英語のテスト、やればそれなりの点は取れた。
TOEICスコアだって900点超えは当たり前のレベルだった。

でも、英語の発音には自信がなかった。
だからひたすらネイティブの音声を聴いた。聴きまくった。

ただ、いくらネイティブの声を聴きまくったところで英語発音力というのだろうか、自分の納得のいく形の発音ができないままだった。

英語の発音をなんとかすべく、発音矯正スクールなるものを検索した。
そしていくつかのスクールやセミナーに通ってみた。

実際に通ってみると、みんな同じことを言っていた。
それは、口の形を説明して音の出し方を説明し、先生が発する音を真似して同じ音を出すように、とのことだった。

先生が自分のところに回ってきた。
「違う」と言われた。

でも何が違うかさっぱりわからない。
似たような音が出せない。

いくつか発音矯正スクールやセミナーに通ったが、結局自分の納得できる形に音を矯正することができなかった。

その後、友人から一冊の本を紹介してもらった。
すごく良さそうな本だった。

読んでみた。
やっぱり直接教えてくれる人がいないとキツかった。無理だった。

大学では英語を専攻していた。
でも、正しく発音を教えることができる教授や講師はいなかった。

会話のクラスでも、とにかく英語でしゃべってみて、という感じで。
それなら家で壁に向かって英語を一人でしゃべっているのと何も変わらない。高い授業料だ。

しばらく時が過ぎ、なんとなくGoogleサーチしていたところ、一つのウェブサイトに出会った。
そのサイトではそのサイト管理者がそれまでに通った英語発音矯正スクールの評価が一つ一つ書いてあった。

まだスマホのない時代だ。
だから、ウェブサイトも素人が作ったサイトが数多く存在する時代だ。

そのサイトもど素人が作ったようなテキストだけのサイトだった。
逆に、そのサイトのシンプルさに引かれた。

デザインが綺麗すぎるサイトって中身があまりなかったりする。＜・・・個人的経験から。。
一方で不器用な人がなんとか自力で作ったようなサイトって中身が濃い気がする。

そのど素人が作ったサイトに釘付けになった。
この人はデザインで勝負してない。きっとこのサイトに書いてあること正しい。心からこのサイトの管理者は伝えようとしている、と。（妄想膨らんだ）

そこで、そのサイト管理人が一押ししている発音矯正スクールに通うことにした。
申し込み受付はなんとFAXオンリー。FAXでのみ受付可能だった。

えっ？？？って感じだったが、逆にさらに気になった。
ちなみにそのスクールのサイトもはっきり言ってダサい。今でもダサい。

単にFAXで申し込んでも入学OKにはならない。
必ず体験で一回スクーリングしなければならないとのことだった。

なぜこんなにハードルが高いんだ。。
さらに興味がそそられた。

そのスクールには決まった教室がなかった。
当日指定された貸し会議室に行ってみた。
時間になると、その場に生徒が10人ほど集まっていた。

先生が入ってきた。
見た目、めちゃくちゃ日本人でビビった。

しゃべった。。
英語だ。。

英語だけど、自分がイメージしてたような、いわゆるアメリカ人がしゃべるような感じじゃなかった。
日本人英語というわけでもなく、可もなく不可もなく、という感じだった。（私が上からモノを言えるレベルじゃなかったが）

クラスは英語のみで行われた。
私語も一切禁止、というか、誰も私語を発しなかった。

ゆえに、先生とも友達になるわけでもなく、生徒同士も一切友達にならないような独特なスクールだった。
それはそれで割り切った関係で、私は好きだった。

その先生はおそらく日本語もわかる人だったんだろう。
日本人が理解しやすいような例えで必要最低限の音の作り方を一つ一つ丁寧に教えていった。

よくある口の中を図解した、口の中に発音記号が散りばめられている図を見せるのではなく、発音一つ一つについて、手書きでホワイトボードに口と歯と舌と喉の図を書いて説明する。印刷物の配布は一切なかった。

結局2年間ぐらい通ったのかな。
いわゆる全部の発音記号を教えてもらったわけではない。全ての英語の発音パターンを教えてもらったわけではない。

必要最低限の音の出し方を教えてもらった。
それだけで今十分に英語発音できている。

独特の記号が出てくる。
ホントかよ？って思う発音手法が出てくる。

でもめちゃくちゃロジカルに、なぜその音がそんな感じで短縮されているのか、なぜそんな音に変化しちゃうのか、など丁寧に教えてくれた。

この先生を信じて貸し会議室に通い続けた。
先生の発した言葉を全てメモった。そしてそのノートは今では私の宝物だ。

今、知らない人が私が英語で電話会議をしている時の声を聞くと、外人だと思うらしい。
数年前、いつもは訪問しない会社の工場にシステム切り替えのIT業務で、アメリカから来たエンジニアと訪問し、システム切り替え対応していたところ、滞在数日経過まで、私は日本語ができる外人だと思われいた。

多分、顔も濃いせいだと思う。石油系の顔によく間違えられたから。
そして、声もプロバスケットボール選手の八村塁似だ。

そもそも声が低いからその分ネイティブっぽく聞こえるのかもしれないが、この先生から教えてもらった口からじゃなく喉から声帯を震えさせて音を出すということを心がけたり、下顎を軽く出して声を出したりと、素直な私は素直に全てその先生がおっしゃることに従った。

その先生には感謝しかない。

結論

1. 顔ががっつりネイティブの人が教えてるから正解、日本人が教えてるから不正解じゃない。
2. 「私の音を真似して同じような音を出してみて。Repeat after me..」的な指導をしているスクールはダメ。それは指導ではない。
3. 自分で音が作れるようになると、一気に英語が耳に入ってくるようになる。＜・・これはまた別途詳しく紹介します

私自身、近々オンライン英語コーチを始める予定。
その際は、この先生から教えていただいたこと全てを自分の生徒へも伝えていきたいと思っている。