Last rain(ラスト レイン)

私には 割と高確率で 歌う曲がある。

それは 中西保志さんの『最後の雨』だ。

この歌を 想い人に向けていないように 誤魔化そうと必死だが 多分というか 絶対に 感付いている。

まぁ ラブレター贈って 玉砕しているので 疑う余地もない訳だが。

チラチラと 彼女を見ては タイミングよく 視線を逸らす。

本気で 忘れられるなら もう とっくに忘れているだろう。

それでも 彼女は 私の中から 出会った あの日から 姿を現さない日はない。

本気じゃないなら 愛する理由も時間もないのだ。

いつも サヨナラをする時は 銀色に煙るのではなく 笑って 手を振り合う。

互いの名前を 呼び合って。

もう決めてしまったのだ 彼女に。

砂の城を拐う波に 恐怖するくらいなら 私の波に 彼女を乗せて 笑い合いたい。

傍にいることが 愛なのではないかと 考えた日もあった。

彼女が求めているのは 自分じゃない 他の誰かなんじゃないかと 思い悩んだ日もあった。

そんな日々を越えた今。

私のフィルターを通した時に残ったのは『彼女を愛した私』だった。

初めから それだけで よかったのだ。

言い訳を求めていたのかもしれない。

自分の気持ちに『確信』が持てずにいたから。

会いに行かなくなれば 冷めるんじゃないか?

そんな 柔な方法で消せるなら『好き』にはならないし『愛』には変わらなかっただろう。

いずれ 来てしまうのだろうか?

『最後の雨』が 降り注ぐ時が。

でも 私は願っている。

私達に『最後の雨』が降らないことを。

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