小路の猫のとなりにしゃがむ

買い物へ行く途中の小路に猫が座ってた。
この辺り担当の骨太男子(鈴声)である。名前は知らない。

小路脇の畑をちょこんと座ってた眺めていた。
庭先を眺める人のように、畑の方を眺めていた。
何見てんの、と隣にしゃがみ込めば、「にゃーん」と額と毛だらけの体を擦り付けてきそうになるのを、まあまあ、いいからいいからとなだめ透かして視線の高さを合わせる。

無言で座り直す毛玉男子の鼻筋辺りをかりかりしながら

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のらねこさんのせかいへようこそ♪

はじめまして。

私は看護学生をしている30代の女です。

子どもの頃、絵が好きで将来は絵を描いて生きていきたいな~、漫画家になりたいな~なんて思っていました。

しかしながら、そんな甘い夢はどうせ叶わないと、諦めて、夢も希望もない人生をずっとおくってきました。

自暴自棄になって、自堕落で、無気力な生き方をしていました。

20代といえば、一番活力がある時期なのに、何にもありませんでした。

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見送らせてくれた彼女

5年前からうちの敷地を通っていた彼女。
小柄で顔は怖いし、人間が近づくとシャーシャー威嚇。
保護しようとしたが何度も流血させられたので断念。
過去によほどひどい目に合わされたのだろう。
最近は体調が悪そうにしていたが、けさ段ボールの中で冷たくなっていた。
人目につかないところでなく、すぐ見える場所を選んだのは、少しは信用されてたということだろうか。
お寺でお葬式をあげ、最後に撮った写真に思いを馳せ

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のら猫社会 -3-

それからも、のら猫はのら猫らしく変わらずにやって来た。
最近は餌を食べた後に美味かったかと声をかけると、カカカッと掠れた声で鳴いて返事をするようになった。無意識に手を伸ばせば、歯を剥き出して威嚇はしてくるけれど、日中はほとんど何処にも行かないで、俺の使用済み-如何わしいことなんかひとつもない-毛布の上で、丸くなって寝ていることが多くなっていた。

生活は相変わらずだ。
髪の毛は伸びっぱなしで、貯金

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のら猫社会 -2-

「お前、誰と喧嘩してんの」

言いたいことはたくさんある。
けれどいつも、行き着く先は同じ。

ーーーなんのために生きてんの

傷だらけの姿をみて黙っていられる程、心が死んでいなかったことに安心した。

少し前まで、ゴミ箱は相変わらず荒らされていた。毎日袋を取り替える羽目になって、治まることのない気配が漂ってきて、さすがにどうにかしないとなと検索してみたのだ。そこで、動物病院で捕獲機を借りれること

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のら猫社会 -1-

日々が巡ることに、うまく感情を沿わすことが出来ない。

人間ある程度、陽の光を浴びなければ死に絶えていくと知っていても、朝日が上ってくること、夕陽が沈んでいくことに、感激できる余裕なんてどこにもない。

どうでもいい生活。
それが現在(いま)の日常。
生きることを放棄しているような、投げやりな毎日。
外に出る用事と言えば、ベランダにあるゴミ箱の袋を取り替えるくらいで、
それも大家がうるさいから仕方

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