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完全なる投資家の頭の中──マンガーとバフェットの議事録 (ウィザードブックシリーズ)

本書は、バフェットの相棒のマンガーの投資に対する考え方をまとめた本である。

マンガーが今年の株主総会で、言っていたことが面白かったので、購入読了。

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マンガー氏いわく、

・アメリカでの大統領選挙で勝ったのは、バイデンでなく、エリザベス・ウォーレンであり、バーニー・サンダースだ。(つまり、これからのアメリカは社会主義化した政策が取られる。低金利と政府による財政ファイナンスで、若い世代が金利で儲けることは難しくなる。)

・ロビンフッドで、今儲けている人(金融緩和でレバレッジをかけてハイリスクの投資をしている人)は全員がいなくなる。私は、それが起きることを確信している。

・(暗号資産については)誘拐犯や恐喝犯などに便利な通貨を歓迎しない。また、何もないところから新しい金融商品を発明した人に、何十億、何百億、何千億というお金が行くというのも気に入らない。控えめに言えばこのような開発は文明の利益に反しているし、うんざりだ。

とのことである。

本書では、マンガー氏の考え方(投資タイミング、バリュー投資、強固な競争力を築く会社の見抜き方)が書かれている。

マンガーもバフェットも年齢を重ねており、幾度のバブルとバーストを経験しているので、今の金融緩和による株高が持続可能でない、ことを分かっていて、キャッシュポジションを多くしていると思う。(ポジションを取らず、キャッシュを有効活用できていないと批判の対象にもなっているが。)

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2011年くらいからバーナンキによって始まったQEバブルがいつ頃弾けるのか分からないが、もう抜けることが出来ないようなところまできてしまったと思う。(個人的には、歴史を考えれば、通貨発行によるドル安政策で解決していくように見える。)

マクロ要因に関わらず、どんな時でも、強固な競争力(本書では塀と呼んでいる)を持った企業の株価は上昇していく。その塀を見つけるために勉強を続けていく必要がある。

いつの時代も、おじいちゃんやおばあちゃんの言うことには耳を傾ける必要があると思う。人間の営みや生き方が大きく変わることはなく、本質はいつも同じである。

投資の本質も変わらないと思う。


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