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XD部勉強会Vol.10 - 「小さな文具ができるまで」増井あづみさん

XD(エクスペリエンスデザイン)部のTOMIOKAです。こんにちは。
社内で勉強会を行った様子をレポートします!

増井さんの手がけた文房具たち

実施概要

日時:2023年8月25日(金)17:30-18:30 
場所:GLIP(トヨタコネクティッド東京オフィス)のマルシェスペース
実施:オンラインとオフラインのハイブリット開催🤗
内容:「小さな文具ができるまで」
講師:増井あづみさん

増井あづみさんプロフィール
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、コクヨ株式会社に14年勤務し、
筆記具などの文具製品と子供向け玩具の商品開発に従事。
傍らでジュエリー制作を学び、 2013年より自身のブランド「ma-products(マープロダクツ)」を開始し、
2021年に独立。 女子美術大学非常勤講師。
受賞歴 GOOD DESIGN AWARD BEST100 他。

増井さんが制作されたジュエリー「ma-products(マープロダクツ)」

講演内容:(事前告知内容)
今回は、総合文房具メーカーコクヨで文房具を作り続けてきた増井あづみさんをお招きして、小さな文房具ができるまでの道のりをお話ししていただきます。企画から試作品を作り、検品から納品まで一貫して手がけられているお話は、私たちが普段関わっているプロジェクトの進め方と、今回お話いただく文房具作りのプロセスとの比較から、ものづくりやサービスを作ることに対するヒントや気付きを得ていただけると思います。


勉強会の様子

文具の商品開発とは


元KOKUYOで15年ほど勤務されていた増井あづみさんに、文具の企画をしたり調査段階から、実際に棚に販売されて配置されるまでの流れをご説明いただきました。

増井さんが商品開発をご担当されたシャープペンシル「enpitsu sharp」
太さが数値だけではイメージできなさそうということで、商品写真が印刷されたパッケージ

文具業界では、例えば鉛筆だと〇〇社が強い、ノートだとCampusノートシリーズのあるKOKUYOさんが強いなど商材によって、ポジションが変わるらしいです。そういったマーケットの中で、ガチンコで対決するのか、それともユニークなポジショニングを目指すのかを、その商材ごとにアサインされた担当者が考えて商品開発の方向を掴んでいくということでした。

ガチンコ VS ユニークポジション


商品開発の流れ

文具は小さいので、パーツを自分で分解したり組み立てたりをして、最初のイメージに沿ったものを作っていき、それを元に機械で試作を繰り返したり、ユーザーへの調査を行ったりして、徐々に解像度を高めていくそうです。

商品開発の流れ2

そこから金型の製作をして、商品の試験をたくさん積み重ねて、デザイナーである増井さんも担当商材についてはご自身で実際にパーツが組み立てられるのか、ズレはなくネジが入るのかなど念入りに確認されるとのことでした。なんという泥臭い開発!!(増井さんご本人も泥臭い開発の裏側とおっしゃっていました)

オンラインでの勉強会の様子

また、商品を開発してからもお客様の声で改良を重ねた例も教えていただきました。カッターのキャップ部分が、力の加減で外れてしまうことがあるとのことでキャップの入れる方向を90度変えることによって安全性を高めたという事例です。
確かに、自分がカッターを使っている際にキャップが外れることが今までありました!

カッターの商品改善のはなし


トヨタコネクティッドでは実際に車自体を作ることはなく、主な業務が車載器などの中身のソフトウェアの開発になりますので、実際のモノの製品開発の流れについて学ぶことがたくさんありました!

勉強会中に実際のタフピタを触るメンバーの様子


山ほど出た質問🥳


弊社メンバーからは、かつてないほどのたくさんの質問が飛び交いました。以下、質問の例です。

<質問>チームは何人くらいですか?
☜最初は私と工場の人くらいです

<質問>一つの商材の開発でメンバーはどれくらいいるのでしょうか?
☜品質調達と、安定供給等の担当は別にいるが、開発業務については基本的に一人で細かくチェックしてみている。文房具は小さいから一人でできるのが醍醐味。

<質問>針を使わないホチキスのように技術が分かってないとできない方向と、ユーザーはこういうものが欲しいと思われるというようなユーザードリブンの方向とどちらも一人で担当しているのですか?
☜人によって、ガチガチの研究系だったり、得意領域によって担当することが変わってくることが多い

<質問>耐久試験めちゃめちゃ時間もお金もかかりますよね?
☜ノックの耐久試験はロボットだったりはしますが、芯をノックした後に芯を入れるみたいなのは人がやったりすることもある。

<質問>店頭とオンラインの販売の割合はどんな感じですか?
☜商材によって結構違います!ファイルだと会社にどさっと納品されるとかもあるし、toBとtoCで結構違うかもしれないが、toC商材の場合、数年前だと店頭の方が多かったかなと思います。

<質問>企画開発のフェーズでカッターのイメージを工具から文具へというのはユーザー調査では出てこないアイデアなのかなと思うんですが、どういう活動によってそれが生まれたんですか?
☜売れる法則はないです!とにかく考えるしかない。売り場をめちゃくちゃみて、他社のものを使いまくったり他社の人とも協業しながらみんなでアイデアをだして、数打ってくやり方が多いです。

おまけ

大変わきあいあいとした勉強会になり、最後はみんなで集合写真を撮りました。文具の実物も持ってきてくださったので、実際にシャーペンやタフピタを触らせていただくこともでき、交流も深まりました!
みなさんKOKUYOのファンなのかなと思われる言動も数多くとびだして、ファンミーティングのようでした。

みんなで集合写真


さらにおまけ


たまたまマルシェの椅子がKOKUYOさんの椅子でした笑
タフピタという強力マグネットの商品を見本で勉強会に置いてあったのですが、ABEさんがそれらをマグネット部分で合わせて持ってしまい、取れなくなって焦っている図

また、次の勉強会も企画開催していきたいと思います。
またレポートしますね!

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