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同じ土俵で組んで、同じエネルギーで走る

「相見積もりするの?」
初めて一緒にお仕事する方にふと聞かれた。

「相見積もり」とは、
何かのお仕事を同じ条件で、“比較”のために何社かに見積もりをとること。
どの業界にもあるかと思うけど、建築デザイン業も多い。

何社かで“比較”をされるので、
当然、見積もりしても採用されないこともある。
「見積もり負け」なんて言葉もよく聞く。

===
冒頭の質問に、

「相見積もりはしません!」と、即答した。

ふと、その方の心が緩んだのがわかった。
「見積もりしても相見とられちゃうとやっぱりやる気無くすよね。」
===
本当に同感。

私が相見積もり側に回される条件の仕事も受けたくないので基本的にはお断りしてる。コンペも出ない。

ご指名をいただいてる方のお仕事や自分がつくることを優先したいので、
「私でなくても良い仕事」に時間を振りわけられないな。と明確に意識が変わった。と、言ってもまだ数ヶ月なので、練習飛行中。

冒頭の話に戻る。
お仕事をお願いできるまでは、予定や条件に合う方に話を順番にしていくので、様子見で何件かの方にお声がけや相談することもあるけど、信頼してお仕事をお願いしたいので「相見積もり」は、
私が選択できる条件であれば「しない」。

建築、デザイン、設計をしたところで、まだつくりたいものの半分も完成していない。その時の条件に合わせて、ベストな選択肢を選び取り、お仕事をお願いして、一緒に「よいものをつくる」ために仕上がるまで根気良く走り続ける。予算、スケジュール、現場の条件、などなど、次から次へと課題や難題がでてくるこの仕事、ひとつの「もの・こと」を使い手に引き渡すまで、つくる側は、同じ船に乗って荒波を越えてゆく。

穏やかな日もあれば、雨風の強い日もある。
航海して目的地に辿り着くまで、
共にこの想いを共有し、
なんとか船を漕いで進めていく。

仕事を依頼する・される立場で、
どっちが偉いとか上流とか下流とか
そういうことではなく、

それぞれが自分の役割分担のところでベストな力を出せて、
走り続ければ、予想を軽く越えた「よいもの・こと」がでてくる。

ちょっとしたことだけど、
「気持ちよく」それぞれの持ち場で仕事ができる環境を整えるのが
どの職業でもあると思う。

「想い」が通じると、初めてご一緒する方でも、
「ふっ」っと懐に入って、聞きたいこときけたり、
作り方や考え方も教えてくれる。

自分だけで見えて無かったこと、
余分にしてたものが削ぎ落とされる。

出会えた人と人とでしかできない、
エネルギー交換。

「良い仕事がしたいじゃん。」
20年以上前にバイト先の花屋のおやっさんからふと話してくれた一言。

やっぱりそうだよなと、
ふとした瞬間に思い出す。

何度も何度も諦めそうになったり、
大変なことが多すぎるけど、
やりがいのある楽しい仕事なので、
一緒に走る人が増えて欲しい。

「同じ土俵」
「同じエネルギー」
できることはまだたくさんある。

少しでも働き続けやすい環境を整える側に回りたい。




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