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自動販売機

先日、NHKの連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」で懐かしい自動販売機を見ることができた。
それはまだペットボトルや缶ではなく、瓶のジュースの自動販売機。
お金を入れれば、瓶が取れる仕組みになっているのだが、瓶のふたを開ける栓抜きも設置されているのだ。
これを初めて見たのはいつだったのか記憶はないが、どこか観光地で見たような気がする。たぶんコーラだと思うが、初めて買った時には感動したような気がする。
田舎で自動販売機が設置されるようになったのは、それからずっと後で、近くの店先に置かれるようになった。
部活帰りにものジュースを買って、店先の縁台に座って友達をおしゃべりしながら飲んだものだ。

自転車で一時間近くかかる高校へ通学するようになると、自動販売機はとてもありがたい存在になった。
真夏の暑い時期に帰るのはとてものどが渇き暑さできつかった。しかし自動販売機で飲み物を買って一息つけば何とか家まで帰ることができた。
特に冬は暖かい飲み物を買って、ポケットに入れておけば、カイロ代わりになって暖かい。
暗い夜道も自動販売機の明かりで、寂しさを紛らすこともできた。

車の免許を取ってあちこち行くようになったり、家族で旅行へ行くようになったりして、ドライブインやサービスエリアの自動販売機にもお世話になった。
ずらりと並んだ自動販売機は、飲み物だけではなく、うどんやラーメン、ハンバーガーなど食べ物もあり、こんなものも自動販売機売るのかと驚かされた。地域限定の飲み物や食べ物を置いてあるのも楽しい。熱々のコーヒーとポテトフライが定番ではあったが、旅の楽しみの一つでもあった。セブンティーンアイスはバスツアーで温まり過ぎた体を冷やしてくれた。

実家の母が歳を取り、時々いっしょに買い物に行くようになった。
スーパーでそれぞれ買い物をして、集合場所は自動販売機の前である。
私はいつも早く買い物を済ませ、パン屋さんで母が好きそうな菓子パンを買い、母が来るのも待っている。
やっと買い物を済ませ、少し疲れた母がやって来る。
するといつものように自動販売機でコーヒーを買って、椅子に座り、母と菓子パンを食べながらコーヒーを飲む。
「何買った?」と他愛のない話をするほんのひとときのくつろぎ。
スーパーの自動販売機を見ると時々思い出す。



一時期はかなり多かった自動販売機も、コンビニが増えるとともにかなり減ってきている。駐車場にざっと並んでいた自動販売機も数が1,2台になったり減ったりしている。そういえば私自身も自動販売機で買うこともすっかり少なくなっている。
そんな自動販売機がコロナ禍の今、非接触販売できると新たにいろんな物を販売するようになっている。
今まで店頭で販売していたスィーツや野菜や果物、肉などの食べ物。他にもアクセサリーや香水、腕時計も買える自動販売機もある。地域の名産品を販売して、コロナ禍での収入減を補おうとしているところもある。
ドラえもんのポケットのように、これからの自動販売機は必要とされるものを販売していくことだろう。


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