見出し画像

自動車業界の覇権争い-🇺🇸企業と政治編-

皆さん、こんにちは。都内勤務サラリーマンのともです。
前回の記事でアメリカ自動車産業の現在地について記事を書きました。
今回は、「個」の企業について注目していきたいと思います。

前回記事のUS自動車業界については、こちら↓。

地図で見る自動車各社

アメリカの車社会を支え続けるBIG3から新興企業まで見ていきたいと思います。

BIG3

・GM ゼネラル・モーターズ
アメリカにおけるセールス、知名度、ブランド数やファンの多さなど、総合的にナンバー1の自動車メーカー。様々な人種が共存する大国アメリカにおけるニーズの幅は広く、所得の差も極端なため、様々な層に対応するモデルを投入した。「77年連続生産台数世界トップ」という金字塔をもつ。(2012年に記録は途切れた。)

デトロイトを中心に工場を展開。現在は、EV工場も持ち、2035年までに全車両EV化を計画している。

GM工場分布

・Ford フォード

フォード社は現代自動車産業の土台を作りました。組み立てラインの導入による生産効率の向上、労働時間を8時間に短縮し、賃金を向上させることによる労働環境の改善が主に挙げられます。

EVの生産に関しては、進歩が見られるようですが、未だ小規模でガソリン車がメインのようです。

Ford工場分布

CHRYSLER クライスラー(Stellantis Group)

2009年にアメリカの金融危機が原因で発生した世界的な不況の影響で倒産の危機に陥りました。しかし1ヶ月という短い期間で再建し、現在では大手自動車会社のフィアット傘下となり、現在はステランティスグループのブランドです。

クライスラーのデザインは見る者にクラシックな印象を与え、古き良きアメリカを思い出させるようなデザインをしています。その為、クライスラーの販売する自動車は他の自動車メーカーの販売する自動車と比べて個性的な見た目をしています。

アメリカでのEV展開は今後、本格的に参入するようです。

Stellantis工場分布

新興勢力

・テスラ

中国BYDと並んでEV業界をリードしています。
企画から販売まで一貫しているため、これまでの「EVは儲からない」という定説を破り大きな利益を得ています。
急速充電規格 「NACS」を作り、充電ネットワークを整備しています。その技術は他の自動車会社が採用するほどすぐれています。

Tesla工場分布

・Rivian Automotive

2009年にカリフォルニア州で創業。米国にて人気の高いSUVとピックアップトラックのEVを製造販売しています。この市場は、テスラが市場を拡大していないセグメントで、2021年に初出荷されました。テスラの主な競合相手とされているが、経営は赤字であり厳しい状況です。

Rivian工場分布

・Lucid Motors
2007年に創業、カリフォルニア州メンロパークを本拠地を置来ます。
設立初期は、リチウムイオン電池といった車載用電池の開発に力を注いでいましたが、2014年からEV開発に取り組んでいます。
テスラの副社長であるBernard氏がCEOをつとめ、テスラ・モーターズ出身者が多く、デザイナーやエンジニアも数多く移籍しています。
シンプルで高級感のあるデザインと画期的なテクノロジーを組み合わせたラグジュアリーセダンが特徴です。

サプライヤー

エンジン部分とトランスミッション部品を供給するサプライヤーおん分布です。
No-EVのサプライヤーは、アメリカのBIG3工場を囲むように、分布していることがわかります。
EVサプライヤーは、アメリカ全土に点在しています。今後はEV政策が進んでいるカリフォルニア州を中心にサプライヤーが集まってくるのでしょうか。

サプライヤー分布

地図から読み取れるアメリカの自動車産業

完成車メーカー工場分布

アメリカの自動車業界には、以下の特徴があるのではないでしょうか。

アメリカの自動車業界は広いサプライヤーを巻き込んでいる

現在のアメリカ自動車業界は、GDPの0.7%しか占めていません。しかし、工場の規模感を見ると、made in AmericaとしてEV車を展開することで、成長産業になるのではないでしょうか。

自動車業界に2つの中心地が生まれた

これまで自動車業界は、デトロイトを中心に展開されていました。しかし、新興企業はアメリカ南部を拠点としています。アメリカ南部は黒人が多く、低所得の傾向があります。
EV業界の成長による雇用の創出は、アメリカ南部に好景気をもたらすのでしょうか。

EVへの展開は始まっている。しかし、全米への展開は長い道のりとなる

工場には、ガソリン車とEV車のどちらも生産している工場があります。これらの工場では、未だにガソリン車の比重が大きく、EV車の生産水準は低くなります。このデュアルアプローチは非効率かつコストがかかります。
EV車専用工場の設立がEV車の価格の低減のポイントとなります。

アメリカ大統領がEV普及の鍵を握る

バイデン vs トランプ 政策は正反対

11月の大統領選を前に、バイデン米政権は電気自動車(EV)への移行を促す環境規制の緩和を検討しています。30年に新車販売の半数以上をEVなどの電動車にする目標を掲げていましたが、その達成は厳しくなります。EV車購入の税額控除と充電器のインフラ整備が補助金は継続します。
一方、トランプ氏は、環境規制を廃止を公約としており、税額控除とインフラへの補助金は廃止をする可能性もあります。

アメリカの自動車業界従事者はEVに対してネガティブだが・・

EVはガソリン車と比べて、組み立て部品点数が少ないです。
よって、アメリカ自動車業界の労働組合である、全米自動車労組(UAW)は、EVの普及=雇用がなくなると考えています。
UAEの組合員が多く住むオハイオ州は、EV普及に後ろ向きです。
しかし、バイデン氏はUAWのストライキに参加するなど労働者寄りの姿勢を強調し、オハイオ州からの支持を得ています。


ご覧いただきありがとうございました。
企業のEV戦略に興味がある方は、こちらの書籍がおすすめです。

引き続きEVについて記事にしたいと思いますので、フォローをよろしくお願いします。
では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?