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映画感想1 スイス・アーミー・マン

感想を書くのはなかなか難しい
「第三者に向けた、映画の感想」を書くのは難しい。
ネット上や、書店にある映画評を見ると、制作時の事情を丹念に調べた上で異論の出ないような論じ方をする人や、小説・アニメ・心理的な医療・世界史等幅広い知識を使って面白く論じる人など、本当に色々なスタイルがあるのが分かる。
私としては、基本的には雑談とか、記録の延長にあるものを書くことになるとは思う。いわゆる「ネタばれ」も書くことになるので気になる方はご注意を。
また、私はここに書いているものとは別に、「シネマレビューノート」(「近代映画社」が発売)という紙のノートに鑑賞直後の感想を書いている。大変愛着の湧く素晴らしいノートである。

シネマレビューノート

スイス・アーミー・マン
昨日『スイス・アーミー・マン』という映画を観た。
2016年のアメリカ映画。監督は「ダニエルズ」という二人組。
遭難し無人島に漂着した男が、絶望して首を吊ろうとすると、一体の水死体が見えた。男は水死体と行動を共にし、友情が芽生えるという話。
私は映画を観ると、後々の参考のため、100点満点で採点をしているが本作は90点であった。非常に良かった。
冒頭いきなり心を掴まれた。ポスターにも採用されているシーンであるが、この冒頭のシーンは、ジェットのような推進力の屁を噴射する水死体に乗って、男が無人島から脱出しているシーンである。
私は昨日は早めに寝るつもりで、この映画もアタマだけ見て終わるつもりだったが、この冒頭シーンで大笑いしてしまい、そのまま最後まで観ることになった。

その後は男と水死体との対話が続く。「生きていた頃のことを克明に思い出せば物凄い力が生まれるかもしれない」という水死体の言葉に希望を見出した男は、森の中で木の枝を使ってバスの実物大模型を作るなどして、人生とは何であったかを水死体へ教えようとする。この部分が、男自身の自問自答であり、内面の葛藤を克服する過程を描いているのだ、という風に言う事は出来るとは思うが、それよりも私としては「描き方」がいいなあと思った。男と水死体が『ジュラシックパーク』のテーマを小声で合唱するシーンは感動的だった。

水死体を演じたダニエルラドクリフは言わずと知れた「ハリーポッター」役であるが、今作の演技は素晴らしかった。特に声が良かった。



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