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のらねこ、がんばれないのは自己責任と申されましても困る

よく、“がんばりは自分次第” “がんばれないのは自己責任” などと言います。

たまに、「がんばればできるのに、なんでがんばらないの?」などとSNSに書き、炎上してしまう人もいます。
というのも、がんばれない人の中にはちゃんと “がんばれない理由” というものがあって、そしてその中には、自分のせいじゃないものもあるからです。

家族が嫌がる・からかってくる、友達がサボろうと誘ってくる、誘惑が多すぎる、先生が教えてくれない、反対される、お金がない、時間がない。

仮に、これらを『なんとかできなかったのも自分のせい』だとしても、こうした妨害が世の中に存在すること自体は自分のせいじゃありません。
そこまでは面倒見きれんよ。さすがにさ。

また、この “妨害” なるものの中にはかなり致命的なものだってあるわけで、「世界平和を謳う努力がしたいけど、戦争が始まったから無理!」なんて状況で、無理やりゴリ押ししたせいで殺された人だって現実にいるんです。
そういった意味で、努力に対するあらゆる妨害を全て自己責任と呼ぶのは、どう考えたって無理筋です。

。。。じゃあ、がんばりたいのにがんばれない人は、いったいどうしたらいいのでしょうか――??

いつもお読みいただいている方、あるいは初めての方、久しぶりの方、皆様ありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

がんばりたいと思ってはいるのに環境・状況が許してくれない。努力させてもらえない。
そのくせ成果が出ないと後で怒られる。
そういった悪い環境にいる人に足りないのは、気に食わないヤツを殴る腕力ではありません。

“目標管理スキル” です。
人間はがんばれば必然的に邪魔が入るものであって、それは最初からそういうものなんです。

この のらねこに何ができる? では、だったらそれらにどう立ち向かえばいいのかをお伝えすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ分かりやすく、面白くお伝えする趣旨になっております。

現在は “のらトレーナーは新しい習慣作りができる?” シリーズをお送りしています。
僕が目標管理のプロとして提唱している目標管理法であるシルフィウスメソッドを、分かりやすく解説します。

全体の執筆計画:
1. 新しい趣味を始めために必要な3つの期
2. やる気の高さを自分で計測する
3. 目標とは何か
4. 新しい趣味には邪魔者が付き物(今回)
5. “好きな気持ち”は自然に高まるわけじゃない
6. マンネリ防止にはスキルツリーを作ろう
7. しばらくすると“飽きる”人の特徴
8. 自分でハードルを上げすぎてやめる人

過去のバックナンバー


1. がんばろうとすると入る妨害の分類

社会ってぇもんは、努力すればどんな願いもスルッと叶うかってぇと、決してそんなことはございやせん。
努力には妨害がつきもので、その妨害にはいくつかの種類があります。
無論、それらの妨害には “対処” というものをしなければいけないわけですが、その方法だってさまざま。

でも、対処法がケースバイケースで全然違ったとしても、だいたいザックリな分類は可能です。

妨害1. 社会的権利・権限・立場に関するもの

極端な例を言います。
たとえばあなたが、「自宅でアダルト男優・女優として動画を撮影し、手っ取り早く金儲けがしたい」と思ったとします。
もちろんこれを読んでる方の99.9%はそんな夢ないと思いますが、あくまで “あまり健全とは呼べない例” ということでご理解ください。

で、世の中には、こうした不健全な夢を持っても許される人と許されない人がいます

許されるのは、一人暮らしの人、アダルト産業に拒否反応を示す親族がいない人。
そりゃあ「アダルト俳優になりたい」なんて言ったらだいたいビックリされるでしょうが、ビックリされつつも最終的に許されてしまう人はいます。

反面、そういったものに対する拒否感が強く、「絶対にダメ」と言って譲らない親族がいるケースだって当然あるでしょう。

ここで言いたいのは、夢を持つ権利は決して平等ではないということです。
そう。

夢見る権利は平等じゃないんです。

だとすると、もう少し健全な夢であれば、みんな平等に持つことが許されるでしょうか?

健全なら大丈夫?
ホントに?

「自宅でケーキ屋さんがやりたい。人口調味料を一切排除した、自然志向の天然ケーキを売りたい」

これは誰でも自由に持っていい類の夢ですか?

お菓子の知識がない人でも?
ケーキが大嫌いな親族がいても?
天然自然のものは安全、という主義に傾倒していても?
誰がどんな形で夢見ても、順当にがんばれるし、問題は何もないですか?

法的に許されるかどうかではなく、環境に許されるかどうかです。
法的に許されるかどうかでいえば、日本国民は間違いなく平等です。

だとしても、周囲に許してもらえない人は当然います。
夢とは、その夢を見始めた段階で持っている社会的権利・権限・立場が、妨害の要因となることもあります。

バカにしてくる親族が多かったり、あるいは理解のない友達が多い人なんてのは、ハードルがさらに上がるでしょう。
生まれついた環境によっては、これらへの妨害に対する対処に、人よりも多くの労力を要すものもあるのです。

妨害2. 金銭に関するもの

また、お金がなくてがんばれないこともあります。

たとえばファッションデザイナー。
この夢は、どんな人でも平等に努力ができる類のものでしょうか?

そんなことはないですよね。

親がミシンをかなり使いこなしていて、被服に関する本が山のように自宅にある人。
親がファッションに一切興味がなく、本1冊から針1本から自力で入手しなきゃいけない人。

実際、ファッションデザインはかなりお金のかかる趣味です。
個人的な試算ですが、本気でプロになれるくらいの努力をするなら、月に数万ずつお金が飛んでいきます。(特に材料費)
ファッションデザイナーは、親に頼れない人が夢見るにはかなりキツい目標です。

もっと分かりやすい例だとカーレースのドライバー。もっとキツいです。
金持ちのお坊ちゃんじゃないと、夢見ることすら許されません。
でなきゃ練習することがそもそも物理的に不可能ですからね。

で、こういったことに理解のない人は、「じゃあ働いてお金を貯めてからやればいい」とか簡単に言います。
「夢を見るのに年齢は関係ない」とはよく言うし、それ自体はその通りだとは思うものの、でもそれはそこそこのレベルで構わない場合の話。

その夢の高さによっては、夢のタイムリミットは確かに存在するんです。

とりわけ、勉強のための本を買うお金は、どんな趣味でも継続的に必要なわけです。
特に仕事に活かすことが目標であればなおのこと、「貧乏でも夢見ることはできる」はちょっと違うわけです。

妨害3. 人間関係に妨害される場合

たとえば。
“野球” という趣味は、誰にでも幅広く門徒を開いている趣味でしょうか?

これも違いますね。
友達がいない人が1人で野球を楽しむのは無理があります。
そういう人は、野球をやる以前のメンバー集めに、ときとして数年単位の長い時間を要すことだってあるでしょう。

とりわけ、野球をすでに長く続けている人が、練習すらできず悩んでいる人に「それも努力のうち」などと言おうモンなら、常識で考えてガチギレさせてしまいます。

逆に1人でやる系統の趣味は、頻繁に友達が遊びに誘ってくる人には厳しいかもしれません。

人間関係は、特定の趣味を長く続けるうえで妨害になりやすいものです。

2. 妨害は“あって当たり前”、問題は“どう対処するか”

とりわけ、自力ではどうしようもない妨害にぶち当たったとき、多くの人はその趣味自体をあきらめてしまいがちです。
「ちょっとやってみたかっただけだし、、、止めとく」とか考えてね。
こういうとき、メリット・デメリットを正確に勘案した結果であれば、止めとく選択もアリな気がしてしまいます。

でも、本当にそうでしょうか。

その趣味をもし止めずにちゃんと始めていたら、生涯年収にどれくらい影響したでしょうか。
または仮に年収への影響がなかったとしても、続けていれば人生時間のうちの “ハッピータイムの割合” は、少なくとも増加したのではないでしょうか。

たとえば僕の場合、趣味で長らくイタリア語をやっていますが、この趣味がエンジニアという仕事に影響を与えています。
一見するとエンジニアの仕事にイタリア語は全く関係なく感じますが、長く続けたことで “普通の日本人にはない発想法を獲得する” という部分で、仕事の役に立っているのです。
無関係な趣味もけっこうやっとくモンだなと思いました。

対処法1. 社会的立場・お金の問題がある場合

自分1人ではどうしようもない問題にぶち当たったとき、大事なのは過去に同じ悩みを解決した人を探すことです。
あなたの悩みがどんなに奇特で稀有なものでも、だからってその悩みが人類史上初なんてことは、そうそうあることじゃありません。
同じ悩みを抱え、そして実際に解決した人は必ずいます。

昔は、いるからと言って見つけられるとは限らなかったものですが、今はインターネットがありますから、自分と同じ悩みの人を検索で探すハードルはかなり下がっています。
これは積極的に活用すべきでしょう。

それからもう1つ大事なのは、目標をクリアすることを目的にするために、目標のレベルを落とすこと。
100センチの高さのハードルが難しければ、50センチに下げれば「クリアした」という実績が作れるんです。

この、目標のレベルを落とす、ができない人は世の中に多いです。
「そんなのクリアしたことにならない」「レベルを下げるなんてプライドが許さない」「それはなんか違う」と感じる人もいます。

。。。違いますよww
そういうことじゃありません。

下げるのはあくまで “中間目標のレベル” です。
あなたの頭の中におそらくあるであろう、最終目標のレベルを下げるのではないし、むしろ最終目標のレベルを下げてはダメです。
最終目標のレベルを下げたらがんばる意味がなくなりますし、そもそもそんなことする必要も必然性も全くありません。

  • “目標をクリアした” という実績を作るために

  • クリアできる中間目標を間に挟む

のです。
このあたりの中間目標の上手な使い方は、先週の記事に詳しく掲載しているので興味があれば読んでみてください。

たとえば先にアダルト俳優になりたい人の例を出しました。
が、その目的は『手っ取り早く金儲けする』ことでした。
この人は多分、自分の身体的魅力が金になることを知っているのでしょう。

であれば、親族の反対を振り切って無理にアダルト俳優を目指さなくても、魅力を金に換える方法は他にいくらでもあります。
YouTuber とか、映画のエキストラとかなら、他の方法よりはとっかかりやすいでしょう。

でもこれは、リスクの高い方法を取る前段階の中間目標として低リスク低リターンな方法を選んでいるだけで、別に最終目標をあきらめて別のに変えているのではないんです。

なので、何か妨害があって本当にやりたいことができないときは、「今のところどこまでならできる?」と捉えることが大事なわけです。

対処法2. 人間関係の問題がある場合

特に学生さんや新人社会人さんなんかは、『友達に誘われたら遊びに行くのを断りにくい』という経験がある人も多いでしょう。
もしくは、『そこそこになるまで、同居中の家族に知られずレベルアップしたい』人とか。

人間関係というのは、その人と縁が切れない限り状況は変わらないのですから、対処法を考えないと「まぁ今日はいいや、、、」となって、やがて「今日もいいや」「明日もいいや」と、どんどん自分に甘くなっていきます。

このとき上手く断れない人は、『誰に対しても使える万能の言い訳』を探していることが多いです。
そんなもの、常識で考えてあるわけありません。

そうじゃありません。
あなたが趣味などを続けていくにあたって妨害となる人物がいたとしても、そういう人が何十人・何百人といるわけないです。
通常、妨害となる人物は具体的に1人か2人のはず。

仮に多くても理屈の上では7人が最高で、それ以上いる人は、避ける必要がない人物を無駄に労力を使って避けている可能性が高いです。

あなたが努力するにあたって人間関係が妨害となる場合、その人個人に対する言い訳を考えることが大事です。

いわゆる “言い訳” と呼ばれるものは、

パターン1. 理論的に秩序だてて説得する
パターン2. とにかく感情に訴える
パターン3. 囮(デコイ)を使って煙に巻く
パターン4. とりあえず1回殴って泣かしとく

など相手の性格によって様々で、どの方法が効果があるかは相手によって違います
また、非人道的な方法論でなければ対処不可能な相手というのも、現実問題として実際いるにはいるのです。

どのパターンでも幅広く使える言い訳など、考えるだけ時間の無駄です。

3. あきらめることが 許されない としたら?

妨害の回避方法が上手く思いつかないとき、それでも手段をひねり出す方法として有用なのは、「もし、あきらめることが許されていないとしたらどうする?」と考えてみることです。
『あきらめる』という選択肢があるから『あきらめたくなる』のであって、だからあきらめないためには、その選択肢を自ら封じてしまえばいいんです。

実際そんなことができるのか。
できます。問題ありません。

事実、飛行機のパイロットは、職務上絶望することをルールで禁止されています
だって、パイロットが絶望したら飛行機落ちちゃいますからね。
そんな無茶なルールを敷いても、世界の各航空会社は特に問題なく巧く回っています。

つまり人間は、“ルールで禁止されれば絶望することも止められる” んです。

別に最高の手を今すぐパッと思いつく必要はありません。
飛行機のパイロットと違い、あなたの人生は落ちても死にません。
人生時間の完了まで、じっくり考えればいいのです。

それが、いわゆる “あきらめない” ってことなんじゃないかなと思うのです。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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