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あれは、とうさんだった、のか?

またまた親子げんかをした翌日のこと。 氏神様を参拝した帰り道に、先日の男性が現れた。 え?なんで?また?けんかしたから? とうさん、また出てきてくれたの? 杖を持つ後ろ姿で確信し、 追い抜く時にちらっと見ると、 お顔にはうっすら赤い眼鏡。 やっぱり。こないだの、とうさんだ。 どうする?話しかける?でも、なんて? どう見たって幽霊じゃない。散歩途中の男性だ。 立ち止まることもできずに追い越し、先を歩く。 話かけなくていいのか、自分! 道端に咲いている花を見るふりをしな

    • あれは、とうさんだった。

      昨夜とても腹が立つことがあって、朝に再燃したときには素手で洗濯機を殴り壊したいくらい怒り心頭だった。 怒りと、意味がないとわかっていながら繰り返す後悔と罪悪感を抱えたまま、歩いて10分ほどのところにある氏神様へ向かった。その参道でのこと。 石畳が敷かれたゆるやかな坂をぽてぽて歩いていると、脇道から生成りのズボンにタートルネック、黄土色のカーディガンを着たおじいさんが杖をつきながら現れ、立ち止まった。そのシルエットと醸し出す雰囲気は、3年前に他界した父にそっくりだった。何度

    あれは、とうさんだった、のか?