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型なしではなく、型破りに

社会人になってから、よく日記をつけることが増えた。
一社目のNAKED時代はEvernoteに、後半から現職のGIGではGoogle KeepからNotionへと移行したが一日の終わりに良かったことや悪かったこと、次繰り返さない為にどう行動するかを簡単にまとめておくことをしてきた。

毎年それを元に振り返りと翌年の目標設定を行っているが、毎年無計画すぎて12月中に振り返りを完了できていない…。
今年こそは文字通りの師走の1ヶ月を計画的に過ごそうと思う(いや、何度目だ)

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2018年から直属の上司に勧められて毎日作業履歴をつけるようになった。
最初はお手洗いに行ったことからタバコで一服したこと、出社してまず朝食を済ませたことなど事細かに作業履歴をつけるようにしていたが、最近では日々のタスクベースで
①その日やること
②何時から何時までそのタスクに着手したのか
を主に記載していっている。

スクリーンショット-2019-12-09-1.23.40

実際に書いている画面(非公開部分はぼかしている)

これはこれでオススメしたい個人的なタスク管理手法なのだがそれについてはまた機会があればnoteにまとめようと思う。
2019年の頭にも、この作業履歴や日記を元に振り返りと弊社のSIerとして出向するメリット・デメリットをまとめた。

2019年もこれを踏まえて、更に追加で感じたSIerとして出向するメリット・デメリットと振り返りをまとめ、2020年の目標を定めていきたい。

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SIerとして出向して感じたメリット

SIerとして出向してかれこれ2年が経った。
思い返してみれば、たった2年にしては本当に多種多様な案件にジョインさせてもらってきたしその中で色々なエンジニアの先輩方や横のつながりが増えてきた。

それは技術的にも勿論そうで、フロントエンド領域のことでもバックエンドやサーバーサイドの方のロジックや思考法がフロントエンドのロジックを構築するのに参考になったケースもあるし、サーバーサイドの方と初めてSPAを構築することでサーバー側への知識やアンテナが出てきたりもした。

自社サービスから受託開発、いわゆる下請けと言われるような案件まで様々な案件に携わらせていただけたからこそサービス開発に必要なフローや資料も断然把握できた。

色々なキャリアを踏んでいる先輩方や同期と交流を深められたことで、自身のキャリアの考え方や捉え方も変わってきたことは間違いない。

中でもSIerとして出向しているからこそ感じた、得られたと思うものがざっくりと以下。

・様々な案件にジョインできる
・様々な運用方法、開発手法が学べる
・様々なフレームワークに触れることができる
・上流工程からジョインさせてもらえることもあるので、プロジェクト全体を通して思考した上での開発ができる
・横のつながりが増える

▲2018年にまとめたものがこちら▲

▼上記から一部噛み砕き、加えてこの1年で感じたメリットがこちら。▼

・サービス開発における必要資料やフォーマットの一例が学べた
・チームに合わせたスクラム開発の手法が学べた
・テスターが綿密に設計したテストケースに触れられた
・チケット管理ツールとドキュメント管理ツールの階層と紐付け方の設計が学べた
・各スプリント単位の振り返り会(KPT)の反映方法やそのレベル感も様々
・自身とは違う職の人たちの思考法やロジックの組み方に触れられた
・自身の領域外への影響も考慮する視野がより出てきた
・上司やクライアントへの提案時のコミュニケーションデザインへのアンテナが尖る
・プロトタイプの重要性
・モダンな技術や開発環境と並行して、古き良き技術や開発環境への知識や対応の大切さ
・コミュニケーションとドキュメント、それぞれが担保する責務と範囲
・合意形成のとり方
・サービスで実現したい機能の引き算

1年目は自身の領域の業務についてや技術や技術を駆使してどういうことができるのかといった基礎的な部分を圧倒的に学べる機会が多くあった。
出向先の1社目でフロントエンドのチームで開発が行えたことは今でこそとても貴重な経験をさせていただけたと思っている。

2年目は技術的なことよりも、その周辺のことや上流の付随するものに対しての知識や考えが深まった。
今フェーズで確実に修正が必要な機能はどれか、確実に実装が必要な機能はどれでその為に確実に今の段階で決めないといけない仕様は何なのか、それは誰が決めるべき仕様なのか。
ただ、自分あるいは自分のチームに割り当てられたチケットを上から対処していくだけではなく、スプリントやフェーズ単位でどの優先度でチケットを処理していくべきなのか、どのチケットが今誰ボールでいつまでに決めて頂く必要があるのか等実際に手を動かす以外の部分の考え方や進め方を学べた。

新規開発のとき、Adobe XDやFigmaで制作したデザインプロトタイプでの共有よりVuetiflyやQuasarで簡易的に実装したプロトタイプをIT環境やテスト環境に乗せていち早くクライアントへ共有する大切さをつくづく感じた。
デザインプロトタイプで実装して実機で見てもらってもあくまでそれはデザインの紙芝居でしかない。
実際に入力しそれが画面上に反映され、ユーザーアクションに合わせたトーストやアラートが表示されという一連の流れが見えないとイメージが伝わりづらいらしい。
サービス開発の時、プロトタイプの共有をせずに機能実装まで済ませたものをクライアントへ共有するとそこで初めてクライアントからデザインレビューや機能の切り出しや画面遷移レビューが返ってきてしまった為、その後の手戻りと修正の工数が圧倒的にかかってしまってテストにも影響が出てきてしまった。

また、チームとしての共通言語を作ることも大切だ。
例えば同じ『モジュール』という言葉でもフロント側とバック側でときに捉え方が変わってしまったり会話の前後で齟齬が出てきたりしてしまう。
そういったことがコミュニケーションの齟齬を発生させてしまったり進捗の遅延を発生させてしまいかねない。

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SIerとして出向して感じたデメリット

当然SIerとして出向し続けているとそれなりのデメリットも出てくる。
(あくまで個人的に感じたデメリットであって、人にとっては別段デメリットではないという場合もあると思う)

▼2018年にまとめたもの▼

・商談で伺っていた話と実情が違う
・双方の捉えるレベル感の違い
・帰属意識が圧倒的になくなる

デメリットは前回まとめたところからこれと行った変更点がない。
圧倒的にやはり感じることは帰属意識がなくなること。
もう少し噛み砕くと自社のことに対しての興味が薄れる。

企業にはそれぞれMissionやVisionというものがあると思う。
つまるところ企業がそれぞれ成し遂げたいコトや実現したい世界のことなのだろうとざっくりと感じ取っている。

所属するスタッフは大なり小なりそのMissionやVisionを実現するために各々のスペシャリティ領域で力を発揮し貢献していく。これが企業という生き物なのだろうなと思っている。

その中でSIerとして出向しているとどうしても帰属意識や自社に対する興味関心というものは薄れていきがちなのだろうとより感じた1年だった。
理由は様々あるがざっくりと①帰社すること(理由)がない②メンバーとの交流が圧倒的に減る、この2つだと思う。
SIerとして出向するということはすなわち朝10:00から夜19:00まで出向先のオフィスにいて作業に従事するということになる。
すると当然自社オフィスに戻る機会は圧倒的になくなるし、何ならその理由すらもなくなる。
弊社は月に1度全社会議がある為、確実に月に1度は帰社するがそれでも圧倒的に少ないと感じている。

2つ目は、社内メンバーとの交流が圧倒的に減るということ。
弊社には部活動システムがある為、希望すれば様々な部活に参加することができるし業務外の時間でも多く交流を取ることができる。
それでも新しく入社したメンバーのことは把握しづらいし、徐々に関わりやすいメンバー同士のコミュニティも構築されてきているのだなと感じて関わりづらさなども感じざるを得ないと思っている。
(あくまで個人的に感じたことでしか無いので、これが全員に当てはまるとも思っていない)

もし弊社と似た環境でSIerをするエンジニアの方がいたら少しでも参考になれば嬉しい。

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2019年振り返り

2018年の時点で、2019年は自分がやりたいコト・方向性を少しでも見つけるということが大きな目標だった。
自分が「特別な何者かなのだ」とかそういう大それた程のことではないが、今後エンジニアの技術を使って何がしたいのか、エンジニアとしてどういうキャリアを描いていきたいのかのディテールをもっと詰めたいと感じて定めた目標だった。
特に弊社に参加している業務委託のエンジニアの中には、起業しているエンジニアも多く、同期も最終的なキャリアパスが描けているメンバーに恵まれすぎている為、余計に決めないといけないとさえ感じていた時期がある。


2019年は、自分がエンジニアとして開発に手を動かすだけではなく、上流工程や開発を進めるにあたって必要な資料の用意、チケットの進め方といったプロジェクト全体ひいてはサービス開発全体に関わるフローや工程に触れさせてもらえたし、考えることができた1年だった。
国際的な大きな案件にも関わらせていただけたし、その後も大手からの受託開発でフロントエンドとして関わらせていただけたことはとても大きかった。

上司と2人体制でフロントエンドチームを運営できたことや、出向先のフルスタックエンジニアの方にレビューしてもらえて、エンジニアとしてもより深いところまで考えながら実装を心がける良いきっかけにも繋げられた。

VueやJAMStackの日本Slackに参加させてもらったり、GDG DevFestにも参加したりとエンジニアとしても勢力的な活動が行えた1年だったと感じている


一方で自社の社内では、2018年から加速度的に採用が進んでいて、もう毎月の全社会議で戻る度にますます浦島太郎感が増していくほどにスタッフが増えていったりしていた。
そんな中で多少なりともオンボーディング活動に参加させてもらったり、過去に弊社で行っていた完全社内勉強会の復活をさせてもらったりと、エンジニアリング外での活動にエンジニアリングを通して学んだ考え方だったりフレームワークを当てはめて自分なりに動いてみたりと開発外のところでの活動にもなるべく精力的に参加した。

2018年の1年間はまずフロントエンドとして自身の責務を全うすることに全力を注いでいたしその為の学習に多く時間を割いていた。
2019年は自身が実装したコードが与える影響範囲やサービス開発に必要な周辺準備を学ぶ機会が多く、読む記事や本もそこに注力することを開始できた。


ただ、この過ごし方には多少の覚悟も必要だった。
目標を定めることが目標ということは小さなゴールがないということだからだ。
過ごしてみて一番感じたことだが、細かいゴールが決まっていないとどうしても息切れしてしまう。
大きく「方向性を決める」という目標を設定したとしても、息切れを起こさないように周りのヒダを小さな目標設定としてつけるように今後はしていこうと学んだ。

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2020年の目標

職業訓練校でHTMLやCSS、IllustratorやPhotoshopを学び、エンジニアになってからかれこれ4年目に入った。
この2年の出向で、SPA開発にも慣れてきてサービス開発も出来るようになってきた。

SPAに必要なFluxパターンや、CSS設計、アジャイル開発の手法や既存サービスの改修、沢山のことをこの2年の出向で出会ってきた多くの先輩方や仲間に恵まれ、教えていただけてきたと感じている。

また、弊社に入社してから1年目は3~4回ほど弊社主催の勉強会にも登壇させてもらい日々学んできたことをアウトプットしてきたが、2019年はQiitaやnoteを通してアウトプットすることが増えてきた。

2020年は公私共に実現したい目標が沢山あるが、エンジニアとしてはこの3つをテーマとして1年また頑張っていきたいと思う。

・フロントエンドとして深みを増す
・発信する能力を高める
・より多くの種類の案件にジョインする

まだまだ目標項目自体は煮詰めていきたいので、1月はじっくりとそれを見定めて書き出していくことをまずは行いたいと思っているが、まずはこの3つを意識して今年1年も頑張っていこう。

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