見出し画像

#6 イスラム世界の大きさを体感する

ちわ!
生まれはクリスチャンで、大学4年のときは仏教の授業で空の思想について研究していました、ケイシーです。

タイトルや挨拶の文からも分かる通り、今回は宗教色が強めの内容です。

最初に断っておきますが、僕自身は無宗教ですが色々な宗教とその文化に関心があり、その延長で今回はイスラム教を学ぼうと思った次第です。
特定の宗教を贔屓したり、勧誘を目的とした内容ではありません。
イスラム世界を少し知って、関心を持って頂ければ幸いです。


さて、今回は代々木上原にあるトルコ式モスク、東京ジャーミイに行ってきました!
そこでの感想を綴る前に、僕個人の宗教観や経験について簡単に説明したいと思います。

冒頭でもお伝えした通り、僕はクリスチャンとして生まれました。
両親は日本では珍しく、恋愛結婚ではなく宗教結婚をしています。
僕は幼い頃から信仰心の篤かった母に連れられて教会に通っていて、自分の世界には当然のように神様がいました。
部活を始めて忙しくなる中学生くらいまでは月に一度は礼拝に行くようにしていて、毎日必ず夜にはお祈りをしてから眠りについていました。
今思えば当時は僕の人生で最も精神的に満たされていた時期かもしれません。

部活に打ち込むようになって宗教から離れていた高校時代、両親のすれ違いが大きくなりました。
理由は宗教観。
熱心な母に対して父はほぼ無神論者になっていて、母はそんな父と一緒に生活は出来ないと言うようになりました。
僕が高2の春に母は家を出て行き、その後正式に離婚をしました。宗教が理由の離婚というのは、日本では極めて珍しいのではないでしょうか?

「神様がいるなら、なんで俺にこんな仕打ちをするんだ?」
四男坊でお母さんっ子だった僕は酷く落胆しました。

突然僕の世界から神様は姿を消し、僕は世界の全てを神抜きで考え直さなくてはいけなくなったのです。

(それに加えて精神障害を持ち言葉が通じない父との二人暮らしの開始、部活での人間関係の問題、偏差値46の高校にいながら早稲田を志望する葛藤が相まって初めて鬱に襲われたのですが、長くなるのでここでは割愛)

その頃から僕は宗教を論理的に捉える宗教学に関心を持つようになり、キリスト教や仏教、イスラム教の勉強を始めるようになりました。


人生において結論を出せることなんて殆どないと考えていますが、僕の宗教に対する考えを強いて結論づけると以下の通りです。

・僕は特定の信仰を持つことは出来ないだろう
・しかし無→有を作り出した神的存在を否定出来ない
・宗教はただの信条ではなく、生活の指針となるものである
・それぞれの宗教の相違点、その背後にある文化は学問として心得るに十分な魅力がある



僕の話が長くなってしまいましたが、こんな背景のもとに僕はイスラム文化に関心を持っていて、今回の企画に踏み切った訳です!

企画の内容としては、
「日本最大のモスクをムスリムに案内してもらう」
というものです。

それを快く引き受けてくれたのが、僕の友人の友人、ミチさんです。


ミチさんは元々キリスト教の家庭に生まれて、最近イスラム教に改宗したそうです。
大学では心理学などを学んでいて、そういった観点からもイスラム教を観ている、とてもクレバーで面白いバックグラウンドを持った人です。

そして何より、初対面の僕たちが少しでもイスラムのことが分かるようにと、資料を用意してくださったり、短い間しか滞在できなかった僕たちのために時間配分をしてくださったり、最後には日本語で書かれたコーラン(クルアーン)をプレゼントしてくださいました。

画像1

その心遣いに本当に感動しました。

これはもちろんミチさん個人の人間性の良さもあると思いますが、これこそがイスラムの精神でもあると、僕は感じずにはいられません。

日本は地理的にも精神的にもイスラム世界と距離があり、かつ西洋文化の色眼鏡を通してその文化をみる機会が多いため、そもそもイスラムがどんなものなのか知らないし、イメージとしてはニュースで流れてくる過激派のテロ事件ばかりだという人も少なくないでしょう。

そのためにただでさえ宗教に抵抗感がある日本人は、
(これは国家神道と帝国主義が合わさって悲劇的な結果をもたらした先の大戦からの反省・GHQによる構造改革と、残虐的な事件を起こした宗教団体への恐怖心などに起因するだろう)
イスラム教に対してネガティブな印象を持っている人も多いかもしれません。

でも現実は正反対だと僕は考えます。
イスラムは多くの人に開かれた、とても寛大な宗教です。
これだけ広大な地域に浸透しているのには、それなりの理由があるのです。

画像2

こちらの写真はイスラム文化圏で誕生した発明などをまとめています。
僕たち日本人はそのほとんどを西洋世界を通して知ったため、イスラムがどれだけ高度な文明を持っているか気付かないのです。
(世界四大文明のうち3つがイスラム圏に含まれているというのも驚きです)


東京ジャーミイの受付の方にイスラムについて知りたいと伝えたところ、物凄く丁寧に、熱く語ってくださいました。

イスラム文化には生きていくための工夫が盛り込まれている。
例えば、イスラムの衣装といえば女性はスカーフを巻いたり、目だけを出して肌を全て隠すこともあります。男性も白のゆったりした長袖を着て、布を頭から被る場合もあります。

地中海地域や中東などは日差しの強い乾燥気候です。人間の肌は紫外線に当たるほどに老化していくことがわかっています。
この衣装は直射日光から身体を守る効果があるのです。

イスラム教には様々なルールがありますが、それにはちゃんと理由があるのですね。


イスラム文化の大きな魅力の一つに建築があります。

偶像崇拝が禁じられているために発達したアラベスクなどの装飾芸術。
東京ジャーミィの礼拝堂も本当に美しいです。。


画像3

画像4

画像5

礼拝の様子をみていると、とてもユニークでした。
キリスト教でも仏教でも、祈る/瞑想をするときは手を合わせて輪を作りますが、イスラムは全く違うのです。
ミチさんにこちらのパンフレットを見せていただくと、礼拝の流れが説明されていました。

画像6

このような礼拝が1日に5回行われます。
生活のサイクルを作ってくれるのは、フリーランスで生活している僕にとってはとても有意義に感じます。



かなり長くなっていまいましたが、今回の学びや僕の伝えたいことはこちらです!
・イスラムは極めて寛大な宗教である
・イスラムの決まりにはちゃんと理由がある
・西洋世界と違う視点を持つことは有意義である
・建築装飾などイスラム文化には魅力がたくさんある

今後も東京ジャーミィのイベントに参加して、より深くイスラム文化を知りたいと思いました!


最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?