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虎ノ門そして栗饅頭のうらみ

「虎ノ門」「栗饅頭」という言葉を耳にするたび、沸々と思いだすうらみ事がありました。

私は九州に住んでいて、大学に事務として勤めているのですが、1年目、社会人ポヤポヤの時に担当していた教授が大手企業の社長さんを呼んで講演会を開催したのです。どれくらいの大企業かといいますと・・・社員数 数千人(連結)資本金数十億、創業100年越えといった大きな企業でございます。そんな企業の社長が来るっていうのでテンパっていましたら、部局の総務の係長が「お茶出しこっちでしましょうか?」とお声がけくださったのです。もう、ありがたく受け入れて当日を終えました。

翌日学校に行って、総務の係長にお礼を言ったら
「社長さんが持ってきてくれた栗饅頭。しょうこさんも1個どうぞ!」
と大企業の社長さんが30個ほど持ってきたという栗饅頭を1個くれたのです。「あ、ありがとうございます」と言って受け取ったものの・・・あれ?違くない?うちのお客さんなんだから、その栗饅頭、箱ごとうちに持ってくるもんじゃない?社会人ポヤポヤは、はてなで頭をいっぱいにしながら栗饅頭を掌に岐路につきました。

虎ノ門 岡埜栄泉の栗饅頭

栗饅頭、ものすごく大きくてツヤツヤで、白あんに栗が一個ごろっと入っていて、本当に美味しかった。それが故に、やっぱり一個だけ渡された栗饅頭が悔しくて、どこの栗饅頭か調べたところ「虎ノ門岡埜栄泉」の栗饅頭、当時263円。会社で取引先への手土産に買われる方も多いんだそう・・・やっぱり大企業の社長さんは違うわ・・・手土産も高級やわぁ・・・でも箱詰めの栗饅頭はうちのものだったのでは?という気持ちがずーーっと消えず。別にたくさん食べたかったわけでもなく、多分、いただいてもうちの部署では食べきれていないですし、お世話になった総務の皆さんにもおすそ分けしていると思うんですけど釈然としないまま13年が過ぎました。というのも、その総務の係長にはその後も何度か、いい所を横取りされたことがあり、あの栗饅頭も係長自身が食べたくて自分の部署で配って、一個もあげないのはあんまりだと思って私に1個くれたんだろうなと思っています。でも13年残るって、いやぁ・・・食べ物の恨み怖いわぁ・・・

虎ノ門 岡埜栄泉の店構え

13年を経て、この前虎ノ門を訪れる機会があり、ついに岡埜栄泉に行ってみることに。調べると豆大福も有名なんだそう。こちらは製造当日に食べないといけないんですね。そして午前中には売り切れてしまうこともあるんだとか。

豆大福 270円

豆大福・・・すごかったです。ふわっふわのお餅の中に、さら~っととろけるこしあんが入ってて、飲める勢いで食べられます。そして赤エンドウの塩味と歯ごたえのある食感がアクセントになって、これはおいしい!午前中で売り切れるのも納得のお品です。

左:わっふる180円 右:どら焼き220円

それから、こちらも人気と伺ったワッフルとどら焼きも買いました。ワッフルはふわふわのカステラ地の良くある和洋菓子なんですが、中身の杏ジャムが珍しく、酸味も甘味もバランスが良く美味しかったです。どら焼きは普通に美味しいって感じです。

栗饅頭 290円

栗饅頭もきちんと買いました。ごろっと一個栗が入っていて、白あんの甘味も抑えめ。やっぱり美味しい。この皮のつやと言ったら・・・美しすぎる。家族で食べる分を買って、大満足して岐路に着きました。

13年して、ようやく晴らされた虎ノ門栗饅頭の恨み。私が思うのは、もしあの時、総務の係長に栗饅頭奪われていなかったら、ここまで虎ノ門岡野栄泉に執着していなかったと思うんです。執着したからこそ、この美味しい豆大福やワッフルに会えたのかもなーとも思います。ということは、係長に感謝せねばならない?

最後に、もし豆大福を買いに行かれる際は、予約をおすすめします。せっかく足を運んで売り切れていたら「虎ノ門 豆大福の恨み」になってしまいますから。

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