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同じ被災者としてできること〜暖かい支援と愛を拡げていく〜

年が明けてすぐにおきた能登半島の地震のニュースを見るたびに胸がギュッと痛くなります。
被害に遭われた方々のお気持ちを想うと、言葉になりません。

私は令和元年の東日本台風で自宅が半壊しました。
あの時は私も被災者でした。

東日本台風では天気予報で被害が出るかもしれないことが分かっていて、避難指示も出ていました。
我が家はミンちゃん(ネコ)がいるため避難所へは行くことができず、自宅待機していました。

浸水は、雨が上がってもう大丈夫だろうとホッとしたところに突然起きました。
息子が2階の自室から外を見たら、隣の駐車場のマンホールから水がじわじわとかなりの速度で浸み出しているのを見つけて、危ないかもと知らせてくれました。

その後すぐに我が家にも水が入ってきました。
娘とミンちゃんを先に2階へ避難させ、息子と私でバスタオルで浸水を防ごうとしましたが水の勢いを止めることはできません。
慌てているうちに壁がミシミシと言い出し「これは危ない!」と息子と階段を駆け上がりました。その直後、窓ガラスが割れ水が凄い勢いで家に入ってきたのが見えました。

水の勢いの恐ろしさに2階へ上がったら震えが止まりませんでした。
浸水した泥水の中に家具や食器、割れたガラスの破片などがプカプカと浮いているのが見えて、逃げるのが少しでも遅れていたら浮いていた物に足を取られ逃げられなくなっていただろうと思いました。
「数十センチの津波でも危ないから逃げるように」と地震の時に何度も言われていることが、身をもって分かりました。

浸水が止まり、屋上へ出たら雨は上がり雲も消えて、漆黒の澄んだ夜空に月が綺麗に浮かんでいました。
その月を眺めていたら、恐ろしい台風を起こしたのも、美しい月を見せてくれているのもどちらも同じ自然による現象で、どちらが「良い」も「悪い」もなく「ただ起こっただけ」なんだよなぁと感じました。
あの時に見た美しい月とその時の感情を私は生涯忘れることはないでしょう。

浸水の翌日、連絡をした親友が周りの人へと伝えてくれて、それがまた伝わっていき、たくさんの友人がお見舞金を振り込んでくれました。
片付けを手伝いに来てくれた人もたくさんいました。
会社からは「片付くまで休んでいい」としばらくお休みをいただきスタッフが休み返上で頑張ってくれました。

浸水でたくさんの大切な思い出の物を失いました。
祖母から譲り受けた装飾品、雛人形、五月人形、そして子供たちの母子手帳...数え上げたらキリが無く、今でもそれを思い出すと悲しみが込み上げてきます。
でも私は失った物以上に大切な物を受け取ることができました。
それは周りの人たちからの暖かい支援と愛です。
こんなにもみんなが素早く連携して、みんなが私のためにできることを考え行動してくれたことに、本当に心から感謝しています。
人の繋がりっていいなって、思い出す度に暖かな気持ちが拡がっていきます。

みんなから受け取った暖かい支援と愛へお返しがしたいと落ち着いてからお礼の品を送ることを考えました。
そうしたらみんな「そんなのいいから!困った時はお互いさま!」と言って下さって。
ならば、私はこの暖かい支援と愛を他の人たちへと拡げていこう、それが一番のお礼になるだろうと思い、自然災害が起こるたびに寄付をしています。

今回の地震の被害を見ていると、浸水した時の恐怖が蘇り怖くなります。
なのでニュースやSNSは最低限、今の状況を知り自分にできることは何かを考えるためだけに見るようにしています。
怖さに飲み込まれそうになった時には「あんなことが起きたのだからまだまだ怖くて当たり前だ」と思うようにしています。
そして良いこともたくさんあったことを思い出し、暖かい支援と愛を拡げるためには今の自分がしっかりしないと!と気持ちを落ち着かせています。

そして毎回寄付先をどうするか悩みます。

自分が被災する前は何かおこると日本赤十字やユニセフといった大きなところへ寄付していました。
でも被災して1ヶ月以上経って赤十字から一人一枚の毛布が届き正直ガッカリしたのです。
被災直後であれば嬉しかったかもしれません。ですがもうその時には実家へ避難し、自宅の修繕工事も始まっていました。
毛布は誰も使わないままクローゼットにしまってあります。

令和元年東日本台風では他の地域でもさらに大きな被害があったので、もしかしたらそちらへの支援が優先され届くのが遅かったのかもしれません。
でも寄付されたお金や物が、確実に被災された方へ、必要なベストなタイミングで届けられることのできる団体や個人へ、私は寄付しようと決めました。

今回は被災された自治体へふるさと納税として直接寄付することにしました。
あとはヘラルボニーさんが売上の一部を寄付していることを知り、買おうと思っていたDisneyとのコラボ商品が対象になっていたので早速買いました。

今考えているのは被災地のペットの支援をしている団体への寄付です。
ペットは飼っている人にとっては家族と同じ大切な存在です。
きっとペット達も被災し不安を感じているはずです。
うちのミンちゃんは被災後から実家へ避難していた間ずっと血尿が出ていました。被災したことと避難生活はよほどのストレスだったのでしょう。
ペット達が少しでも安心して暮らせるためにできることがあったらいいなと思っています。

自然災害はこの地球に住んでいる限り避けることはできません。
誰もが被災者になる可能性があるのです。
だからこそ、自然災害が起きた時に私にできることを、暖かい支援と愛を拡げていきたいと思います。

改めて能登半島地震で亡くなられた方の魂が今は穏やかであることを祈ると共に、被害に遭われた方々のお痛みが少しでも和らぐよう願います。

私は皆さんと共にいます。


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