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皮膚削り

本格あかすり80分+リンパマッサージ30分+顔パック付き ¥12800

新宿のとあるエステに行った時の話。

ボディ用のタオルは使わず、手で体を洗っているひとは結構いるんじゃないだろうか。

6月、梅雨に入りジメジメした暑い日々が続く

汗で不快感のある体と、あかがつきまくってあるであろう体のまま梅雨を越せないと確信し、仕事終わりにあかすりをやっているエステに行くことにした。

あかすりだけでは満足できないと思ったのか、冒頭で記載した贅沢なコースを予約した。

仕事が終わり、汗が染み込み蒸れたシャツ、疲労感、コンディションはバッチリ。

エステに入ると、店の看板で察してはいたが中国人のおばあちゃんが、カタコトの日本語で笑顔で出迎えてくれた。

まずは座ってと言われて待っていたら、奥にある冷蔵庫からヤクルトを一本だして僕にくれた。

小学生のころ学校から帰ってきた僕によくヤクルトをくれたおばあちゃんがフラッシュバックし、昔を懐かしむときになる胸がギュッとなる感覚がした。

どこの誰かも知らないおばあちゃんだが、実家に帰ったような安心感と居心地の良さを一本のヤクルトで感じた。ささいのないおもてなしもこういう形で誰かに響くこともあるんだな。

ここまで聞くと、とっても優しいおばあちゃんなんだなと思うだろう。

だが、施術は良くも悪くも"中国のおばあちゃん"だった。

>あかりすり中
おばあ)イタクナイー?
  僕)ちょっと痛いです。

おばあ)デモイッパイアカデテルヨー、カンバテネ 

僕の言い方も弱かったが、痛いと言っても力を弱めてくれないおばあちゃん、シンプルに痛い。

荒めの紙やすりを全力でスリスリされているような痛みだった。
あかすり中は、顔パックをしていて視界が真っ暗のため余計痛覚が敏感になる。

「ザーッザーッ」「ジャッジャッ」こんな音が痛みとともに聞こえてくる。
こういう拷問、昔の時代にはあったんだろうな、火炙りとかしてるし。

そんなこんなで令和版合法的拷問を約50分ほど耐えた。自分の感覚的には、理科の実験室なんかであった人間の模型のように、皮膚を削られ、筋肉が浮きでて真っ赤になっている気分だった。

でも流石あかすり。僕の体は艶々すべすべに!脱皮に成功したような感覚。あかすりを人間の脱皮としもいいんじゃないか?それくらい変化が分かった。

長い時間、力を込めてごしごししてくれたおばあちゃん、ありがとう。

体の汚れも、廃れた心も、あかすりとヤクルトで綺麗になった。そんな日でした。

以上

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