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【体験記】放送大学→国立文系大学院受験 ~出願決意から出願大学院決定まで~

私は放送大学に三年次編入し、2年半かけて卒業しました!
せっかくなら卒業研究(=卒業論文)を書いてみようかな~と思い、卒業研究履修を申請、申請が無事通ったあたりで、せっかくなら大学院にチャレンジしちゃう?と思い、大学院受験を目指しました!
なんとか無事に?2022年4月から国立の人文系大学院に入学できることになりました!(国立大学の人文系博士前期課程です)
放送大学(もしくは通信制の他大)から他大の大学院を目指したいという方はいると思うのですが、とにかく情報がインターネット上にないんですよね。特に人文学で社会人学生ってものすごく少ないようで、情報がない!ですので、私の体験をここに記しておこうと思います!

一応、「それでお前はどんな人間なんだよ?」と思われそうなので、簡単にプロフィールを書いておきますね。

スペック:アラフォー、女性、独身、IT系企業の正社員、通信制大学卒
     TOEIC685
    (リスニング最高点は430、リーディングはいつも200点台w)
     HSK5級(190点)※中国語の勉強は専攻に関係なく趣味です。

放送大学での2年半については別の記事に書いてますので、ぜひお読みください。

1.いつ大学院受験を考え始めたか

放送大学の3年次編入した2019年10月当初は、大学院に進学することは一切考えておらず「4大卒になりたい!」と思って入学しました。30代半ばでしたので、就職に有利とか全く考えていなくて、「海外に住みたいけど、高卒だとビザが取りにくいと聞いたので、4大卒になろう。いつ海外移住するかはわかんないけど。」くらいでした。

あとは、放送大学入学以前に2つの大学に通って単位を取得しており、卒業に必要な単位124単位のうち、46%分の単位はすでに取得していました。なので、「あとちょっと勉強したら4大卒じゃん?」と思って、もったいない精神から入学したというのもありますw 

ではいつ、大学院受験を考え始めたか。これは卒業研究の履修申請をしたときですね。放送大学では卒業研究という名前ですが、指導教員の指導のもと、卒業論文を書くことができます。この卒業研究は、履修したい年度の1年前に申請します。私の場合、2021年に卒業研究を履修したいと考えていたので、2020年の夏に卒業研究の事前申請を行いました。このときに「卒業研究をやってみて自分でそれを面白いと感じられたら、大学院に行こう。」と思いました。

2021年の9月くらいから卒業研究に本格的にとりかかり、2021年11月の頭に卒業研究を提出しました。働きつつ、1か月ちょっとで書き上げたので大変でしたwww でも、書くことがもともと好きなことと、好奇心旺盛なので、意外と楽しめました。ここで「大学院に出願しよう!」と決心しました。決心したのが遅いですねw たぶん他の大学院進学希望の方は春くらいから動いていると思いますw

2.なぜ放送大学の大学院に進学しないのか

放送大学には学部と大学院があり、大学院には修士課程・博士後期課程があります。放送大学にも修士課程があるので、そのまま進学してもいいかな~とも思っていました。

しかし、授業科目案内をみると、放送大学の修士課程の人文学コースでは、専門科目が10科目程度しか開講されていません。私の学部の卒業研究の指導教員だった先生は、修士課程でも、指導教員をされているのですが、私が卒業研究を通して感じたのは、「もっと深く知りたい!」ということでした。
修士課程を卒業するには30単位取得しなければなりません。1科目2単位と考えて、15科目以上ということです。人文学コースで開講されている専門科目をすべてとっても10科目です。不足単位は他のコースの授業で埋めなくてはいけなくなります。でも、修士課程でやりたい研究にそれ(他コース科目)は必要あるのか?と考え、だったら専門科目の開講数が多い他大を目指そうと思いました。

2021年の春くらいにはこのことに気付き、他大の大学院を受けたいと、放送大学の卒業研究の指導教員の先生に相談しました。指導教員の先生曰く、「人文学で大学院に進む人は少ないので、国立大学でも定員割れしている大学院が多い。英語力などで足切りはしない大学院も多いよ。それやってると、受かる学生が減ってしまうから。」とのこと。英語力がいまいち高くないことが懸念点でしたが、英語ができなくても、大学院受験ができるかも?!と思い、いろいろと他大の大学院を調べはじめました。

3. どうやって出願する大学院を選んだか、どこに出願したか

よく「他大の大学院を受験するのは学歴ロンダリングしたいから」という意見を目にします。実際そういう人もいるとは思います。国立に絞った理由は学費面と人文学で大学院に行こうとすると国立に研究科が設置されていることが多いと感じたからです。
私大で人文学の研究科が設置されている大学もあるのですが、私の専門分野と近い研究をしている教授がいらっしゃらない場合が多かったです。そういう大学に出願したところで、「指導できる範囲内ではない」となると、受験料を支払っていたとしても、落ちる可能性が高そうだったので、やめました。というか、意味ないですよねw あと私大の学費はかなり高い&採用人数が少なめだったことも私大を選ばなかった理由です。

私が大学院選びで重視した項目は下記です。

①自宅(東京下町)から1時間程度で通える範囲にある大学院
②私の大学院での研究計画の指導をしていただけそうな指導教員の先生がいる大学院
③派遣留学など、留学制度が充実している大学院
④卒業論文提出と面接だけで受験できる大学院
⑤出願時に語学試験の結果を提出しないですむ大学院

①自宅(東京下町)から1時間程度で通える範囲にある大学院

→2022年3月現在新型コロナウイルスの感染拡大はまだ収まらず、東京都では連日1万人近くが感染している状況ですので、おそらく4月の授業開始以後もオンデマンド授業やZoomなどを活用した授業、対面での授業など様々な形式での授業となると考えられます。とはいえ、いつこのコロナ禍が終わるかは予想がつきませんので、「はい、明日から全部通学です~」となったことを考え、1時間程度で通える範囲の大学院に出願しようと思いました。

②私の大学院での研究計画の指導をしていただけそうな指導教員の先生がいる大学院

放送大学の指導教員の先生もおっしゃってましたが、「毎年、その研究テーマの指導教員はうちにはいないよね?」という内容の研究計画書で出願してくる学生がいるとのことでした。その場合、やはり落とすとのことでした。

大学院によってもルールが多少違うのですが、自分の研究したい内容を、自分が指導を希望する教員の方に事前に相談することができます。私は卒業研究に追われて、事前相談をし損ねたのですが、これをやってる人多いそうです。
春~夏くらいに、指導を希望する教員の方にメールを送り、研究室訪問をお願いするのが一般的だそうです。現在はコロナ禍ですので、オンラインでの相談になる可能性もあります。
先ほど挙げたように、「指導できない内容での出願」というのは痛いです。なので、不安があれば事前に相談するといいと思います。

大学院によっては、事前相談を必須としている場合もありますし、逆に事前相談は一切禁止という大学院もありました。大学の大学院入試を担当している窓口に問い合わせ、事前相談をしてもよいか確認するとよいでしょう。

大学の先生は自分のメールアドレスを公開されている場合も多いです。その場合はメールを送って連絡します。もしメールアドレスが公開されていなかったら、入試の窓口に連絡し、担当教員の先生に事前相談したい旨を連絡しましょう。電話で確認したところ、大学院入試の窓口を通じて取り次いでくださるようでした。

「事前相談はした方がよい」とよく書かれているんですが、私は事前相談をしない状態で合格できました。大学院側にも事前に確認をしました。「事前相談をした、していないということは、合否判定には一切影響がありません」とのことでしたので、不安がないor忙しくてできないとかの場合は無理しなくてもよいかと思いますが、ご自身の状況で判断されるといいでしょう。

③派遣留学など、留学制度が充実している大学院

私は留学を経験したいなと中学時代からずっと思っていましたが、経済的な余裕もなく、また中学高校時代は勉強が嫌いでしたのでやりませんでした。英語は20点台(100点満点中)とかもざらにあり、親からも「勉強できないのに留学できるわけないだろう」と言われ、結局諦めていました。自分は馬鹿だから勉強できないんだろうなぁ~と思って、高校卒業後に入学した大学をすぐにやめ、20代になってすぐ働き始めました。その後、とあるきっかけで中国語を勉強しはじめたら面白くて、中国語の試験(中国語検定・HSK)を受けたりしてました。試験に合格することが自信につながりました。「なんだ私、意外と勉強できるじゃん~!」って思えました。

2020年の年末に、HSKのウェブサイトに「奨学金で無料で学べるオンライン留学生募集」というものが掲載されていました。年齢制限ギリギリでの応募でしたが、「オンラインだけど語学留学できる!」と飛びつきました。無事、合格し、2021年春から夏まで、上海の复旦大学で中国語を学びました。毎日朝起きて2コマ分勉強することで、目標にしていたHSK5級にも合格することができました。
これも私の意識を大きく変えました。
「今度はオンラインではなくて現地へ留学したい!」と思えたんです。

そこで、大学院で留学できそうな大学を探しました。ほとんどの国立大学では留学に力を入れているので、困ることはないと思います。修士課程は2年間しかないので、留学してる暇ないじゃん!と思い、ここは長期履修学生制度を利用して修学年数を3年間にし、2年次に留学に挑戦しようと思いました。大学院の面接でもその話をしましたよ~!

④卒業論文提出と面接だけで受験できる大学院

大学院の受験のスタイルは主に2つの種類に分かれます。

A:筆記試験や語学試験+面接試験(口頭試験)
B:卒業論文提出+面接試験
※どちらの場合も研究計画書の提出は必須だと思います。

院試というと、Aを想像している方も多いと思います。専門分野についての筆記試験に回答して、その点数の結果と、面接試験の点数を合わせて、判断されるというやつですね。

ほとんどの大学院では、夏~秋ごろに第1回の試験としてAを実施、その後冬に第2回の試験としてBを実施というスケジュールだと思います。

私は筆記試験は苦手だし、どの範囲がでるかわからない試験は結構きついと思いました。また、英語も中国もすごくできるというわけではないので、語学の試験も受けたくなかったんですね。
なので、必然的にBの卒業論文提出で出願することにしました。

よく、「社会人のための大学院受験のスクール」みたいなのってあると思うんですが、人文系で受験スタイルBだったら、そういうスクールに通う必要ないかもしれないですね。研究計画書の書き方もあまりよくわからずに、とりあえず、こんな感じ?って内容で出しましたが、特に面接で研究計画書の内容について深く触れられることもありませんでした。

ただ、先に述べたように放送大学では、卒業研究(卒業論文)の履修は前年度に申請が必要です。卒論を書かなくても卒業できる大学はたくさんありますし、放送大学でも卒論を書かない人がほとんどです。履修しても、書き上げることができず諦める方もいらっしゃいます。ですので、放送大学からBの方法で他大の院を受験するという際には、計画性をもって前年に履修申請をしなくてはいけません。気を付けてくださいね!

⑤出願時に語学試験の結果を提出しないですむ大学院

→大学院の出願書類について調べていると、TOEICやTOEFL、,IELTSなどの英語の試験スコアを提出しなさいと書いてある大学がありました。大学院というと英語力を問われると考えてる方も多いと思いますし、実際入学後には英語の論文や、専門分野の語学に関する論文に触れることも多いと思うので、必要なのですが、今現在の英語力が低いとここで心が折れてしまいますよね。。。
でも、調べてみると、語学試験のスコアを提出しない大学院も結構ありました。ここなら私でも出願できるぞ!と思いました。

結果、2校まで絞り込み、そのうち1校に合格、1校は不合格でした。

4.スケジュール(私の場合)

私の1年間の大学院受験に関するスケジュールを書いておきます。

2021年春 大学院を調べ始める。
2021年夏 いくつかの大学院の募集要項を取り寄せたり、
     ダウンロードして読む。
2021年秋 卒業研究に全力。
2021年11月 出願する大学院を2校に絞り、
       出願する大学院の募集要項を読み、必要な証明書などを
       確認する。
       大学院での研究テーマに悩む。
2021年12月 証明書類の発行依頼、出願書類の作成、研究計画書作成
2021年1月  2校に出願する。
2021年2月上旬  2校の試験を受ける。1校は完全に全く手も足もでずw
        もう1校は面接の時点で入学後の話をされ、好感触。
2021年2月下旬 合格発表。面接の感触がよかった大学院に合格! 
        入学手続き書類が手元に届く。

※2021年3月中旬までに入学手続き書類を大学へ送ると入学意思があるとされます。2021年4月中旬くらいから授業開始となるようです。

これはあくまでも私の場合です。他大の院に進むことを考える場合、3年の終わりくらいには志望校を決め、4年生になった春以降に研究室訪問などをして、研究テーマについて指導教員の先生に相談したりするようでした。
そのまま、受験スタイルA(筆記)で夏に受験して、夏の時点で合格をつかみ取るパターンが多いのかな?
通学生の大学では卒論の提出締め切りは1月とかだったりするみたいで、放送大学の卒論の提出締め切りの11月頭締め切りというのはかなり早いようでした。

5.最後に

放送大学から国立大学の大学院を目指したいという方は結構いるんじゃないかなと思うんですね。放送大学は正規の大学で、卒業すれば通学生の大学と同じように4大卒になれます。でも、「放送大学なんかから国立に出願?(冷ややかな視線)」とか大学側に思われてるんじゃ?とか心配になりますよね。でも、私受かったので、どうにかなると思います!
とにかくよく調べて、心配なことがあれば、問い合わせてクリアにしていくことが重要です。

あと社会人として通学生の他大の大学院に行く場合、会社との兼ね合いもあると思います。私は、出願したあとに会社に「実は」と打ち明けました。会社はびっくりしてましたが、「あなたの選んだ道だし、授業がどんな感じになるかとかわかったら相談して」と協力的でした。もし非協力的だったら転職しようかな?と思っていましたが、どうにかなりそうです。

ただし、平日の昼間に授業とかになる可能性もあり、勤務を週4とか週3に減らすとなると給料がガツンと減る可能性は十分あります。その場合は、うちの会社は副業OKなので、他のアルバイトと掛け持ちして、収入をキープする作戦で考えています。もしくはフレックスでコアタイム無しの会社に転職かな。。。

6.おまけに

「学歴ロンダリングじゃん」と言われたら、まぁそうかもですねぇって感じです。他人がどう思ったとしても、私はやりたいことがあるから、やりたいことができる大学院に行くだけだなって感覚です。
「人文学なんてそれを活かして就職できるわけじゃないのだから、大学院で学ぶ意味がない」これもよく聞きますが、私は仕事のある社会人なので関係ないですね。大学院卒になって高学歴だからってそれでどこかよい企業に入りたいというのが目的ではないんです。
就活する必要もないので、社会人の方で純粋に研究していきたいと思ってる方に、社会人大学院生って向いてるのではないかな?と思いました。
あと、人文学系の先生方は国立に多く、私立ではそこまで充実してない印象でした。例えば私は「文化」を専門にする予定ですが、私立では「文学」がご専門の先生しかいない、、、とかもありました。
あと学際系であることも重要でした。

最近だと大阪大学は、大学院文学研究科と大学院言語文化研究科を統合し、5つの専攻(人文学/言語文化学/外国学/日本学/芸術学)から成り立つ「大学院人文学研究科」を新設しました。
https://www.hmt.osaka-u.ac.jp/important/2021/12/202241.html

人文学は必要ないと言われる中で、このように人文学の研究科を重視し、新しくしていく大学院もあるんですよねぇ。

今ロシアがウクライナ侵攻しています。
「ウクライナはナチスだ!だからロシアは特殊作戦で、ナチスからウクライナを救うんだ!」という理由で、ウクライナに侵攻し、戦争を繰り広げているわけですが、もし歴史をしらなければ、「へぇ、ロシアは偉いなぁ」くらいに思ってしまいますよね。でも、歴史を学び、ナチス・ドイツが何をしたのかを理解していれば、ロシアの言い分に対して違和感を感じるはずです。

もし、誰もナチス・ドイツのことを、文書などで記録してなかったらどうなるでしょうか?人は同じことを何度も繰り返してしまいますよね。

私たちは人が過去にしたことを記録し、保ち、後世に伝え、自分が活きる時代においてそれらを活かしていくことで、よりより社会を目指せると私は思ってます。

なので、人文学LOVEです!
大学院は大変だと思いますが、頑張ります~。

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