主義の方はこちらへどうぞ


読解ノートテイクの仕方

読解ノートテイクは目次ノートテイクよりも深い読み方をします。演習講読の授業など、授業で読解が指導されたのでない限り、レポートでここまでのノートテイクが必須というわけではありません。ですが卒論レベルになると必須ですし、レポートの内容によっては局所的に読解ノートテイクが必要になあります。

【紙ノート】
綴じられたノートにガッツリ書き込むのがおすすめです。理想的なノートは内容の要約と、解釈、当該内容に関する文献表の3点がノートされていることです。まずは各箇所の要約からやっていきましょう。

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写真はほぼ要約のみのカンタン・メイヤスー『有限性の後で』の手書きノートです。解釈や疑問点の提起はこの手書きノート以外のノートでメモしているので、そちらが合流して参考文献表が作れれば理想的な読解ノートになります。
またこの手書きノートも打ち込んで再編集し、noteとなっています。

【電子ノート】
書き込みが縦横無尽になるので、紙のノートのほうがいい場合が多いです。もし後述するやり方で本を(借りるのではなく)買った場合には、本自体への書き込みを前提にパソコンなどでノートすることも考慮に入ってきます。この場合要約、解釈、文献の三点をきちんと区別しながらノートできるようにすると尚良いと思われます。

スクリーンショット (180)

スクリーンショット (182)

参考画像は『デカルト的省察』の各節の要約と省察ごとの要約です。解釈は※で追記したりして要約とは区別しています。参考文献は問題が入り組んだときや問題の本だけでは内容がわかりにくい時など、他の文献を参照したいときに限って案内をつけています。画像では参照する文献が数えるほどなので現段階ではしていませんが、数十件の文献を扱うようになるなら注釈や参考文献リストで管理したほうがいいです。

なお、こちらも基本的には読書猿氏の「拡張レーニンノート」の翻案です。原典主義の方はこちらへどうぞ


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