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「ジャムバンド」の魅力

「ジャムバンド」というものを知っているだろうか。
基本的には普通のロックバンドなのだが、曲中の間奏部分等を各々がアドリブで演奏するスタイルのバンドである。
この手のバンドは楽器演奏に重きを置いているため、一曲通してボーカルが無いインスト曲も多い。

さて、これは私の昔の経験だが、あるところで「アドリブをやる意味が分からん。プレイヤーが好き勝手やってるだけじゃん」いった意見を見たことがあった。なるほど、これはこれで分からない話ではない。
しかしジャムバンドの魅力を「理解」することでまた新たな音楽の楽しみ方ができるかもしれない。
そこで、この記事ではジャムバンドの魅力というものについて書いていこうと思う。


ジャムバンドの魅力とは

一般的なバンドが行うライブの魅力はレストランの料理のようなものだと思う。つまり「完成された綺麗な料理を楽しむ」というもの。
対するジャムバンドの魅力は「キャンプで食べる料理」という感じだ。厳密なレシピが無いため多少粗削りな面もあるが、よりライブ感があり、妙に美味く感じる。

これを踏まえてもう少し具体的に魅力を書いてみよう
・アドリブを多用するため、同じ曲でもライブごとに違った演奏が楽しめる
・場合によっては途中で別の曲に切り替わるなど、予想外の展開にときめく。
・前述のように楽器演奏に力を入れているバンドが多いため、演奏自体が好きなリスナーには刺激的。
・プレイヤーも筋書きが無い中演奏するため、必然的に感覚的・右脳的にプレイすることになり、より精神的な演奏を聴くことになる。バッチリハマれば非常に感動的な演奏になる。

要するに一般的なバンドよりも「Don’t think! Feel.」なのである。
以下でいくつかジャムバンドを紹介してみる。有名どころはある程度抑えつつ、趣味と直感で選んだものになる。
なお、アドリブを多用する影響から長尺の曲が多い(1曲で20分を超えることもボチボチある)。これは事前情報として知っておかないと面食らうかもしれない。

ジャムバンドを紹介する

①Grateful Dead(グレイトフル・デッド)

やはり一発目はこのバンドだろう。ジャムバンドの走りと言っていいレジェンドバンドである。
ただ、バカテクが珍しくないジャムバンドの中では決して派手な演奏とは言えず、創始者的評価が入っている感もある。しかしながら、このゆるく、ピースフルなグルーヴ感の心地よさは本物である。なお、他のジャムバンドも大なり小なりこのゆるさが入っているものが多い。

②Joe Russo's Almost Dead(ジョー・ルッソズ・オルモスト・デッド)

前述のGrateful Deadのカバーバンドである。こういったコンセプトのバンドは多数あるが、このバンドは特に元気が良い演奏をする。テクニックも圧倒的。個人的にはリードギタリストの「Tom Hamilton」のプレイが大好きである。
あえて①と同じ曲をチョイスしてみた。

③Phish(フィッシュ)

このバンドもジャムバンドの大御所である。前述のGrateful Deadよりもロック色がより強い。終始タイトかつハイクオリティな演奏が繰り広げられるが、どこか友人的な、身内的なゆるい雰囲気が隠れているようにも感じる。

④String Cheese Incident(ストリング・チーズ・インシデント)

非常に大人びたジャムバンド。洗練された、高級感ある音が気持ちいい。

⑤BIGFROG(ビッグフロッグ)

日本のジャムバンドもいくつか紹介しよう。まずはBIGFROG。知る人ぞ知る日本代表のジャムバンドである。Grateful Dead系のグルーヴだが、もっとモダンな演奏である。
残念ながら現在はこれといった活動は見られない。休止中だと思われる。

⑥Dachambo(ダチャンボ)

よりハードでサイケ色の強いバンドである。ちょっとマニアックなフェスなどによく出ている。2021年のフジロックにも参加している。
ノリが良い演奏が好きな人には刺さるかもしれない。

⑦Indus&Rocks(インダスアンドロックス)

3ピースジャムバンド。ややマニアックな感もあるが、実力派で個人的にもかなり好きなバンド。フロントマンの黒澤次郎氏の超絶ギターが光る。どこか爽やかなところも良い。
2023年現在も関東を中心によくライブを行っている。


いかがだっただろうか。もちろんジャムバンドというのは上記以外にもたくさんある。何となくフィーリングが良く感じたなら、一段詳しく調べてお気に入りのバンドを探してみると良いだろう。

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