見出し画像

量子力学はスピリチュアル? 素粒子理論専攻が解説!!

 時折、量子力学とスピリチュアルとの関連性を、「ネットで」聞きます。霊的な効果や「引き寄せの法則」などです。

 では、そんな効果はあるのでしょうか。結論から申し上げますと、

  「知らんけど、多分ないです。」

 大学で専門書を読んでいる時も、素粒子理論の研究室に所属してからも、「一度も聞いたことがない」ので、多分ないです。



量子力学って?

1.なんでスピリチュアルだと思われてるの?

 なんでスピリチュアルだと思われているのでしょうか。多分、難しいイメージを持たれているからだと思います。

 例えば、トンネル効果のように「壁をすり抜ける!」なんて言われたら、スピリチュアルなイメージを持たれても、おかしくないです。

 しかし、実態は式を追っていけば出てくるし、現象自体も違和感のあるものではありません。「ちょっと不思議だな」くらいです。



2.量子力学の正体(イメージ)

 では、そんな量子力学ですが、この正体を把握する方法があります。

 そのために少しイメージしてもらいます


 まず、山を思い浮かべてください。実際に見ていただいても構いません。そのとき、何が見えますか?

 多分、「山しか見えない」と思います。

 では、次に山をズームしてください。どんどん拡大していくと、木が一本一本見えるようになると思います。でも、もっと拡大すると、小さい草も見えてきますよね。


 そこが量子力学の世界です。


 そのとき、「山」は見えますか?山の中に入り過ぎて、「山」としてではなく、林や森といった認識になるはずです。



3.量子力学の正体

 量子とは、粒子としての性質と、波としての性質をもつ存在、というだけの話です。

 もし、これをおかしいと主張するなら、電磁波を扱ったりする「電磁気学」もおかしくなります。
 「よくよく考えたら、電磁場ってなんやねん」となります。

 つまり、実験結果を見て「こういう奴がいると判った」ということに他なりません。

 私は門外漢ですが、ミクロ・マクロ経済学もそうだと思います。考える視点が変わると、見えてくる物も変わるというだけです。



4.量子力学の小噺

 トンネル効果は「壁をすり抜ける」と言いますが、実は壁を反射するときにも一瞬めり込んで、量子の波が遅れて反射するという話があります。
 つまり、壁の中にちょっとだけ滞在するということです。

 これも不思議に思えますが、論理的な過程によって、数式で計算できます。「量子力学Ⅰ 猪木・川合」を参考にしてみてください。ガチの専門書です。これでも入門書なのですが。



この記事が参加している募集

学問への愛を語ろう

物理がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?