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時間も資源である

 どうも無自覚に長時間職場にいることが癖になってしまっているようだ。あるいは、土日に職場に行って、平日に終わらなかった仕事をやることが当たり前になっている。当たり前になると、怖い。

 感覚も慣れてしまう。朝から晩まで、土日関係なく、職場に行ってしまう。そうすると、常に何かに追われている気分になる。すぐに、イライラしてしまう。イライラしている自分にもイライラしてしまう。感情が悪循環だ。

 心も、体もしんどくなる。

 そんな状態を何年も続けていた。

 だからこそ、生産性を上げることが大切なのだと今実感している。

 生産性を上げることが「しんどい」働き方から、なぜ抜け出す一歩になるのだろうか。ちきりんは生産性を次のように定義する。

生産性は「インプット=希少資源」と「アウトプット=手に入れた成果」の比率として計算されます。つまり生産性とは投入した希少資源(時間やお金など)に対する成果の割合(比率)であり、希少資源がどれだけ有効に活用されたかというレベルを表す指標なのです。

  つまり、インプット(時間・お金などの資源)に対して、どれだけ成果が出たのかということである。その比率が高ければ高いほど、生産性が高いということだ。

 時間も資源なのである。

 この感覚をもつだけでもだいぶ働き方が変わっていくのではないだろうか。

 時間も資源であるからこそ、そこに投入した時間の分だけ、成果が出ているのか。単なる自己満足で終わっていないか。時間=資源だからこそ、成果が上がる、言い換えれば、生産性のある時間を過ごしているのかという視点をもつことが、需要な気がする。

 やり方を考えればいいのに、時間だけがどんどん過ぎていく。今までのやり方の方が楽だ。新しいやり方は試行錯誤の時間を伴うし、慣れていないから、想定外のこともある。しかし、それを一度習得してしまえば、時間が短縮される。何か、時間をかけることだけに価値を置いて、単なる自己満足で終わっていないだろうか。

 それは、仕事に時間をかけ過ぎるということだけではない。研修もそうだ。

 インプットとしてセミナーに行ったり、研修を受けたりすることは、自己研鑽の良いきっかけとなる。けれども、それだけで満足していないかということだ。有名な団体や著名な先生の話を聞いただけで学んだ気になって、レベルアップした気になっていないかということだ。

 大事なのは、インプットすることだけでなく、自分の実践としてかたちにしていくことだ。あるいは、学んだことを視点にして、自分の実践を振り返っているだろうか。インプットのみの自己満足に陥っていないかということだ。それは、予備校で有名講師の授業を受けて、それだけで満足している受験生時代と同じだ。大事なのは、受けっぱなしではなく、復習し、自らのものにしていくことだ。

 時間は資源なのだ。生産性が上がる振り返りは、やったことだけにとどまらない。そこにどんな資源を投入したのか、その結果、どうだったのか、そこに意識的になることだ。

 今年は、それほど「しんどく」なかった。気持ちの余裕がある今だからこそ、やったことだけでなく、自分の時間の使い方を見直そうと思う。


<参考文献>

ちきりん『自分の時間を取り戻す』、ダイアモンド社、2016、p.134



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