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のらねこ、趣味のマンネリ化を防ぎたい

新しい趣味・新しいスキル習得を始めた人は、その内容を問わず、大部分がだいたい3ヶ月くらいで脱落するといわれています。
なぜなら、それくらいで趣味がマンネリ化するからです。

以前は楽しかったのに段々『ただの作業』のように感じる。
まだまだ全然初心者なのに『もうやることがない』と感じる。
などなど。

ですが反対に、世の中には1つの趣味に何年も取り組み続けている人だっているわけです。
そしてそれらの人々と普通の人との違いを、素人は『努力する才能があるかどうか』と安直に考えてしまいがちでもあります。

なぜマンネリ化は『普通の人々』にだけ起こるのでしょうか。
趣味が長く続く人は、どうやってマンネリ化を防いでるんでしょうか――。

いつもお読みいただいている皆様、あるいは初めての方、久しぶりの方、どちら様もありがとうございます。
僕は目標管理Webサービス Project Sylphius の開発・運営をしています、TOMCAT HEART の中島です。

がんばりたいのはやまやま。でも何事にも熱が入らない。
飽きっぽい。そして飽きっぽい自分が嫌い。

そういう人達に本当に必要なのは、飽きずにいられる状況ではありません。
“目標管理スキル” です。
目標が管理できていないから飽きてしまうのだし、目標管理が正しくないから楽しくならないのです。
人はみな、目標が管理できていれば何でも楽しむことができるようになるのです。

だとすると、その目標管理とは何をどうすることなのか?
この のらねこに何ができる? では、そのノウハウを皆様にお伝えすべく、僕自身が計画して僕自身でやってきた様々なことを、なるだけ分かりやすく面白くお伝えする趣旨になっております。

現在は “のらトレーナーは新しい習慣作りができる?” シリーズをお送りしています。
僕が目標管理のプロとして提唱している目標管理法であるシルフィウスメソッドを、分かりやすく解説します。

全体の執筆計画:
1. 新しい趣味を始めために必要な3つの期
2. やる気の高さを自分で計測する
3. 目標とは何か
4. 新しい趣味には邪魔者が付き物
5. “好きな気持ち”は自然に高まるわけじゃない
6. マンネリ防止にはスキルツリーを作ろう(今回)
7. しばらくすると“飽きる”人の特徴
8. 自分でハードルを上げすぎてやめる人

過去のバックナンバー


1. マンネリ化の原因: スキルツリーの使い尽くし

20世紀以降、心理学は人類の脳の秘密を次々と解き明かし続けており、最新の研究では “そもそも楽しいとは何か” を定義することすら可能になっています。
その研究によれば、楽しいとは『今までできなかったことが、新たにできるようになった』という感情なのだそう。

つまり人間は、努力して新しい何かをつかみ取ることを、「楽しい」と感じるようにできてる、ってことですね。

もちろん多くの人は、新しく習得したことだけでなく、すでに習得済みの物事に挑戦しても楽しむこともできます。
たとえば、得意なゲームは何十回やっても楽しいです。
そのような、すでに高レベルな人が低レベルな挑戦を楽しむことを、昨今では 俺TUEEE と呼びますよね。
ですがこれは『自分が高レベルであることが確認できて嬉しい』という感情であって、厳密にいうとこれは “楽しい” とは少し違うんです。

それが証拠に、俺TUEEE はすぐ飽きます。
物語の世界では、『俺TUEEE をやりたいがために初心者つぶしを趣味にしている人』がしばし登場します。
主人公がそういう人物にやられかけて反撃する物語は、定番の1つです。

が、現実社会ではそんな人はほとんど見かけません。
これは初心者つぶしは割とすぐ飽きることだからです。
現実社会で初心者つぶしを長年楽しんでいる人がいたら、その人は本当の意味で心底意地が悪いです。

俺TUEEE は、何度も繰り返していると『ただの作業をしている』ように感じ、楽しくなくなります。
そんなときは練習のレベルを上げて新しいことにトライしないと、楽しいと感じられる状態には戻りません。

ですから、いつもやってることが『ただの作業』であるように感じたら、それはシンプルに頭の中の “やることリスト” が空っぽになったってことです。
まぁ、当たり前ですよね。

この、頭の中のやることリストのことを、スキルツリーといいます。
(また教育学では 知識の構造ネットワーク といった呼び方もあり、それも同じものです)

スキルツリーとは、自分がその趣味を完全マスターしていくにあたっての、練習項目の一覧のようなもの。
たとえば以下はギターのスキルツリーの例です。

ギター
|
+-- ギターの構造の知識
|   |
|   +-- チューニング
|   |
|   +-- 各部位の名称
|   |
|   +-- 手入れの仕方
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+-- 理論
|   |
|   +-- 課題曲の選び方
|   |
|   +-- コード理論基礎
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+-- 初心者の練習
    |
    +-- 基本のストローク
    |
    +-- 弦の押さえ方
    |
    +-- 指1本が入れ替わるだけのコードチェンジ
    |
    +-- 指2本が入れ替わるコードチェンジ
    |
    +-- 指3本が入れ替わるコードチェンジ

ギターの入門者は最初の3ヶ月くらいでこれくらいを学び、そしてプロのギタリストともなればツリーが膨大なサイズを誇ることになります。

ですが半面、入門し始め1週間目のよちよち赤ちゃんのツリーは、ここに書いてあるよりもさらに小さいはずです。
にもかかわらず、新しい情報を仕入れもせず、その小さなスキルツリーを覚え尽くすことにばかりがんばってしまったら、どうなるでしょうか。

当然ながら、初心者のはずなのに「もうやることがない」ってことになったり、場合によっては初心者レベルにも満たない入門者のくせに「完全に理解した」などと感じてしまうことになるのです。

2. スキルツリーの作り方

ですからスキルツリーは常に更新して、どんどん大きくしていかなければいけません。
やり方は、本を読んだり、Web検索したり、人に聞いたりと、人によって様々でしょう。
ポイントは「あ、これやってみようかな」とか「ちょっとやってみたいな」と感じる情報を、とにかくたくさん集めること。

最初に入門書を1冊買ったきりで新たな情報を仕入れない人は、独学者の場合だと最初の3ヶ月目くらいで “スキルツリーの使い尽くし” が発生します。
情報収集を3ヶ月サボると、理屈の上では趣味は必ずマンネリ化します。
なので独学者は、『3ヶ月目を乗り越えること』が1つのボーダーです。

また、独学者ではなく教室にお金を払って通ってる人でも、『半年目』か『2年目』のどちらかで、1度は『もうやることない感』を経験します。
教室に通っている人は、「先生が次を教えてくれる」と信じて能動的な情報収集を怠る傾向があるためです。

どんなに凄い世界一の超教師に師事している人であっても、スキルツリーの更新は自力でやっていかなければいけません。
なぜなら、努力をするのは先生ではなく自分自身だからです。
そのあたりは教室に通っている人も、独学者も同じです。

スキルツリーの更新を怠るべきでないもう1つの理由としては、とりわけ『初心者が最初にやるべき』とされる練習の中に、完全習得まで何年もかかるものが珍しくないという事情もあります。

  • 言語学習の “単語をたくさん覚える” こと

  • ギターの “コードチェンジ”

  • イラストの “基本の線画描き”

  • ボクシングの “シャドーイング”

  • サッカーの “体幹を鍛える訓練”

これらの練習は、ある程度のレベルに達しないと次に進めないため、初心者のうちにそれなりにがんばっておく必要があります。
にもかかわらず、どこまでやっても終わりがないため、1つの練習ばっかりやっていると精神的にツラいし、ぶっちゃけ飽きます。

そうしたとき、“基礎練習への飽き” を防ぐ意味で、別のトレーニングも用意する必要があり、だからスキルツリーは自主的にどんどん大きくしないといけないのです。

3. スキル1つ1つに必ず目標を設定しよう

とりわけ基礎トレーニングと呼ばれるものほど、どれだけ練習して上達しても際限がないことは多いです。

たとえばイラストを描けるようになりたい人が、“基本の線画描き” をやるとします。
その人がもし「基本の線画を完全マスターするまでがんばる。それまでこれ以外やらない」と考えていると、おそらくは老衰で死ぬまで達成は不可能でしょう。
なぜなら、世の中には『上には上がいる』ものだからです。

ですので際限のないトレーニングほど、自分独自の目標地点を決めることが重要です。

  • 言語学習であれば「単語を〇個覚えたら終わり」

  • ギターであれば「基本的なメジャーコードを覚えたら」

  • イラストなら「フリーハンドで誤差の少ない直線が引けたら」

などなど、目標を設定しないと、いつまでたっても次にいけません。

ですが中には、この『とりあえずの目標』が決められない人もいます。

自分独自の目標ゆえに「これが正解なのか分からない」と感じたり、
あるいは目標を決めること自体を「自分の限界を勝手に決め、低い目標で満足すること」だと思い込んでいたり。

そうじゃありません。

決めるのは『とりあえず当面の目標』です。
最終目標じゃありません。
これは社会的に正しい必要などないし、ましてや努力をやめていいラインを引くのとも違います。

ちなみに:
努力をやめていいラインのことは ギブアップライン といい、これは目標値とは全く違う概念です。
一般的な趣味では、ギブアップラインは “心が壊れる直前” くらいの極端な設定がよく、また日々の目標値とは全く無関係に設定するのがいいです。

もし自分独自の目標が決められないなら、“これを達成したら自分にご褒美をあげていい” といったマイルールを設定するのもいいでしょう。

4. 「エイヤ」は必要な人と不要な人がいる

ただ、スキルツリーは常に大きくし続けなきゃいけないといっても、努力のスピードに対してツリーばかりが大きくなりすぎるのもよくありません。
スキルツリーとは、あくまでも “挑戦する” ことを目的として集めるものだからです。

挑戦する前段階で、ある程度は整理しておいた方が効率はいいのですが、だからといって何年分もの膨大な情報を仕入れる意味はありません。
未挑戦のスキルツリーは、あまり溜まるとそれはそれで個別の管理が必要になり、余計面倒くさいことになります。

なので情報を仕入れてばかりで挑戦に足踏みしがちな人は、「これはできそうだな」と感じた時点で「エイヤ」でやってみるのも大事です。
ポイントは、“できそうだと自分が感じた順” に取り組むことです。

練習は、“世間的にやるべきとされている順” でやるとだいたい失敗します。
あくまでも “自分が「できそう」と感じた順” がいいのです。

ですが逆に、情報をあまり仕入れず勢いでやる人は、「エイヤ」で始めるとだいたい3ヶ月くらいでやることがなります。
そういう人は、意識的に情報を仕入れ、スキルツリーを更新することが大事です。
『情報収集をする』ことを習慣にすることも、趣味を長く続けるためのポイントの1つになってくるでしょう。

どちらであるにしろ、頭の中のスキルツリーを適切に管理することが、つまりは正しい努力をすることでもあるのです。

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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