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Wicked Part7 : Dorothy Arrives

Scene 2-7: Dorothy Arrives
Scene 2-8: Elphaba vs Glinda
Scene 2-9: No Good Deed

Scene 2-7: Dorothy Arrives

エルファバ
 「綺麗になりたい」

フィエロ
 「どうしたんだい?」

エルファバ
 「あなたのために綺麗になりたいのに。」

フィエロ
 「エルファバ、、」

エルファバ
 「お世辞は言わないで。噓をつく必要はないわ。」

フィエロ
 「嘘なんかじゃないさ!
  君には素敵な所があるんだよ。
  いつかグリンダとも仲直りして、
  僕らはまた、、」

エルファバ
 「しー!今の聞こえた?」

(小さな悲鳴が遠くから聞こえる)

エルファバ
 「誰か怪我をしているみたい。」

フィエロ
 「ただの風だよ。」

 (また悲鳴が聞こえて)

エルファバ
 「私の妹だわ。危険な目にあっているのかも。」

フィエロ
 「どうしてわかるんだい?」

エルファバ
 「なぜかわかるのよ、、」

 (息をのむ)

フィエロ
 「エルファバ、大丈夫かい?
  何かあるのか?」

エルファバ
 「これよ!見える?」

フィエロ
 「どういうことだ?
  何か見えるのかい?」

エルファバ
 「全然意味わからないけど、、
  家が見える、、飛んでる?
  ネッサの元へ行かなくちゃ!!」

フィエロ
 「一緒に行くよ!」

エルファバ
 「来てはダメよ!
  危険すぎる!」

フィエロ
 「いいかい、聞いてくれ!
  キアモ・コに僕の家のお城があるんだ。
  今は誰も住んでいなくて、
  警備がいるくらいだ。
  使ったことがないんだよ。」

エルファバ
 「あなたはどこに住んでいるの?」

フィエロ
 「違うお城だ。
  キアモ・コなら隠れるには最高だ。
  トンネルや秘密の通路もある。
  そこなら君は安全だよ。」

エルファバ
 「私たち、また会えるわよね?」

フィエロ
 「エルファバ、いつでも会えるさ。
  空に飛んでる家だって見れるんだからね。」

(二人は抱擁を交わす。
 エルファバは走り去る)

Scene 2-8: Elphaba vs Glinda

(グリンダが舞台にいる。
 背景には家があり、黄色いレンガの道が見える)

グリンダ
 「そうよ、この道をずっと行けばいいの。

 (客席側に手を振る)

  ああ、道に迷わないといいけど。
  私は道案内がとても下手だから。

 (家の方に向き、近くの花を摘んで
  家の前に置く)

  ああ、ネッサ。」

 (エルファバが現れる)

エルファバ
 「なんて悲しい光景ね。」

グリンダ
 「私たち、もう一生話さないと思ってるんだけど」

エルファバ
 「妹のことを思い出せるものが欲しいの。
  残ったのはこの靴しかないのね。
  かわいそうな小さい農家の娘が
  これを履いてあの世に行ってしまうのね。
  少しだけ、一人にさせてほしいの。
  わたしの妹に別れをつげるために。」

(グリンダは後ろへ下がり、
 エルファバは家の前に歩く)

エルファバ
 「ネッサ、ほんとにごめんね。
  どうかわたしを許してほしい、、」

グリンダ
 「エルフィ、、自分を責めないで。
  お家が降ってくるなんて恐ろしいけど、
  アクシデントは起こるものよ。」

エルファバ
 「これがアクシデントだって言うの?」

グリンダ
 「そう!まあ、ちょっと違うかもだけど、、」

エルファバ
 「ならなんだっていうのよ?」

グリンダ
 「ええと、、政権交代よ。
  奇妙で予期せぬ運命のいたずらによるね、、」

エルファバ
 「晴れた空からサイクロンが急に現れるとでも?」

グリンダ
 「わからないわ。ほんとに、、」

エルファバ
 「ええ、分かりっこないわよね!
  あなたは皆にいかに全てが素晴らしいって
  伝えるので忙しいもんね!」

グリンダ
 「私は今じゃ見世物なのよ。
  みんなに期待されているのよ、、」

エルファバ
 「嘘をつくことを?」

グリンダ
 「勇気づけることをよ!
  あなただってその小汚い古びたホウキに乗って
  飛び回って何をしているわけ?」

エルファバ
 「泡に乗って移動したりは出来ないのよ。
  誰が作ったんだっけ?ウィザード?
  そりゃそうよね。そうじゃなくても
  彼はそういうことにしてるでしょうね」

グリンダ
 「そうよ。私たちってほんとに
  自分にそぐわないものばかり
  手にしていると思わない?」

エルファバ
 「待ちなさいよ、あなたみたいに
  おめでたい頭した人には
  彼みたいな人が私みたいなのを選んだなんて
  理解が難しいでしょうね。
  でもそうなったの。それが現実よ。
  そのバカげた杖を振ったところで、
  それは変えられないわ!
  彼はあなたのものじゃない。
  あなたを愛してなんかいない。
  今まで一度もね!
  彼は私を愛しているのよ!」

 (グリンダはエルファバをビンタする)

エルファバ
 「気が晴れたかしら?」

グリンダ
 「ええ晴れたわ。」

エルファバ
 「よかった。私もよ。」

(エルファバはグリンダにビンタをし返す。
 グリンダは杖を振りかぶり、
 エルファバはホウキを手に構える。
 互いに攻撃し、互いに武器を落とす。
 がむしゃらに絡み合う。
 グリンダはエルファバの帽子をはぎ取り、
 帽子でエルファバをたたきだす。
 ガードが乱入してくる)

ガード
 「やめろ!ウィザードの命令だ!」

(エルファバを捕まえる)

エルファバ
 「やめて!はなして!」

グリンダ
 「はなしてよ!
  あとちょっとだったのに!」

ガード
 「遅くなって申し訳ありません。ミス。」

エルファバ
 「あなたここまで落ちこぼれたのね!
  私の妹を殺してまで私を捕まえたわけ?!」

グリンダ
 「そんなつもりではなかったのエルフィ!」

 (フィエロがロープに掴まって現れる)

フィエロ
 「その緑の女の子を離せ!」

グリンダ
 「フィエロ!一体どうして?!」

フィエロ
 「離せと言ったんだ!
  さもないと、ウィザードのガード達が
  優しいグリンダが人を殺すのを見ていたことを
  オズの住民に説明するぞ。」

グリンダ
 「フィエロ、、」

フィエロ
 「離せ。」

(ガードはエルファバを離す)

フィエロ
 「エルファバ、行け。行くんだ。」

エルファバ
 「いやよ。あなたも一緒に。」

グリンダ
 「フィエロ、お願い、、」

フィエロ
 「早く!行くんだ!」

(エルファバはためらっている)

グリンダ
 「行って!」

(エルファバは走り去る)

ガード
 「こいつをとらえろ!」

グリンダ
 「待ってどうして?何をしているの?
  やめなさい!
  私の命令よ!わからないの?
  私を傷つけようとはしていないわ。
  ただ彼は、彼女を愛しているのよ。」

フィエロ
 「グリンダ、すまない!」

ガード
 「こいつをそこへ上げろ!
  魔女の行き先を言うまでポールに縛っておけ!」

(ガードはフィエロを連れていく)

グリンダ
 「そんな、彼を傷つけないで!お願い!
  フィエロ!!」

Scene 2-9 : No Good Deed

エルファバ
 「フィエロ!!!」

(エルファバは呪文の本を焦りながら開く)

 ♪ ELEKA NAHMEN NAHMEN ATUM ATUM ELEKA NAHMEN
  ELEKA NAHMEN NAHMEN ATUM ATUM ELEKA NAHMEN

  彼の肉よ引き裂かれるな
  彼が血に染まらないように
  彼を痛めつけるなら 痛みを感じさせるな
  骨が砕けないように どんなに殺そうとしても
  彼を死なせないように 死なせてはだめ!

  ELEKA NAHMEN NAHMEN ATUM ATUM ELEKA NAHMEN
  ELEKA NAHMEN NAHMEN ATUM ATUM ELEKA... ELEKA...

  ああ!これでいいの?
  何を読んでいるかわからない
  どれを試せばいいかも分からない!
  フィエロどこにいるの?!
  もう死にかけているのかも
  私の心がめちゃくちゃになっていく

  良き行いはすべて罰せられ
  慈愛の行いは怒りを買う
  良いことは罰せられる
  これが新しい信条よ
  
  良いと意図したものが
  結局導く先だから

  そんな良いことも
  咎められるのよ!!

  ネッサ、、
  ディラモンド博士、、
  フィエロ、、
  フィエロ!!

  一つの問いが私を悩ませる
  表わせないほど頭がいっぱい
  私はいい人になりたかったの?
  ただ注目されたかっただけなの?
  どんなに良くても冷たく見られるなら
  全てがそうなら
  こういうことでしょ
  
  どんな良いことでも罪なの
  救いは避けられる運命
  何をしても罪なのよ
  
  よく言ったもんだわ
  今までを見ればわかるでしょ!
  もう十分よ それでいいわ!
  好きに咎めればいい、、

  オズ中に認めさせるわよ
  私が邪悪な魔女だとね
  フィエロあなたを救えなかったから
  もう良い行いはしないと誓うわ
  もう二度と!
  金輪際 私はしない!
  二度と!!